積み続けることに
疲れた日常が
部屋中に散らばり
私の無為を
笑っている
何度も読み返し
すりきれた本
陽光にかざした
きれいな石
大切にしていた
記憶たちが
ここにはあるのに
すりきれるまで
読み返したのは
人生だったのか
昨日と今日の
違いを忘れ
明日を迎える為の
希望を忘れ
何もかも
忘れる中に
失っていった物が
こうして無秩序に
床に散らばって
もう
振り返らないのか
もう
取り戻さないのか
少し手をのばせば
指先に触れるのに
拾うことは
簡単だろうに
勇気がほしい
ちっぽけな強さが