報告
「新建」連続講演会2001 住まいの原点を問う

吉田桂二と考える =日本人らしい生活空間=

〜日本人らしい生き方、住まい方から、今いちど日本人の住まいのあり方を考えよう〜

 

報告:かわだあやこ

 全国からの参加者を迎えた7月の第一回の講座に引き続き、夏休みを空けて9/8(土)代々木オリンピックセンターにて、前回の宿題「和風」について参加者の方々からの発表を報告しながら、日本人らしい生活空間を吉田桂二氏と考える講座が行われました。
 今回は参加者31名と前回より若干少ないものの、新しく加わった方も含めて充実した内容の会となりました。吉田氏の意向で、一方通行な進め方ではなく、双方向のやり取りで対話していこうということで、数人の方々に前回の宿題を発表していただきました。次のページにていくつかご紹介致します。和風=日本人らしさとは?という根源的な追求から、くつぬぎや木といった素材のもつ力など、和風に対する様々な意見が出されました。
  

 気候や自然に加えて、「人間の営み」が加わって、「風土」が生まれる。日本という風土の産物としてモノをつくる。それが洋風なのか和風なのか、作り手ははじめに考えて作るべきでなく、他のひとが判断することであろう。和風とは?への正解はないけれど、ひとつひとつに説得力のある吉田氏の言葉でした。戦後からのスピード社会の中に日本以外から入ってきた文化に対し、時間をかけて浄化できていない。そしてそれが機能主義の結果として日本の風土をなくしているのかもしれません。

 後半は、パッシブソーラーを採りいれた牛久の家等々のスライドを見ながら実施図のディテールや納まり、さらには内子のまちづくりとHOPE計画の具体的なお話を聞くことができました。役場に積んでハイ終わりではなく、調査段階から町中の人を巻き込んで進めているそうです。2年目の今年は内子での「すまい塾」を計画、内子型エコロジーハウスを思案中とのことでした。建築にしてもまちづくりにしても取り巻くヒト・モノ・そして風土と一緒に歩まれる姿勢に、各々が感心と関心の気持ちを抱いていました。

 次回は10/13、テーマは「結界について」です。今回も同様に事前の宿題が課せられています。
日常では耳慣れない「結界」について、どんな広がりが生まれるか・・楽しみです。

「ホワイエ」2001年10月号掲載

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