名 称:風の丘公園
所在地:大分県中津市風の丘公園内
完 成:1997年
施 主:-
制 作:金門電気
施 工:-
建 築:槇総合設計事務所
「風の丘」に実際に吹いている風の風速・風向がリアルタイムで信号化され、その情報に対応してエアーが、様々な長さのパイプの集積に吹きつけられる。
その音は地中に埋設された40メートルの伝声管を伝って、ベンチ下にある井戸のように深く掘り込まれた空洞で響く。そして、風が吹き抜けるような音となって、ベンチの下から立ちのぼってくる。
この風の声に、時折葉ずれの音や飛行機の音が加わり、その重奏に耳を傾けるうちに、意識は環境へと開かれてゆく。
最近の葬斎場では、煙りを出さない構造になっているが、音がその煙りに成り変わって、地中から空へ向かって拡散してゆくことで、ある意味の鎮魂歌となることを目指している。
様々な長さのパイプにエアーが吹き付けられ、その音がベンチ下に届く。エアーを吹き付けるノズルの移動する速度や、エアーの量が、自然の風に応じて変化する。
ベンチ下の深井戸のような空洞内部で、風の音が反響し、地上へと湧き上がってゆく。
風が、この地域のランドマークとなっている山や神社の方角に吹いた時には、それぞれ特別な音が響くことを表現している。
音のエネルギーが損なわれず、遠くまで伝播するように設計されている。