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道端にある小石
輝くこともなく
ただ在るだけ
咲き誇る野辺の花の
葉の陰で
光も浴びずに
ただ在るだけ

誰の為でもなく
己れの為でもなく
ただ存在を許されて
ここに在るだけ

蹴りとばされ
雨に打たれ
風に削られても
小石は小石
他の何かに
変わる訳は無く
小石として
ただ在り続ける

振り向かれもせず
気づかれもせず
それでも
在り続ける


2004.11.12.椎葉