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孤独な丘の上に
ひとつ取り残された
小さな木立は
北からの強風に
ひどく撓められ
それでも倒れず
凍えながら
寄り添う誰かを
探している

この風の冷たさに
叩きつける雨の
激しさに
耐えきれないと
挫けそうに
なりながら
揺れる枝は
空を手探りし
触れる誰かを
探している

だから
あなたと
巡りあえたことが
こんなに嬉しくて

決して離すまいと
あなたの腕に
すがりつくような
私のことを
どうか
許してほしい

ふたりなら
どんな嵐にも
耐えられる

きっと


2006.10.27.椎葉
2006.11.11.修正