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プロの冷却とは

LastModified 02/10/10

以前お送りした、[Workstationの場合]に続き、業務用Workstationの冷却に関する貴重な画像を千穂の親父さんよりご提供うけたのでご紹介します。さすがに1台数百万円のWorkstation、メーカ製PC等とはレベルが違う冷却への拘りが伺えます。

 

1. SGI社 Octane

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CPU:  R10000 250MHz

どでかいヒートシンクで、なんとCPU基板を完全にサンドイッチしてしまています。ファンがついていないのは静粛性と筐体内の気流で冷却する設計になっているからでしょう。

 

2. KubotaComputer TITAN3000

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CPU : Mips R3000 33MHz (R3000Aではなく^^;)

もうかれこれ7年程前のWorkstationです。当時は1台3000万円程しました。(いい時代だったよな・・)これはR2000からのUpgrade用のCPUボードですが、当時のR3000は25MHzが上限クロックだったのに、無理矢理33MHzで動かす為にヒートパイプを装備しています。

そう、メーカ純正のOverClockという訳です。(無茶苦茶やがな・・・)

1999.9.1追記

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このヒートパイプですが、もういらないという事なので、譲り受けてしまいました。大きさ的には直径6mmx長150mmといった所です。

効率的にどの程度の物なのか良く判らないので、使いあぐねています^^;

形状的に、グラフィックチップの冷却に使ってやると面白そうだと思っていますが・・・

ヒートパイプについて調べていたら古河電工のHPでこんなのを見つけました。一般にはなかなか入手が難しそうですが、こういった方面からのアプローチも面白そうですね。ヒートパイプ自体は、圧倒的な熱抵抗を誇るらしいですから・・

 

3. HP C3000

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CPU : PA8500 400MHz

見よ!これぞ正真正銘、必殺のトルネードクーラー!! 凄いですね〜、どうやって加工してるんでしょう。シンクの表面積は少なそうですが、静圧抵抗は異常に小さそうですね。なんか効きそうですね〜、うーん、欲しい!
横に見えるチップ用シンクも銅製みたいですね。

1999.9.12追記
BBSにて情報を頂き、このクーラの正体が判りました。正式名称はTurboCooler(意外とベタな・・・)というそうです。HPのシステム研究所でPA8000(消費電力80W !)用に開発された代物の様です。現在はPolarlogic社(HPの子会社?)の扱いになっており、外販の事業化を検討中といった所の様です。詳細はこちらにありますが、直径9cm高5cmで熱抵抗0.22℃/Wとかなりの高効率です。大きさを考えると驚異的な性能と言っていいでしょう。実際、設計に際してはフィンの本数からファンブレードの角度まで精緻に解析を重ねたとあります。確かにその辺りを抜きにしても、この形状はインパクトがあります。これを見てしまうと、現在P3用として販売されている各種巨大クーラも野暮ったく見えてしまいますね^^;   現在に日本の市場であればかなり売れそうな気がしますが、誰か輸入してくれませんかねえ・・・・・

 

1999.9.1追記
4. IBM RS/6000 43P-260

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CPU : Power3 200MHz

ワークステーションの中では、非常に消費電力が少ないCPUですが、ヒートシンクは、削り出しのようです。この薄さが写真でわかるでしょうか? なんと言っても、CPUを下にして置くとヒートシンクが曲がってしまうくらいに、薄くて柔らかい代物です。

はっきり言ってPCなんぞとはコストのかけ方が違いますな。

まあ、どこのシステムもCPUにヒートシンクを密着させるために「バネ付きボルト」で、きつーくネジ止めしてあるのが印象的です。これら、メーカ製マシンは、ビジネス(主に研究・開発)現場で使われるので、周囲の環境温度の影響や静粛性、信頼性といった部分に気を遣わねばなりません。その代わり筐体も含めた専用設計なので、汎用品の寄せ集めであるPCとは自ずと設計思想が違って来るわけです。

我々も冷却を考える際には、CPUクーラだけではなくケースも含めたシステムとしての効率を考える必要があるのではないでしょうか?

それにしても、あのTurboCooler・・・・・欲しい・・・・HP関係者の方からのご連絡をお待ちしております。(爆)

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