舞い落ちる 冬の夢を 追いかけて 走りだした野原 ススキの穂が 爆ぜて ふぅわりと 北西からの風は 名残り惜しむ秋を なぎふせ 切り拓きながら 青黒い雲を 運んでくる のしかかるような 夢の先触れ ゴウゴウという 風音に 少しの不安を 覚えながら 新しい季節を控え 沸きあがる期待に 頬を赤く染めて 追いかけて行く はかなき夢 白く 舞い落ちて 消え 振り返れば ただ一枚残った 立木の葉が 風に散ろうとしている