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27 アフリカ中央部のテラピア

 

fish.gif (239 バイト)アフリカ中央部に琵琶湖の百倍の面積を誇る世界有数の湖、ビクトリア湖はある。この湖のどこかにナイロビの市場で売られていた一メートルはあった巨大魚、ナイルパーチはいるはずだ。とりあえずルワンダ難民のキャンプで聞いた噂を頼りにタンザニアとウガンダの国境の町ブコバに行ってみた。

エイズ発祥の地といわれるこの町だが今まで走り抜けて来た埃っぽい田舎町に比べると活気があってなかなかいい町だ。食堂に入ってメニューをみると、うれしい事に魚料理があった。内陸部では歯が折れそうな肉しかなかったので喜んで注文するとミソみたいな不思議な味がする煮物を出してくれた。思いもかけぬ味の発見に、この魚テラピアについてもっと知りたくなった僕はさっそく竿を持って湖に行ってみた。

しかし分かってはいたもののやはり途方もない広さだ。どうしたらいいか見当もつかないが、まずは小川の流れ込みでルアーを投げてみる。30分ぐらい頑張ってみるが何の反応もでないので今度は砂浜を端から探りながら移動してみる。

しかしルアーではダメなのかアタリすらない。何の手掛かりもつかめないまま浜を移動していくと岩場で釣りをしている現地人を見つけた。近くに行ってみて驚いたが、その人は沖の岩の上に座り竿を両手に持ったうえに足元にも3本、計5本の竹竿をその狭い空間で魔法のように操り、おまつりさせずに魚を取り込んでいる。しかもその竿は穂先と胴の2か所で曲がる日本の常識を超えた一品だった。

しばらくその技に見とれていたが、ともかく40センチ近いテラピアが目の前で釣れているのだ。これはやるしかない。さっそくルアーを投げるが、なぜかここでも釣れない。そんなはずないと思い頑張っていると地元の少年が「何やってんだ。テラピアはコケで釣るんだよ」と言って岩についていたコケを素早く取ってくれた。そこで仕掛けをウキ釣りに替えコケをエサに投げるとモゾモゾした微妙なアタリが出てついに僕にもテラピアがきた。それから1時間で25センチを頭に6匹も釣れ大満足。その横で小さな先生はニコニコしながら僕が釣る度に一緒に喜んでくれた。fish.gif (239 バイト)

 

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