寺子屋
寺子屋は近代建築を多角的に検討する会です



第69回報告

《近代建築を多角的に検討;近代建築を見に行く=A.レーモンド:ICUと東京女子大 》





●寺子屋69は見学会でした。4月24日(水)、女性技術者の会と合同で、A.レーモンドの建築を2つ、国際基督教大学(ICU)と東京女子大学です。参加者は合計で37名、寺子屋からは15名でした。三沢さんを講師として、全員が精力的に見て回りました。


●どちらのキャンパスでも主な建築は、ICUでは40年、東京女子大は1920年代から80年たっています。キャンパス計画から関わったA.レーモンドの建築がとても大切に使われていました。そのどれにも、それ以前にはほとんど見られない、新しい技術的取り組みが随所に見られます。

●ICUのキャンパスは中島飛行機(現・富士重工)の飛行場付工場敷地でした。広大なキャンパス地の中心軸をなすメインストリートはもともとの滑走路です。レーモンドはその正面にあった格納庫を改築して、シーペリー記念礼拝堂をつくっています。もともとの鉄骨造大空間にラワンベニヤという当時としては新しい材料によって内部空間を閉じつつ、目黒の聖アンセルモ教会と同じように側面にガラスで光の縦帯を連続させ、その光がすべて祭壇に向かうように構成されています。「単純さ」の原則は図書館にもみることができます。RC打放シに東と南に横ルーバー、西に可動の縦ルーバーを配しただけのきわめて単純な形態ですが、柱の中に雨水や空調配管を打ち込み、屋上の陽よけや玄関ポーチには曲線を多用しています。単純でシステマティックな構成の中にこそ人の動きや視線の動きの多様性を生み出そうとする、20世紀モダニズムの本質が何のてらいもなく表現されているように感じました。

●東京女子大学もレーモンドがキャンパス計画から関わり、礼拝堂をはじめとして多くの建築が大切に使われています。今回は特に旧女子寮の中を見ることができました。非常に単純な構成のRC造の宿舎建築ですが、人のスケールにあたるところには機能的で細やかなスケール感のデザインが見られます。

●単純さの中にこそ多様性を受け入れる可能性は存在する、ということを再確認できたように思います。


●次回は都内周辺で近代建築の見学を、A.レーモンドの建築を中心に予定しています。



●次回<寺子屋70>は,

《近代建築を多角的に検討;アメリカ建築の20世紀−9》


話:三沢浩

日時:22002年5月15日(水)(第3水曜日定例)   PM7:15〜
場所:東京都渋谷区代々木2-26-1第1桑野ビル5F-C    03-5351-2166(tel,fax)
会費:400円



問合:大崎元 建築工房匠屋 03ー3716ー1743(tel)3716ー8459(fax)nifty-serve:VED03705



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