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ここで
失われた命があると
道端に置かれた
小さな花束が
告げている
雨に打たれて
花びらを
散らせながら
思い出を
忍んでいる

悲しみの記憶
一年
二年と
次第に風化する
心のいたみ
忘れてしまうという
恐れ

たゆみなく
時は過ぎゆく

せめて
失われた
命のかわりに
恵みをうけた
命があって

花を咲かせ
輝き続けていると
願おう


2004.8.21.椎葉
2004.9.3.修正