秘密保護法案 傾国の悪法

(2013.11.16)

政府が何人によっても開示されることのない秘密を持ち、国民が政府をチェックできないというのは、明らかな「独裁」と言えます。
政府が永久に公開されることがない秘密を持ちうるという法律は、民主主義を否定するものです。
自民党政権は「秘密保護法案」によって明らかに「独裁」を実現しようとしています。自民党は民主主義を否定する、あまりに不見識な政党に堕してしまったと言わざるを得ません。安定多数を取ったからといって、増上慢が許されるレベルを超えています。
30年後「原則」公開でなく、30年後無条件ゼッタイ公開でなければ、日本は行く末滅亡すると思います。
もしそんな法律が通るのであれば、私は国を捨てます。なぜなら、そこには守るべき文明がないからです。

ホントは30年でも長いと思います。20年でいいです。20年後に蓋を開けてみて、「こいつがこんなトンでもないことをやってたのか」というのがはっきりさせられないと、何をされるかたまったものではありません。
情報公開は最低限の抑止力です。
個人に遡って、責任の有り無しを議論できるようにしておかないと、匿名で自分に責任が及ばなければ無責任なことをしでかすのが人間の性であるというのは、アイヒマン実験などで明らかになっていることです。
こんな事が議論の俎上に載っているのは、驚くべきことです。こんな事が罷り通るのであれば、企業会計とか成り立たないので経済は崩壊しますけどね。すごい低レベルだと思いますよ。
自民党は、いまは「天下取ったどー!」で盲進していますが、もし自民党が生き残りたければ、この法案を現行案で通さないことでしょうね。だってこの法案は、政党がよって立っている民主主義自体を否定してるわけですから。
ただ自民党は厚みのある政党なので、そういう声が内部から出て来てもおかしくないと思います。権力志向はあっても、バカではないのが前世紀までの自民党でしたから。劣化は否めませんが。

いまの主要国でいうと、日本は「中国並み」になるということです!
日本がそこまで堕ちることを危惧する日が来ようとは、想像もしませんでした。
「政府が不可侵の秘密を持てることを担保する法律」・・・これだけはやっちゃいけないことです。これは民主主義の死です。

わたしは、NSCはシビリアン・コントロールを機能させるために必要な機関であり、また他国と連携して国家安全保障・集団安全保障を効率的に行うためにも秘密保護法は必要だと思いますが、政府に「何年たっても秘密を開示しなくてもよい」という事実上の独裁を許すのであれば、わが国の民主主義は死滅するものであり、そんな国を守る必要はそもそもない。中国にでもくれてやればよいと思います。
また、第三者機関なんか骨抜きにされるのは明らかなので(本当の第三者しかいない第三者機関なんか見たことがない。利害関係者の巣窟になるのは火を見るより明らか)、国民の代表者である国会自体がこれまでにない強烈な強制権を持って厳しく監察するというのならまだわかるが、それは専任者のいる国会国家秘密監察局といった機関で、強制権をもって行政を監督するものであるべきだし、それでも副次的なチェックでしかなくて、それをもってして秘密の公開に替えるというものであってはならないと思います。
「懲役10年で他国より刑が軽い」からといって、政府が永久に秘密を開示しないということを認めるわけにはいかないんですよ。自民党はいい加減、他党や国民をバカにしてると、国会答弁を見ていてつくづく思いますね。
役所のアンダーコントロールなのは、自分たちのことだろう。

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