旅する冒険ライダー 坪井伸吾のページです

 

 

 

26 タンザニアのシロダイ

 

fish.gif (239 バイト)タンザニアは独立以来30数年ぶりの選挙に国中が熱くなっていた。特に、野党支持率が高い地域に選挙箱を届けないという笑い話のような不正(?)があった首都ダルエスサラームや、もともと独立国であり独自の政治色を持つザンジバル島では暴動が起こってもおかしくない雰囲気だったので、その頃ザンジバル島にいた僕はのどかな海辺のパジェ村に避難した。

さすがにここまで来ると人々の表情は穏やかだ。村に着いた日いきなり泊まった宿の主人に頼まれバイクで彼を実家まで運んでやると、感激した彼は喜んで村一番の漁師を僕に紹介してくれた。

翌日、天気がいいので浜で寝ていると昨日の漁師に起こされ、「これから海に出る」というので慌てて彼と一緒にアウトリガー付きのカヌーに乗り込みリーフに出る。しばらく沖に出て彼がアンカーを打ったのは意外にも水深3メートルぐらいの場所だった。

「なぜリーフの外のもっと深い場所でやらないんだ?」と聞くとリーフの外は波が荒くて危険だという、なんか納得いかずにこんな所で本当に釣れるのかな?と思いつつ足元にポチャッと沈めると、すぐに15センチぐらいの熱帯の珊瑚礁に住むシロダイが来た。驚いていると彼もすぐにダブルでシロダイを上げる。

それから全くの入れ食いで15センチ前後のシロダイが釣れ始めた。なんかボツワナでタイガーフィッシュを釣って以来の久し振りのマトモな釣りに思わずニンマリする。7、8匹釣った時、エソのようだが今まで見たこともないような20センチぐらいの細長い魚がくる。贅沢なものでハンで押したようなサイズのシロダイにちょっと退屈してたのでこれは嬉しい。続いて今度は確かな手応えで25センチほどのホシフエダイだ。

そうでしょ、やっぱり熱帯の海はこうでなきゃ!途中スコールの雨に濡れながら、エサ切れの納竿まで二人で50匹ぐらいのシロダイを上げる。大満足で宿に帰ると夕方、漁師の知り合いが遊びに来て立派なロブスターを300エンぐらいで売ってくれた。このパジェの村がこの雰囲気をずっと持っていてくれるといいなと思った。fish.gif (239 バイト)

 

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