皮膚にあらわれる症状  

〜にきび・おでき・アトピー性皮膚炎〜
 皮膚は脳みそを薄くのばした状態といわれています。また皮膚
には呼気(こき)作用があり体内にこもった余計な熱や不要
なものを排出している大事な場所になります。食品用のラッ
プ等で皮膚を全部ってしまうと死に至るのは、脳が働か
なくなり皮膚の排出能力なくなってしまうからです
毎日入念にファンデーションをぬって化粧をすること
良くない事がわかります。爪も同じです。爪も生きている
場所なので、マニキアは爪を窒息状態にさせてしまい
ます。

 体に対する認識は、無知ということが一番こわいことで、知識
があれば、対処できることはたくさんあります。化粧が肌に良く
ないことを認識すれば、できるだけファンデーションをぬる時間
を短くすればいいのです。肌を大切にしているファッションモデ
ルの方々は、ステージに立つ寸前まで化粧をしません。そしてシ
ョーが終わると即座に化粧をおとします。化粧は、するときより
おとすときの方が、細心の注意と気配りが必要だといいます。
肌をこすりすぎたり、刺激の強い化粧液を使えば、てきめんに荒
れてしまうからです。マニキュアも爪の付け根の所は少しあけて
この部分にはぬらないようにします。除光液は、使う頻度をでき
るだけ減らすようにしていきます。
 体が1週間に1度の休息日が必要なように、皮膚や爪にも、素
のままの休息日が必要なのです。また1週間に2日位は夜10時
に寝るように心がけましょう。10時から明け方4時までが、
新陳代謝が活発に働成長ホルモンの分泌をで、
この時間帯に眠りにつくことで、肌のきめ
こまやかにな
り、皮膚が健康に保たれていきます。同じ6時間の睡眠でも、
12時から6時まででは効果が違ってくるのです。
 洗顔時に使う石鹸や化粧品によっても、皮膚は大きく左右され
ていきます。よく泡立ち、落ちるからといって保存料や香料、化
学物質の含まれている石鹸を使うのは控えるようにします。石鹸
馬油(バーユ)石鹸をすすめますからやけどや床ず
れの特効薬といわれてきた馬油は人間のたんぱく質と相
性がいため、皮下にすばやく浸透し、血行を促弱っ
皮膚機能回復させてくれます

 洗顔後や化粧前の下地も、保存料や化学物質が含まれている化
粧品は避け、馬油に切り替えていきましょう。馬油は洗顔後のつ
っぱり感をなくし、肌の乾燥を防ぎ、みずみずしさを保ってくれ
ます。
 にきびやおでき、アトピー性皮膚炎も同様です。ステロイド剤
(副腎皮質ホルモン剤等)を使えば、一時良くなったように見え
ますが、根本が完治していないため、すぐにまた症状が出てきま
す。そして長期にわたり薬の使用を繰り返していくと、症状はよ
り内部に進行していき、その人の免疫力、生命力を低下させてい
きます。
 また、ステロイド系の薬は、抗炎症作用が極めて強く、即効性
があるので症状はおさまりますが、その代償として様々な副作用
を発生させます。皮膚にぬられたステロイド剤は、皮下から毛細
血管や全細胞に入り、ホルモンや自律神経のバランスを崩し、生
理機能を低下させていくと共に、骨髄の造血力をも、おとしてい
きます。やがて肝臓が正常に働かなくなり、血液の配分、循環、
質が悪くなり、体は正常なホルモンを作れなくなっていきます。
良かれと思い、続けていることが、知らぬまに体を徐々に衰弱さ
せてしまうのです。
 このように体を全体との関連の中でとらえていく日本伝承医学
の考え方は、東洋医学の分野になります。悪い部位だけを見て、
症状を消し去り、治していく西洋医学とは、大きく概念をにし
ます

 歩んできた人生が各々違うように、人にはそれぞれの価値観が
あり、価値観を強いることはできません。でも何が真実かを見極
め、知ることによって、軌道を変えていくことはできます。西洋
医学で見放され、限界と診断された症状でも、東洋医学の力で、
不可能を可能にしてきた症例は、数えきれないほど存在しています。
 にきびやおでき、アトピー性皮膚炎等、皮膚に出る症状はすべて
体の弱りから臓器が熱を持ってしまったため、皮膚に穴をあけて
までも、不必要な熱や毒素を体外へ、いっときも早く出そうとし
ている姿なので、その部分を封じ込め消し去るのではなく、出さ
せてあげてください。
 人間には本来、自然治癒力というものが存在しています。心身
が弱り、傷つけば、それを助け守ろうとするために、体はありと
あらゆる手段を用いて、起動していきます。血が流れ出て激痛だ
った傷口が、少しずつ、いつのまにか閉じて再生するように、悪
い部分が生じると、体は自然に治癒力を発揮し、再生していくの
です。
 皮膚にあらわれる症状は、かゆみや痛みをともないますが、か
ゆみはかくことで、その部位に血液を集めてくれます。痛みは痛
みを引き起こすことで心臓を拍動させ、全身に血液を循環させて
くれています。だからどんなに痛くて苦しくても、心配すること
はありません。体ががんばって生きるために対応しているのです。
 かゆみや痛みは、氷を入れたアイスバッグで患部を冷却するこ
とによって、かなりらくになるので、アイスバッグを肌身離さず
持ち歩き、24時間体制であててください(冷たすぎるときは大
判のハンカチ等で包みます)。また疲れやストレスをできるだけ
ためないように、たまにはゆっくり休暇をとることも大事です。
心身ともに充分静養できれば、血液の循環も戻り、体が内熱をこ
もらせなくても良くなります。
 日本伝承医学の治療は、骨伝導を介して骨髄機能を上げ、造血
力と細胞の新生力を高めていきます。
肝胆の叩打法で、体にこもった内熱を除去し、肝臓機能を
回復させ、心臓調整法により心機能を高め、血液の循環、
血液の質を良くしながら症状を内部から改善させていくので、
皮膚の症状には著効を示します。

 皮膚には呼気作用があり、肺と密接に関わっています。
私たちは皮膚からも二酸化炭素と熱を捨てているのです
また腎臓も体の熱を体外へ捨ててくれる大事な役割を果
す場所で、皮膚と大きく関わっています。

 このように皮膚にあらわれる症状は、単に皮膚だけのこととし
てとらえていくのではなく、内臓との関連からみていくことが必
要です。物事は、一部分だけではなく、全体を見渡していくと、
ほんとうの原理がみえてきます。     内田 多美子