寺子屋
寺子屋は日本の近代建築を多角的に検討する会です



第47回報告

《日本の近代建築を多角的に検討;F.L.ライトとモダニズム−14 》



20000517 三沢浩



1.落水荘のもつ意味

1)構造のもつ特殊性を考える
2)空間の広がりを追求
3)材料の使い方の徹底(自然)
4)滝と景観の共存


2.落水荘の客室(1938-9)の特徴

1)渡り廊下の構造
2)積極的に自然(材料・景観)を利用する
3)別世界の創造を目指した


3.ユソニアン・ハウスとは

1)ジェイコブズ邸Tが生まれる(1936-7)
2)5500ドルの予算、450ドルの設計料共
3)板合せ壁(Board & Batten)、2'-0x4'-0モデュール、重力暖房
4)軒樋なし、ガレージなし、食堂なし、ペイントなし
5)厨房は、Work space or Laboratory


4.第2のジェイコブズ邸の場合(1943-4)

1)ソーラー・ヘミサークル案の採用
2)パッシブソーラーの原理
3)円を使った住宅の出現


5.ローゼンバウム邸の場合

1)TVAの町・フロレンス(アラバマ州)
2)時間と距離(遠隔地)
3)設計とアシスタント(アーロン・グリーン)
4)手紙による施工法の指導


●寺子屋第47回は2000年5月17日(水)、参加10名で開かれました。
今回は落水荘とユソニアン・ハウスについて見ていきました。


●落水荘が教条的な近代建築以上に近代的であるということは、ヒッチコックなどの批評家による評価からも伺えますが、今回特に感じたのは、落水荘にあるシークエンスの作り方が、まさに近代の視線でもって組み立てられているところでした。


●滝の上に跳ね出した見上げの写真は有名ですが、それはメディアのための視線で、中にいる人からは滝を見ることができず、逆に、滝の音や気配を感じ、近づくことのできるさまざまな装置が建築の中に組み込まれています。一旦中に入った人は、動くことによって、視覚だけでなく聴覚や触覚を駆使しながら、さまざまなシークエンスを受け止めていきます。中心性も正面性もない、透明なシークエンスが無限に展開するというつくり方は、今でも新鮮であるように思います。


●シークエンスの存在そのものを否定するところまで走った現代建築が、今また、新たなシーンの獲得に向かっていることを考えると、落水荘の現代的な意味も見えてくるのではないかと思います。


●ユソニアン・ハウスでは、構法や技術の新しさと共に、そこでの生活の新しさに驚かされます。
Work spaceとしての厨房は、建物の中心にある暖炉を介して居間と同じだけの地位を与えられていたり、庭へと引き込まれたアプローチを生み出すことで庭から居間へと直接入る、玄関なしの外と内との一体的な空間などは、その一つ一つが全体の中できちんとプログラミングされています。


●今年秋には、ライトとカーンの建築見学も計画されています。




●次回<寺子屋48>は、
《日本の近代建築を多角的に検討;;F.L.ライトとモダニズム−15 》


話:三沢浩

日時:2000年6月21日(水)午後7:15
 からです(第3水曜定例)
場所 :東京都渋谷区代々木2-26-1 第1桑野ビル5F-C 5351-2166  会費:400円

問合:大崎元 建築工房匠屋 03ー3716ー1743(tel)3716ー8459(fax)nifty-serve:VED03705



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