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25 マラウイ湖のシクリッド

 

fish.gif (239 バイト)アフリカ東部を南北に走る大地の溝アフリカ大地溝帯。その南の端に世界有数の水深をほこるマラウイ湖はある。熱帯の太陽の下、まるで沖縄の海のような水の色と驚異的な透明度、水中で踊る鮮やかすぎる魚達。ここは湖というよりもまさに海そのものだ。そのマラウイ湖にバイクでたどり着いた僕を村のワルガキ、パトリックが一泊50円の激安バンガローに連れていってくれた。

翌朝、彼と一緒に現地特有のカヌーで沖の島に渡ってみた。島の周囲の浅瀬にはどうみても海の魚としか思えないコバルトブルーの熱帯魚がヒラヒラしている。それをパトはひょいと手で掴まえた。あきれるほどすれていない楽園の魚達。しかし悲しいかな、その楽園を楽園としておいとけないのが釣師なのだ。

島から帰ると浜で遊んでいた子供達が集まって来た。なんと誰が教えたのか日本語で“森の熊さん”を歌っている。彼等と一緒に浜を散歩していると漁師が買わないかと言って緑色のフエフキダイを持ってきた。なんでこんな魚が湖にいるんだ!これはやはり自分で確かめるべきだ。

翌日パトと潮通しの良さそうな岬の方にカヌーで出かける。岬のあたりは思った通りの複雑な地形でどーんと水深のある湖底に巨大な岩が沈んでいていかにも魚がいそうな気配だ。一度岸に上陸し昼飯用に持ってきたナマズを浜で焼いて岸をほじくってエサのミミズを捕まえる。さあ何が釣れるか?マラウイ釣りツアーの始まりだ。

まずは水深15メートルぐらいの岩の回りを探ってみる。しかし絶好のポイントに見えるそこでは不思議な事に全くアタリがでない、とりあえずカヌーという足があるので湖底を見ながら良さそうな場所を探しつつ移動する。一時間ぐらいした頃、あまりの退屈にカヌーの上で寝ていたパトが「もう帰ろう」と言いだした。

その時初めてアタリがあり竿を曲げて15センチぐらいのタイが釣れる。パトに悪いので、それを機に納竿する。日本に帰ってから本で調べてみるとマラウイ湖のタイや鮮やかな熱帯魚達はほとんどが固有の進化をしたシクリッドと呼ばれる魚と分かった。fish.gif (239 バイト)

 

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