| ドラマ |
| はずき様 |
『充』 いきなりボスが俺の名前を呼んだ。 いつものように俺の部屋でゴロゴロしていた。 ボスは家に来ても大して興味もなさそうな雑誌を読んでるだけ。 俺もボスを気にはしながらコミックを読むだけ。 これが普通だったから、ボスが読んだ時、少し驚いた。 『・・・何?』 漫画から視線を上げると、ボスと目が合った。 相変わらず無表情だけど・・・やっぱり整った顔してるな、と改めて思う。 だってじっと見られたら男の俺でも見惚れちゃうっていうか。 いや、実際今まさに見惚れてるんだけど。 そんなことを思っていると、ボスの顔が近づいてきた。 近くで見るとますます良い顔してるな、ホント。 あ、睫毛長いじゃん。 なんて呑気考えてるうちに。 ボスと俺の唇が重なった。 『──は?』 すぐに離れたけど、確かに。 今のは確かに。 ──キス、だったよな? 暫く、俺は固まったしまったらしい。 『ぎゃあああああああああ!!』 叫びましたとも、ええ、そりゃもう。 『な、な、何してんだよ、ボ、ボスっ!』 『何って──キス』 あっけらかんと言ってくれますね、アンタは。 ああ、こんな時まで無表情なのね、そりゃスゲェ。(←壊れかけ寸前らしい) 『い、いや、キ、キスってのは、お、俺にも解ったよ』 『──じゃあ何で聞く?』 ああ、ボス。 無表情の顔の上にクエスチョンマークが見えるのは俺の気のせいなんでしょうか。 『な、何で聞くって、な、何でキスなんか──』 『──嫌、だったか?』 嫌じゃなかったけど──って違うだろ、俺! 『そ、そういう問題じゃなくて!』 『シチエーションに問題があったのか?』 『シ、』 そうですね、ドラマだと数秒見つめ合って──ってのは王道だわな。 ──つーか、ボス、見てんのか?ドラマ・・・。 『な、何で男のボスが男の俺に──』 ああ、聞けた! そう、それだよ、俺! 俺はこれが言いたかったんだ!(←どうやらファンファーレの嵐らしい) が。 『────』 また、された。 今度はすぐに離れていかなかった。 気がついたら、俺も何時の間にか瞼閉じたりしちゃってて。 ボスが顔の角度を変えるのが目ぇ瞑ってても解って。 何か気持ち良く思えて。 ──嫌じゃ、なかった。 『・・・ん』 ゆっくりボスが離れていくと、変な声が出た。 でもそんなの気にならなかった。 ただ恥ずかしいって感情はあって。 ボスの顔が見れなかった。 『充』 またボスが呼んだ。 少し上目かげんに見ると、やっぱり無表情のボスが居て。 俺に聞いた。 『嫌だったか?』 ──畜生。 『嫌じゃ、なかった』 それだけ言うと、またキスされた。 ドラマみたいだ。 女優なんてのは、こんなシーンの時自分に酔ってるって聞いたことがあるけど。 俺は全然、ボスに酔ってた。 でも、ドラマってのはそう上手くいっても面白くないわけで。 当然現実もそう出来てるわけで。 『沼井くーん!この間借りるって言ってた本をもらいに──・・・』 居るンだよ、そして来るんだよ。 お邪魔虫てのは。(←完全に酔ってますね) バァン、とまったく遠慮の欠片も見られないようにデカイ音を立ててドアが開いた。 そこに居たのは、間違いなく。 『──アラ』 何がアラ、だ。 お邪魔虫──ヅキと、まだ唇が解放されていない俺の目が、ばっちり合った。 ボスはお構いなしと言うようにちらりと見ただけだ。 最初は驚いて固まっていたヅキの顔が、段々にやけたそれに変わっていく。 『あ、アラアラ、もしかしてお邪魔だったかしら、桐山君』 何でボスにだけ聞くんだよ! 我に戻った俺は、ばっとボスから離れようとした。 でも何時の間にか俺の腰に回されていた手が、がっちりホールドしてて。 唇が離れた。 俺がホッとしてボス、と声をかけると。 『ああ、邪魔だな』 と、ボスがヅキに言った。 ぐらりと俺の意識が一回転したのは無理もない。 倒れなかったのはやっぱりボスが俺をホールドしてたからで。 いや、なんでアンタそんなに冷静なんですか! つーかヅキも何で『ああらゴメンナサイ』としか返さないんですか!? ぐるぐるとそんなことばかりが俺の中を回って── 『充?』 ああ、ボスが俺のこと呼んでるよ。 ゆさゆさと俺の体揺さぶってるよ。 でも断言できる。 ──アンタ今も無表情だろ。 『あら、大変。桐山君、こういう時はね』 ヅキが何か言ってる。 『眠り姫にはキスが必要なのよ』 ──お前、後で見てろよ・・・。 『そうか』 いや、『そうか』じゃないでしょ、アンタも!(←もう立派なツッコミ役です) ──充が意識を取り戻して早速真っ白になったのは、この後三秒後のことである。 はずきさん有難う御座いました〜♪ ボス積極的ーー!! 計四回もチューしてますね・・・ラブラブだぁ。幸せそー。 お陰で私も幸せになりました。 |
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