紅葉をつまみに飲むや澤井宿 (鹿)
目にいたきほどのポプラの黄仰ぐ (鹿)
42キロ完走女子の瞳あつく (鹿)
日朝の連行・拉致のひもをとく
ベランダの網戸へ蝉の夏の果て 鹿
台風の一過や蝉のしぐれかな 鹿
梅雨空を壁となしたるビルの街 鹿
ワールド杯終わって普通の巷もどり 鹿
労働川柳2001
○…<新世紀明けふた月で世紀末>
の乱世。デフレ不況で賃金カットにクビ切 り横行。
米テロ報復に自衛隊が初参戦。
小泉首相の靖国強行参拝から、さては狂 牛病に炭そ菌など地球が泣いた新世紀。
この一年を労働川柳で詠みこむと─
一月 <新世紀金権腐敗で年を明け>
KSD汚職。ものづくりでなく袖の下
二月 <真珠湾原潜レジャーで人沈め>
水産高校生ら死亡。首相はゴルフ
日米安保とはこんなもの
三月 <雛祭り和服姿でiモード>
IT革命。
<新世紀ベアには吹かぬ春一番>
ラーメン一杯分の五百円春闘が続く。アー
四月 <エイプリル メーデー主役は新総理>
連合が四月連休前にメーデー
倒閣労働祭に小泉新首相がおしかけ、政治改革を叫ぶ
五月 <黄金週デフレ影背に人の群>
デフレ不況。雇用・賃金・福祉・社会 不安で安・近・短余暇。
六月 <成果主義業績みれば大赤字>
技術・技能を人に教えず、大胆な開発 も忌避。売れるモノがない。
七月 <まろび組でてくる組織合体論>
流通、鉄鋼、交運など二十八産別が 八産別に統合へ。
運動より組織先行で方針否決産別も。
八月 <聞く耳がありやなしやかご参拝>
アジアの声聞かず、首相、靖国へ
。
<特攻のホタルが飛んだ終戦忌>
知覧。映画に涙。
九月 <大本営追随報道今米軍>
米テロ事件報道。
十月 <カウボーイ一人のテロにミサイル戦>
アフガンのビン・ラディンに 米ブッシュ。
<ベア春闘崩して連合四代目>
笹森、草野新体制。
十一月 <改革を説くたび増えるクビの数>
倒産・リストラも構造改革の成 果と小泉改革。アア無情。
十二月 <ペガサスの飛翔を期して年納め>
世紀末でなく、新世紀二年へ。
○…午年〇二年。象意は火の性で情熱と行動。天馬空を行くが如し。
反転攻勢 の新たな年にしたい。(鹿)
労働川柳2000
○…〈乱世と年号変えてみたくなり〉の嘆きも聞かれた平成十二年。春闘のベ
アゼロから企業の事故隠し、野党無視の国会や暴走する十七歳、警察の不祥事事
件。まさにミレニアムと二〇世紀の世紀末。この一年を労働川柳で詠みこむと?
一月 〈コンピューター〇〇年を無事に超え〉 下二桁が〇〇となる二〇〇〇
年ミレニアム。世界がかたずを飲んだが、無事クリア。
二月 〈あってはならぬ詫びつつデカの罪またも〉 治安を職務とする警察の
治安破壊に世の乱れをみる。
三月 〈なんでもありワースト春闘坂転げ〉 造船、電力、NTTのベアゼロ
に鉄は分裂回答、私鉄は三極。賃金カーブ割れの一%台回答でも、ストなしとは
四月 〈花見にもピザの出前のこの世相〉 『長屋の花見』の落語が懐かしい。
五月 〈メーデーがエイプリルとなり消えていく〉 連合が次回から四月にメ
ーデー。どうなってるの?
〈人間の顔した市場でクビをきり〉 失業増。日経連会長の総論と各論の違い。
六月 〈南北の握手で世紀の雪解つげ〉 南北朝鮮の金大中と金正日の両氏が
半世紀ぶり、平壌で握手。
七月 〈人間の鎖嘉手納を閉じ込める〉 広大な沖縄の嘉手納米軍基地を包囲。
八月 〈無言館戦没学徒の画は息し〉 平和を誓う。
九月 〈遅れるな再編バスに走り乗る〉 大会シーズン。二十産別が統合表明
。運動論より、まず乗ろうと。
十月 〈人材さん新語もできた口入屋〉 正規従業員をリストラして、パート
、派遣に請負業。「三百六十五日連続操業可能です」と。
十一月 〈春闘の四番名乗り後ずさり〉 春闘改革のパターンセッター見直し
に後ずさり。手をつなぐか。
十二月 〈世紀末棒で貫き新世紀〉 二一世紀です。
○…巳年の〇一年。象意は、冬眠から覚め地表に出て、従来の生活に終わりを
告げること。世界と連帯し反転攻勢の新世紀へ。