レースは相変わらず荒れ模様だった。
トップがもう20回も入れ替わっている状況の中、ジョニーは安定している走りをみせて
ギャラリー達を興奮させていた。そして、ここからいよいよ新環状に突入する…。
長い湾岸区間を終え、いよいよここからが勝負という部分だ。タイヤがダレているジョニ
ーは、とにかく安定した走りを見せていたが、それも限界に近づいていたようだ。ここで
3位の宮崎さんが一気に1位に浮上したのだ。吉こ〜さんとジョニーを上手く抜き去った
というわけだ。その後、今度は吉こ〜さんがジョニーをかわして2位に浮上したものの、
ミスをしてしまい4位に落ちてしまう。その後、いよいよレースは終わりをつげることとなり
そうだった。ここで2000ccの86乗りさんが一気に1位の宮崎さんに迫る走りで激しくプレッ
シャーをかけた。そこに同順位の????系さんが2000tの86乗りさんを抜き去ったと
思いきや、再び抜き返すなど、とにかく波乱が続いたが…、最後で一気に????系さん
がトップに!
そして、ゴール100M前、ここでジョニーがNOSを噴射した途端…、2JZがエンジンブロー
を起こし最下位確定に、吉こ〜さんも先ほどのミスをなんとか挽回しようと必死だったが、
追いつくことは出来なかった。実際、区間ファステストを更新した吉こ〜さんだったが、差が
大きかったのが災いしてしまった結果となってしまった…。
そして、ついにゴール!優勝は…!?同着!?
ここにきて同着との声が高まった!????系さんと2000tの86乗りさんだ!
どっちだ!?果たしてどっちに!?
最終判断として、????系さんがチャンピオンに決定したようだったが、一部にはまだ
反論も残っていたようだった。
結果はこうだ
一位…????系さん タイム13分26秒435
二位…2000tの86乗りさん タイム13分26秒436
三位…宮崎さん タイム13分26秒748
四位…吉こ〜さん タイム13分27秒031
五位…ジョニー タイム16分34秒435
六位(リタイヤ)…キョウコ none
こういう結果になった。優勝した????系さんは最速の称号を手に入れた。勿論、表彰
台に入っている人たちも同じような感じで今後尊敬される事になるのだ。一方、途中ミス
をしてしまった吉こ〜さんも、最後の追い込みで多くのギャラリーを沸かした為、かなり知
名度が高くなったようだ。だが、ジョニーにキョウコはもうずたずたの様子だった…。
だが、皆は彼らを励ます態度を示していた。キョウコは完全に落ち込んでいたが、ジョニーは
来年への意気込みを語りその場を去った…。
会場である首都高は大盛り上がりだったが、ブライアンたちは訳の分からないオタクたちに
囲まれているようだった。
「おたくはなんて言う名前?外人だよね」
「外人だと?」
「だってそうでしょ?それより、この車見た目からいって派手すぎるよね」
「あんたにどうこういわれる筋合いないけどさ」
「悪いけど、僕はこう見えてアニメの絵を書いているから、色彩感覚は優れているんだ」
「ほう?オタクが好むアニメの絵でも描いているのか?」
「そうさ、同人誌って言うんだけどね、おたくは知ってる?」
「あんたよっぽど暇なんだな、そんなくだらない仕事よく続いているもんだ」
「残念だけど、僕は好きで仕事をしているまでだ、君にどうこういわれる筋合いはないよ」
「だったら、俺の車にケチつけることねえんじゃねえの?」
「それは違う、僕はただアドバイスをしているだけだ」
「あんたのアドバイスだなんていらんよ」
「全く、つくづく野蛮な方だね、おたくは」
「あんたの車はこれか?全く、だっせえな」
「余計なお世話だ」
「アドバイスさ、自分がそうやって言っていたからまねしたんだよ」
「ふざけないでくれよ」
「オタクは黙ってろ!ぶん殴ってやるぞ!」
「野蛮だね〜、君は」
と、ここでシンジが一言きついことを言った。普段争いを好まないシンジであったが、このとき
ばかりは違ったようだ。
「あのさ、オタクのあんたさ」
「なんだい?」
「此処から消えてくれよ」
「は?分からないの?僕はアドバイスを」
「黙れ!いい加減に消えないとその鼻へし折るぞ!」
「全く、走り屋って野蛮な奴等が勢ぞろいだね」
「そうか、だったらあんたはカビだ」
「ふざけないでくれ、アニオタに対する偏見はよくないよ」
「誰もアニオタをカビだなんていってない、俺はあんたがカビだってことを言っているんだ」
「大体、バカじゃないのか?こんなところでスピードを出して、全く「野生のサル」以下だよ」
「サルだと!?」
ここで、シンジの溜まっていた怒りが爆発した!
「ふざけるな!!!!」
すると、シンジがなんとオタクを突然殴りだしたのだ!顔を何度も!
ブライアンが止めさせようとするが、全く聞いていない様だった。
「おい、落ち着けシンジ!」
結局、相手のオタクは顔にアザが出来ていた。シンジは相当怒っている様子だった。
これに驚いたオタクは、その後自分の車に乗り、どこかに逃げてしまった。
シンジの怒りはまだ止まらない。
「あの野朗、ぶっ殺してやりたかったが」
「お前に殺すって言葉は似合わんぞ、シンジ」
「ああ、そうかもな」
「落ち着けよ、ホントお前はキレると手がつけられないよな」
「ま、普段のフラストレーションがスッキリした感じだな」
「お前怖いよな、いきなりキレだしたら殴るんだもんな」
「まあな(笑)」
「笑うなよ(笑)」
「ハハハハ(大爆笑)」
「おいおい、ハハハハ(大爆笑)」
どうやらシンジの怒りは収まったようだった。これでブライアンも一安心といったところだろ
う。だが、ブライアンも相当シンジのキレ具合には驚いたようで、今後ひやかすのを謹もうと
考えるようになった。
深夜3:00…、すっかりハチロク最速決定戦の陰さえなかったこの時間帯に、スポコン勢力
を恐れているGT−R勢力が動き出す。そう、現在では今まで力をもっていたGT−R勢力と
はうって変わり、スポコン勢力である「テンロク」集団が力をもつようになったのだ。ジョニー
やブライアンといったスポコンのスペシャリストが増えたのも要因といわれているが、もっと
大きな理由は「環状最速四天王」のせいだという。そう、GT−R勢力は四天王を恐れて力を
失ったのだ。四天王の名前はこうだ、「13ヘレス」、「Mr.スパイダー」、「ハヤブサ」、「666」…。
そして、GT−R勢力が最も恐れる人物が「ハヤブサ」だ…。マシンはホンダS2000、詳細は
不明だが、幾度となくGT−R乗りを恐怖に突き落とした「リーサルウェポン」でもある。ハイパ
ワー車を狙い、コテンパンにやっつけるのがハヤブサのスタイルだ、そう、GT−R乗りこそ
格好のターゲットになるのだ…。だが、そんな彼に挑むGT−R乗りが一人いた…、神速という
名の若者だ。今日もまたハヤブサを探しては、戦いを挑む…。
ハヤブサのS2000を発見した神速は、パッシングをして挑発する、これに応じたハヤブサは
ハザードランプで「上等!」と応えた。そして、いつものカウントが開始される。
「3,2,1,GO!」
バトルがスタートした!最初に飛び出したのは神速だ、GT−Rのパワーが唸る!しかし、
ハヤブサも負けてはいないようだった。コーナーで恐ろしく速い走りを見せて、一気に追いつこ
うとする。緊迫したバトルは、一瞬も目が離せないような感じだった。まさに「JGTC」状態とは
このことを言うのだ。プライド同士の激突!だが、ここで思わぬことが起きる…。
分岐点が近くなってきた。ここで問題は発生する。前にいた神速を抜こうとハヤブサが前にでよう
とした瞬間!隣の車線には大型トラックが!これに驚いたハヤブサは、そのまま分岐点先である
新宿線に行ってしまったのだ。勿論、ドローだ。
神速は汗びっしょりだった。だが充実感はあったようだ。いつかハヤブサを倒す日を夢見て、彼は
首都高をまた攻めていった…。
一方1:00に帰宅したブライアンは、F1観戦していた。今日はファンのチーム「BARホンダ」が
好成績をとったせいか、かなり興奮していたようだった。だが、トヨタファンであるリサはきっと機嫌
が悪いだろうとブライアンは思った。なぜなら以前のレースで結果を残した分、今回は今一だから
だ。きっと明日の集まりの時は機嫌が悪いぞ〜!だなんて思いながら、ブライアンは眠りについた。
四天王の座を奪おうと、多くのワンダラー達が戦っている。だが、彼らのテクに敵う者は中々いない
のが事実だ。今後どうなるのか?見届けてみるといいだろう。