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ゴウゴウと
桔葉を巻き上げ
雑木林の梢を渡る
冬の風が
私の胸の内に
底知れぬ悲しみを
呼び起こす

激しい悲嘆の淵で
どこにいるかも
見失ない
今がいつかも
忘れ去り
すがる何かを求め

再び耳にする
風の音は
日常の戸口を
吹き抜けて
遠い記憶と重なり
私は
古里という言葉を
思い出す


2006.01.08.椎葉