あとがき





ベアトリクスがEDの時にどこかへ行こうとしてました。スタイナーに引き止められましたが、「ああ、この人はブルメシアの復興に行くんだ。」と本気で思いました。セイブザクイーンを置いていったのはアレクサンドリアの復興が終わり、自分が守らなくても大丈夫と思ったからと。そうして自分の、ブラネの犯した罪を償うために旅立つ決心をしたのではないかと。自らの罪を償ってからスタイナーと幸せになる…。彼女はそんなキャラだと思いました。

スタイナーもそうですが、騎士道に順じた人はやはり義を重んじると思うのです。よくSの描くベアトリクスは「控えめで静かですね。」と言われます。でも、自分的には控えめではなく「謙虚と謙譲」というつもりで描いています。静かというのも「感情を殆ど出さないでいる」と。トップに立ち、全てをまとめるのがいかに大変なことか。個人的な感情は決して表には出せない。
ベアトリクスがスタイナーに恋がれるのが分かる気がします。スタイナーの真っ直ぐにつき進む姿は決して自分にはできない。自分にないものスタイナーは持っている。だから、この人のこんな所に惹かれたんだなと。この二人は右手と左手のような存在だと思います。形も役割も全然違う2つの手だけど、重ね合わせるとぴったりと合う。
っていうか、ゲーム中のベア様の片思いぶりがホント健気でねぇ。この方もこんなにお堅い性格じゃなかったら、苦労はしなかっただろうに。

再建自体の話は殆ど書いていませんが一応、「長期計画を立て目標管理を作り、毎日、目標達成に向けての問題点や解決策を細かく分析した。」というコトになっています。樹が復活するまでの6年間に書かれた膨大なデータベースこそが、ベアトリクスにとってのコア・コンピタンスであり、志であり、モチベーションであると。やっぱり、人徳だけじゃ決して人はついてこないんですよね。人よりも動いて、想いを伝えてはじめて他も動いてくれる。
「勝手に人が集まってくれて、土を浄化して種を植えたら、樹が生えてめでたし♪」
という、ご都合主義ではなく、きっかけは罪の償いではあるけれど、ちゃんと計画された再建だったと思って下さると幸いです。


ベアトリクスが選んだ「路」(←人がふみ行う道という意味なので「道」じゃなく「路」という字を充てました)
どんな路であろうとも、その先には人それぞれの希望と安寧を象徴する緑の光があるという。
罪を犯した人間は、どんなに時が流れても、その記憶はずっと纏わりついて離れることはない。だけど、その強烈な記憶から解き放ってくれる光もあるのです。

クレイラの大樹と安らぎの光に包まれた美しい、ベアトリクスの見た「緑の夢」

この夢がいつまでも醒めないように… と願ったお話でした。




最後に
この話を読んで下さいました皆様、本当にありがとうございました。

皆様のそれぞれの路に、緑の夢がありますように……