AKIFUMI SHIBA 芝 章文
虚空の舟筏
この作品に使用した木片は和歌山県の海岸で拾い集めた流木が中心となっている。様々な表情を持った一本一本は、容易に人の手をちかづけない。海岸を歩きながら無数の木々の中から気にいったものを拾う、いや、あるいは拾わされているといったほうがよいのかも知れない。 知らぬまに時間が過ぎてゆき、気がつくとまるで象の墓場にでも迷いこんだように、ポツンとひとり、カラカラと流木を踏みしめながら歩いている自分に気がついた。白い骨の上を歩いている具合だ。幾度か海岸に行くたぴに、あまり人が踏み入れないであろう岩場のずっと向こう側がいつも気になった。舟でもあれば向こうに渡れるのにと思いながらその海岸をあとにした。流木はすでに素晴らしい自然の色と形をもっていた。
第8回たまがわ「自然・ひと・対話」展 マインドスケープカタログに掲載 |
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虚空の舟筏 280×4280×5400mm
流木、綿糸、墨、軽石、1988年 |
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会場風景 虚空の舟筏より
流木、軽石、綿布、金箔、 1988年 |
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虚空の舟筏 4400×4280×280mm
流木、軽石、綿布、墨、銀箔、1988年 |
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