車社会・情報化社会と地価

 

 

情報化社会1


情報化社会2

情報化社会3

オフィスオートメ

自動車保有台数


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六十年代に本格化した日本の車社会は二十世紀も終わろうとする時点においては免許証所有人口あるいは自賠責加入者数が八千万人になっていると言われます。高校生以上のほとんどの人が免許証の所持者だと言ってもおかしくない状況です。

この数字から日本国内のマイカーの総台数は五千百万台であるそうです。日本の総世帯数は四千万世帯ですので一家に一台以上の車がある勘定になります。免許証には原動機付き自転車や自動二輪なども含まれるので、車の台数は免許証所有人口よりも低めになっていると考えられます。

車にはバス・トラックなどの大型や普通乗用車あるいは軽自動車などがありますが、大型小型を取り混ぜた平均として車一台が占める面積を一坪とすると、マイカーだけで日本全国では止まっている車が占める総面積は五千百万坪という勘定になります。少なくとも車を保管しておく 車庫面積だけで五千百万坪の土地が必要なわけです。また二千八年三月の時点では日本の車の保有台数が初めて減少に転じたとされますが、それでもその数字は七千九百八万台なので、車が占有している国土面積はさらに大きいと言っていいでしょう。私の友人の話では日本の道路の総面積は日本の宅地の総面積と同じだと言うことです。日本の宅地の総面積が何万坪なのかは確認できないのですがかなりの面積であることは確かなことです。車は移動手段なので車を保管しておく土地だけでなく道路と車が移動した先で駐車するためのスペースの土地が必要になります。マイカーだけで五千百万坪でその上それ以外の車やこれらの面積を加えると日本全体では少なくとも車のために一億坪以上の土地が必要となっているのではないでしょうか。

車社会に突入した時点からそれが成熟して行くまでの期間の日本では車が増えることでそれだけ土地への需要も増えてきていたと言えます。車社会が地価を押し上げる要因の一つにもなり得たわけです。少なくとも六十年代から九十年のバブル経済までの日本の国内では自動車産業が日本の基幹産業として位置してきました。その間地価が徐々であったとしても上昇する必然性は存在していたと言えます。 そのような趨勢の中で土地神話が生まれバブル経済による土地投機という結果になった部分もあるかもしれません。土地は値上がりすることはあっても地価が下がることはないと誰もが信じ、土地へと資金が大規模に投じられてバブル経済が発生しましたし、九十二年に地価はピークを迎えそのバブルがはじけたために株式以上に土地に関連した不良債権が生まれ出てしまいました。この頃はまだ日本はパソコンや携帯電話などが普及してはいない情報通信化社会にはなっていなかった時期でもありました。インターネットが急速に普及したのはウインドウズ95が発売された千九百九十四年末以降の事で、バブル経済の破綻が明らかになったのはは九十一〜九十二年だったのです。

しかし九十年代に入って本格化してきた日本の情報 ・通信化社会は土地の需要の増大には結びつくものではありません。情報機器にはそれまでのラジオやテレビがありましたが、それ以後の情報通信機器である携帯電話やPHSを購入してもあるいはパソコンを購入しても、 ラジオやテレビと同様にそれらを買ったからと言って自動車を購入したから駐車場も新たに借りなければならないと言うようにさらに土地まで必要となる商品ではないのです。二千八年一月十三日の朝日新聞朝刊の記事では日本のパソコンの世帯普及率は六十三・二%、VTR/DVDは五十九・八%、テレビは九十八・九%、ゲーム機は六十八・二%、携帯電話が八十二・八%とされています。日本のインターネット人口は二千七年では八千七百五十四万人とされていますし、高齢化して車を運転することが危険な年齢になってもパソコンはその心配はありません。老眼鏡の年寄りでも出来るのです。またテレビとパソコンが融合すれば部屋の中も省スペースになるくらいです。そして情報が移動する道は電話線なのでこれも土地面積はほとんど必要ではありません。すなわち九十五年以降日本の基幹産業として新たに台頭しようとしている情報通信の分野は土地の需要を増大させない産業であるといえます。それどころか情報化社会は土地への需要を減らす可能性さえあります。Small Office Home Office (SOHO)などはその代表ですし、これまでの大企業の営業所のオフィスなどもコンピューターネットワークで直接営業マンたちが営業所へ出向いて打ち合わせをしてから出先へ出向くのではなくコンピューターで営業所と自宅との間で一日の仕事の打ち合わせを済ませて自宅から営業先へと出向く形態をとると営業所のオフィスはそれほど広いスペースを必要としなくなってきます。オフィスオートメだけでも作業の効率化によってオフィスにいる人員を削減できていたわけですからそれに通信が加わればもっと人員が削減できて広いオフィス は必要ではなくなると言うわけです。確かにパソコン教室のような新たなオフィス需要は生まれてくるわけだとはいっても、削減されるオフィス面積に比べればそれは小さいのではないでしょうか。

車社会はそれが成長すればするほど土地の需要が生まれ地価を上昇させる圧力になっていましたが情報・通信化社会はそれが進展すればするほど地価に対しては需要が減少して地価を引き下げる可能性のある産業だといえます。情報産業が日本の基幹産業になってもそれまでの基幹産業であった自動車産業によってもたらされたような土地需要の上にさらなる土地需要を喚起して行くものではないわけです。そして車社会が日本人の生活スタイルを変えたように、情報通信化社会も日本人の意識と生活スタイルを変える力を持ち始めていると言えます。外観は変化はなくとも各家庭の中やビルの中は変化し人の頭の中も変わると言うことです。

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