冬の鍋割山稜

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鍋割山の由来には鍋を半分に割った様な地形から呼ばれた。との説もあるが、「かながわ山紀行」 では次の説を推している。「この山名を北面の鍋割沢に求めたい。鍋割沢の”ナベ”は”ナメ(滑)” で、滑が割れた沢(滑らかな所が無く、岩のゴロゴロした沢)からいつしか鍋割沢になった。 その沢が食い込む山を鍋割山と呼ぶようになった。」

この 鍋割山山頂 は展望を遮る樹林がなくて明るく、360度の展望を誇っている。 ここから 塔ノ岳方面 の金冷しの頭へと続く稜線は鍋割山稜と呼ばれており、 ブナ の大木やミズナラ、 カエデ類の樹林に覆われており、春はブナの新緑や可愛い野草との出会い、秋はカエデ類やブナの黄葉の中と、 とても気持ちのいい山歩きが楽しめるが、冬もまた楽しい。空気の澄んだ寒い晴れた日には、鍋割山や塔の岳山頂から、 丹沢山塊 をはじめ房総半島、伊豆半島方面に 富士山 遠くは 南アルプス などの素晴らしい眺望を得ることができる。 太平洋岸を低気圧が通過した後に、 鍋割山稜に足を踏み入れると、林床の枯れ木や落ち葉などはすっかりと雪に覆われ、 美しい銀世界 に変わっており、ちょっとした雪山気分を味わうこともできる。 葉を落とした樹々の間からの 丹沢主脈の眺め も素晴らしい。また、枝の上では 柔らかな陽を浴びて気持ち良さそうにしているシジュウカラや コガラ、ヤマガラ達 のほかに、 鹿 の姿を見ることもあり、山歩きをより一層楽しいものにしてくれる。

鍋割山稜は大倉尾根から塔の岳へのコースから少し外れるためか、比較的、静かな山歩きが楽しめるが 冬の鍋割山稜は特に静かでいい。何も考えずにのんびりと歩くのがいい。 山頂へは小田急線渋沢駅からのバスで大倉バス停を下車して登る。コースは幾つかのコースが考えられるが, 私は、馬鹿尾根と呼ばれる大倉尾根を避けて、下記のコースをとることが多い。

参考コースタイム(休憩時間含まず)
小田急線渋沢駅(神奈川中央交通バス30分)大倉(1時間20分)二俣(1時間40分)小丸(40分) 塔の岳(40分)小丸まで引き返す。(25分)鍋割山(35分)後沢乗越(50分)二俣(1時間30分)大倉バス停 (30分)小田急渋沢駅

このコースを冬に歩く時は、積雪を考えて軽登山靴に軽アイゼンを用意した方が良い。


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