タソガレ時に すれ違う人の影は 懐しい誰かの 面影がして ヤァ、と 掛けた声に 驚いた顔は 見知らぬ人だった 気まずさを 暮色に隠して そそくさと 立ち去ったけど やっぱり今の人は 見知った人に思え 振り返れば 夕暮れの中に おぼろになって 誰かの背中が 遠ざかっていく 記憶のように あいまいになった そのカタチが 消えるまで 私は見送っていた