Q2−1 六法全書を全部覚えているんですか?
A よく質問されますが、そんなことはありません。そんなの無理です。
いわゆる「六法」すなわち憲法、民法、刑法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法については、おおまかに「この辺にこういう条文があったなあ」という程度には覚えていますが、一字一句、あるいは条文番号をすべて覚えているわけではありません。まして、六法全書に載っている法律全部について、暗記をしているということはありません。
その代わり、弁護士は法律の「作法」のようなものを身につけています。すなわち法律の理解の仕方に関する心得のようなものです。これを「リーガルマインド」ということもあります。だから、初めて目にする法律でも「この法律は作った人はこういうことを考えて立法したのだろうし、裁判官はこう解釈するだろう」といったことが分かったりします。
なお、弁護士は、裁判官や検察官と同じ試験に合格し、同じ教育(司法修習)を受けています。(そのため、弁護士から裁判官や検察官に任官することもできます。)ですから、弁護士は裁判官の思考方法をふまえて法律や契約を解釈することができるのです。
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Q2−2 刑事事件と民事事件はどっちが多いですか?
A この質問もよく受ける質問です。どちらが多いかというと、もちろん民事事件です。日本のほとんどすべての弁護士が、刑事事件よりも民事事件のほうをたくさん、それもずっとたくさんやっています。刑事事件が得意だという弁護士でさえ、刑事事件より民事事件のほうをたくさんやっているというのが一般的です。私清水谷の場合は、刑事事件の数は民事事件の数の1割にも満たないものです。
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Q2−3 弁護士ってなんだか怖い感じがします。
A 怖くありません。弁護士をやっている人は普通のおじさんやお兄さん、お姉さんばかりです。ひょっとするとこの前あなたのとなりでビールを飲んでいた愉快なおじさんも弁護士だったかもしれませんよ。
ただ、依頼者さんのためを思って怒ることはあります。それは、同じようなトラブルに二度と巻き込まれてほしくないという愛情ゆえに怒るのです。そういうときは「この弁護士さんは怖いなあ」と思ってもらった方がうれしいのです。なぜなら、そういう場面で怖いと思った依頼者さんは、もう二度と同じようなトラブルに巻き込まれることはなく、平穏な人生を送るだろうと思われるからです。
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