その車はなんだか普通の形をしていない…。

(変な車ねえ…。車が小さい…、それに形が普通じゃない…)

キョウコでもなんだかわからないこの車の正体は、実はロータス・スーパー7だったのだ…。

中々お目にかかれないスーパー7、まして首都高でスーパー7に乗っている走り屋などいない

だろう、しかも横羽線で…。

そして、バトルがスタートしてしまった。

だが、勝負は一瞬でついてしまった…。高速コーナーではキョウコのハチゴーは中々速く走る

ことができない、だが相手のスーパー7はそれどころかハチゴーを上回るスピードでクリアして

いき、あっという間にハチゴーを抜き去ったのだ…。僅か3秒のことだった…。

その後あのスーパー7をみかけることはなかったキョウコは、かなり落ち込んでいたようだ…。


翌日、その情報はライバルであるジョニーに伝わっていたようだ。精神的に落ち込んでいたキョ

ウコであったが、今日行われるハチロク最速決定戦には出場するようだ。では、ここで今回の

出場者を紹介しよう。

まずは最強のハチロク乗りとして君臨する「L.Aライスロケッツ」、ジョニー。2JZをスワップした

ハチロクはまさに無敵状態。普通の人じゃあ乗りこなせないこのハチロクを手のように扱う姿は

有名だ。今回も優勝候補の一人とされている。

二人目はご存知レーシングラグーンの世界では有名な「ハマの最速男」吉こ〜さん。独特の男

気は、彼の特徴でもありポリシーだ。ジョニーの最大のライバルとされている。彼のハチロクの

データは↓のとおりだ。

BACE Machine…E-AE86 CROLLA LEVIN GT-V 3door S58式(前期)

 Engine…………AE101用4A-GZE換装
 吸排気系………AE111純正四連スロットル改ボアアップ47Φ+30mm,40Φカールファンネル
        ワンオフステンタコ足(type-4-1,47Φ→60Φ)
        ワンフステンマフラー(触媒レス直管デフ下チタンマフラー,72Φ)
 エンジン本体…AE111ヘッド換装+AE101SCブロック
        84.8Φ低縮ピストン 7A-FEクランク TRD2mmメタルG/K戸田288゚/288゚カム B16B-Rコンロッド改
        燃焼室加工 バルブシート研磨 1S-FEインナーシム 3S-GTEバルブ 強化バルブスプリング 
        ポート研磨(粗面)
 過吸気系………C's M62 SC交換 A'PEXブローオフ ワンオフSCプーリーKit&サージタンク(1.8kgf/cm2)
 燃調・電装系…HKS F-Con V-Pro(金Pro)制御 RB26DETT燃料ポンプ RB26燃料フィルター
        FD3Sセカンダリー用I/J NGK#9プラグ TRDプラグコード 自作アーシング
        リア置バッテリー 前置きBNR34純正I/C&現車合パイピング SXE10ダイレクトイグニションコイル
        ドライサンプ化 リア置きS14前期ターボ純正ラジェーター TRUSTオイルクーラー AE92電動ファン
        Jubirideクランクプーリー&ウォーターポンププーリー TRDローテンプサーモ
        Tom'sラジェーターキャップ TRDオイルフィルター 自作冷却水泡抜き機
        改造アッパータンク 改造ロアホース 他

 駆動系…………OS二枚クラッチ&フライホイール改 TRD SXE10用六速フルクロス換装 AA63ドライブシャフト
        TRD4.1ファイナルギア Cusco type-RS(2way)LSD JAMクラッチホース改
 足回り…………バーディグラブ車高調 Tanabeバネ ハブ五穴化 BNR34ディスク改焼入&スリット穴開加工
        BNR34キャリパー ENDLESSサーキット用パッド JAMステンメッシュブレーキホース改
        平行当長3リンクボックス加工 Cuscoピロアッパーマウント 調整式ラテラルロッド
 BODY(補強)…フルスポット増し補強 リペット止め補強 サイドシル発砲ウレタン注入 
        25P現車合鋼鉄製ロールバー(ジャングルジム状態,BODY貫通バルクヘッド補強)
        フロアアンダーラダーフレーム NAMSフロントタワープレート デフ&ミッションメンバー
        NAMSシャキットプレート&ガッチリサポート サスペンションメンバースポット増し
        ラテラルロッド周りスポット増し F/Rモノコックバー フロアセンターバー 他補強バー
 BODY(削減)…一名乗車公認 外板オールカーボン化 アクリルウインドウ 内装削減
 BODY(AERO)…Works仕様フルエアロ+サイドステップ フロアアンダーフルフラットパネル
        ディフュ―ザー 他 (※エアロは全てカーボン製)
 Tire&Wheel……Tom's特注井桁ホイール(F/R共10J×16−15)
         ADVAN A048(F/R共255/35ZR16)


3人目は謎が多い「正体不明の走り屋」????系さん。水戸納豆風の外観に、3S−Gスワップ+ツイ

ンターボという最強のレビンを搭乗している。6速ミッションに変更してあるのも特徴といえる。今回で最も

謎といわれているレーサーだけに、情報量も少ない。だが、それがかえって他のレーサーたちを怖くさせて

いるのも事実、ダークホース的な存在になりそうだ。

4人目は2000tの86乗りさん、車の情報については↓のを参考にしていただきたい。

まず外装は前期トレノでフロント、サイド、リアにはリップをつけない(僕はリップかっこ悪く感じるんだ)そんでもって定番のGT-APEXカラーリング(車種もGT-APEX)あと霧が出てしまったときのためのフォグランプ(フォグランプはイニDのようなやつが好き)エアロとかはまったくっつけたくない、中は1万オーバーのタコメーターとイニDにでてるノーマルのスピードメーターが好き、う〜〜〜〜んバケットシート入れようかな(バケットあんまり好きじゃないけど)あと、リアタワーバーで足回りもちゃんと強くする(だって2000ccにボアアップしたAE111のエンジンだもん)う〜〜ん使ってる製品の会社は(TRD)にしておこう!そうそうエンジンチューニングは完全のNAチューニング!ポート研磨とかコンピューター交換とか全部ね。


ホイールはワタナベの8スポーク(通称バナナ、拓海のトレノのやつ)あと下のやつの外装は簡単に言うとエアロ関係まったくなし(つまり外見はフォグランプ付けてるだけでドノーマル)ウイングもつけちゃ嫌だ。リアシートもつけてある状態がいいナビシートもノーマル、あと白色のカーボンボンネット(イニDのようにボンネットだけが黒いのは好きじゃないから)今のところこれぐらいかな?ポート研磨にコンピューター交換、カムシャフト交換にフライホイール交換して軽量化、ギアはクロスミッションでクランクシャフトも交換でボディ剛性アップ、ドライブシャフトも交換トリプルクラッチ・・・・・まるで(グランツーリスモ)見たいになってしまった(^^;)。


走りの特徴はドリフト中心、たまにグリップ走行をするらしい。大きな台風の目となりそうな予感あり!

5人目は走り屋世界では誰もが知っている存在宮崎さん、こちらも車の情報については↓のを参考

にしていただきたい。

俺の86(夢)は、トレノのカーボンボンネット!
SRエンジン(S13の)に乗せ変えてタービン交換!
ハイカムにして、マフラーはスピリッツさんのところで決まり!
足は、TEINさんで、GTウイングくっつけて、バリバリのドリ車!
後は、スピリッツさんのとこで仕上げを行ってもらうと言う事で!
こんな感じです!

果たして、宮崎さんはどこまで食いつく事が出来るのか!?

そして、6人目はキョウコだ。特殊的なヘミ搭載のハチゴーは、まさにモンスターの一言に尽きる。

とにかく速いこのハチゴーだが、如何せん曲がっていかないのがネックとなる。だが、それを曲げるの

がキョウコの凄いところだろうが、昨日のバトルで少々気を落としている彼女、いつもの派手な走りは

見られるのか!?それはまだ分からない…。


↑の選手たちが今回注目されている人たちだ。果たして誰が勝つのだろうか?

一方観戦している側にいたブライアン達は、今回のことについてシンジと喋っていた。

「誰が勝つと思う?シンジ」

「俺か…、そうだな…、ジョニーだろう」

「甘いな、あのキョウコってやつのヘミハチゴー、一見だせえ車だけど中身は別物だからな、ヘミ

を持ってくるなんて卑怯同然だってのにさ(笑)」

「だが、マシンの安定性はどうだろう?足回りを仕上げた感じの吉こ〜って人も凄そうだけど」

「初参戦か?見た事がないやつだ。だがヘタじゃないな、あの雰囲気。それに、典型的なハチロクの

改造じゃない…、マシンは意外に傷んでるし、恐らく中古相場で拾ったハチロクを使わず、廃車寸前

のハチロクを使っているだろうな、いいシュミしてるじゃんか」

「あそこの2000tの86乗りって人はどうだ?」

「テンロクを400tもボアアップしたんだろ?あのハチロク、ただものじゃないな。それに、自作パーツ

も結構多いぞ、メカニックなんかの仕事じゃねえの?」

「確かに自作っぽいが、精巧な出来だな」

「それだけ器用ってことだよ」

「そうだな、あと????系って人はどうだ?」

「名前から言って謎だな、だがマシンは結構手を加えてある、問題はドライバーの力量だ、全く情報

がないから予想もつかないぜ」

「じゃあ、宮崎って人は?」

「今回唯一の名字での登録者か(笑)、皆通り名とか使って登録しちまってるからな。おっと、冗談言っ

てる場合じゃねえよ、スピリッツのマフラー…。スポコンだとあんまり聞いたことないしどの程度のものか

分からないから、難しいな。だが、キャリアは凄そうだ」

「いえてるな、今回一応初参戦ってことになってるけど、普段走ってそうな雰囲気だからな」

「ああ、それよりコウジはどうした?」

「奴は今日仕事で休みだ」

「ま、金持ちだから忙しいのも当たり前か」

「そりゃそうだ、普段色々とおごってもらってるだけで感謝しないとな」

「俺幾らおごってもらったっけな〜?忘れちったよ(笑)」

「おっと、もう始まるぞ、レース」

そして、ついにハチロク最速決定戦がスタート!まず最初に飛び出たのはなんと意外にもジョニーだった。

普段じっくりと相手を追い詰めるタイプのジョニーが先に飛び出していったのだ。そして二番目に吉こ〜

さん、3番目に????系さん、4番目に2000tの86乗りさん(以下略:86乗りさん)、5番目には

宮崎さん、最後にキョウコという形になった。

圧倒的な速さで突っ走る形をとったジョニー、らしくない走りに周りは大騒ぎだ。だが、ジョニーには

ある確信があってこその作戦でもあったのだ、そうジョニーは頭も良く、特に戦法に関しては首都高

でも5本の指は入るほどだ。しかし、後ろの吉こ〜さんも伊達にバトルをしているわけではない、作戦

はしっかりと立ててあるはずだ。一方、ここにきて宮崎さんが86乗りさんをパス!キョウコは相変わらず

最後尾だった。一方????系さんが普段起こさないミスを犯して5位に転落、さらに、ここで吉こ〜さん

が宮崎さんに追い抜かれて3位に、コーナーで吉こ〜さんが突っ込みすぎたのだ。だが、まだまだ勝負は

ついていない、首都高一周で行われるレースなので先はまだまだだ。現在環状線から羽田線に移る

ところだ。吉こ〜さんが何かをつぶやいた。

「雨かよ…、冗談じゃねえ…、雲だなんてどっかに逝っちまえばいいのによう……」

そう、突然雨が降り出してきたのだ。勿論、一般車も普通どおり走っている首都高で雨はとても怖い

存在なのだ。しかも、特に降り始めは怖いといわれている。アスファルト上の埃や汚れが浮き上がって

きて、マシンを滑らせるのだ。まさにサバイバルになりそうな様相だ。

ここにきて雨の走りに自信のあるキョウコが力を発揮してきた。まず????系さんをパスすると、さら

に調子が良くなり86乗りさんを、これにより一気に4位に上がった。直線区間では圧倒的な強さを見せた

キョウコのヘミハチゴー、とにかく直線では速かったのだが、コーナーでは…。このコーナーで遅れを

とってしまう形となったキョウコは再び最下位に落ちてしまう。

そしていよいよ湾岸区間に!ここではキョウコが圧倒的に有利となる、はずであった…。そのとき突然

キョウコのハチゴーが悲鳴をあげたのだ。ヘミがオーバーヒート…。これにより最下位決定に…。キョウコ

は昨日のバトルでの敗北と今回の出来事で二重のショックを受けて、車から出て来れなくなったようだ。

一方、レースは相変わらずの様相だ。ジョニーは今回でもっとも速い速度350kmを記録した。ギアも

特注品に変えてあるため、とにかくジョニーのハチロクは速かった。だが、他の人達だってものすごい。

ちょっとした高速コーナーでジョニーに追いついたりと、かなり混戦模様となっている。ギャラリーも大喜び

の様相だ。

この後、レースは意外な結果を迎える事になる…。

一方、今回出番が少なかった様子のブライアン達は

「レースどうなってるだろうな」

「ん?そういえばリサは?」

「ああ、彼女は…ってどこだ!?」

「げぇ…、見ろよブライアン」

「ふざけるなよ…、オタクがこっちにやってくる!」

「ああ、しかも相当いっちゃってるぞ、ありゃ」

「お前でも分かるか、なんか手にヘンな本持ってるぞ!」

「うぇ…、最悪…」

「シカトしてようぜ」

「それが一番だ」

なんだかオタクたちに目をつけられた形の彼ら、この後どうする!?