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”パソコン職業病”

くび,肩,腕の痛み 全身のだるさ

頸が痛み,肩が凝る。もう,がちがち。にぶく痛い。痛みは,背中から腰,肘,手首へと広がり,我慢できない。慢性的な痛みとだるさ,手のしびれ。パソコンの仕事のやり過ぎだ! 残業も多い。頸・肩・腕を中心とした障害,職業病性頸肩腕障害を治す,を。上野敏行記者

 
マッサージも効果的だ=芝病院にて。
左が渡辺医師

パソコンのキーボードの上を指先が忙しく打つ。手指の筋肉は緊張し,細かく動きます。一時間に数千回。何時間,何日間も続きます。一方,姿勢は長時間そのまま。腕の位置も保ったまま。静的だけれども,筋肉疲労は起こります。

「手指の反復性の動作と長時間の静的な筋肉疲労。ここに職業性の頸肩腕障害が発生するもとが。もっと基本的には”注意集中,正確迅速,反復,そして持続する型の労働”から起きる慢性神経性疲労が存在すると考えられます」というのは東京・芝病院職業病外来を担当する渡辺靖之医師。元整形外科医で神経内科の立場から診療しています。

「米国では,作業関連の頸や肩,腕の障害を反復性ストレス障害と呼んでいます。欧米での大規模な疫学調査の結果,年間14%から46%の勤労者が反復性ストレス障害を訴えています。

米国では年間25万件以上発生し,その経済損失は3兆から6兆円と見積もっています。

日本も欧米並みの発生?

「と思います。ところが,労働災害として認定される人は,年間100人ほどです。頸肩腕障害であっても,さまざまな病名で治療されてるんですね」

判断しにくい

芝病院職業病外来−。
30年の診療経験があり,職業性頸肩腕障害の患者だけで年間180人が通院。

最近受診した女性(33)もその一人です。10年闇,コンピューター業務に携わり,ひどい肩凝りに悩まされていました。1年ほど前から,左手のしびれ,両手首・肘関節の痛み,背中・腰の痛みが出て,全身のだるさと疲れやすさが。

「職業病頸肩腕障害に特徴的に見られる症状です」と渡辺医師。「腱鞘炎・関節の障害など整形外科的に診断できる病気も含まれるのですが,腕から肩,背中から腰の痛み,全身のだるさ,疲れやすさなど,これまでの尺度では判断しにくい健康障害でもあります」

判断しにくいとは?

「自覚症状が多彩な割に,エックス線やMRIなどの画像検査など,客観的な”異常”に乏しいからです。とはいえ,私たちは,頸肩腕障害を客観的に診断できると考えています」

診断方法は

その "芝病院方式″を渡辺先生の説明で。

凝り(筋肉の硬さ)の広がり

背中から下肢までの各部を持で押しながら,凝りの広がりを検査。左石,腰・下肢までの広がりは,病状の進行と平行する。

痛みの敏感さ(痛覚過敏)

凝りが強く,筋肉に異常がある場合,痛みが過敏な部分がある。指の頭で軽くたたく叩打法(こうだほう)で,痛覚過敏の有無と広がりを調べることができる。渡辺医師考案の検査法だ。大きな広がりがある場合は慢性化,重症化しているサイン。

半身の感覚辞書

体半分が重く,不快な感じで,寒さに敏感などと,患者は表現することが多い。約3%の患者に。これも慢性化,重症化の兆候の一つ。

握力・背筋力

値を1カ月単位で見ることで病状の変化を把握できる。値の低下は仕事を大幅に減らす,あるいは休業が必要という目安になる。逆に値の上昇は病状改善の目安になる。

先の女性ではどうか。凝りの広がりは測定不能。痛覚過敏の範囲は,背中から両足のふくらはぎ,頭から両腕,手首までと広い。握力・背筋力の計測値も低く,左右の握力は13kg前後,背筋力が24kg。女性20〜50歳の標準の半分もない。

渡辺医師は「慢性化,重症化していると診断し,休業と安静通院治療を指示。握力25kg,背筋力60〜70kgに回復したら,再就労の方向を考える」と。

早いめの思い切った休養を

凝りや痛みの治寮は,消炎鎮痛剤や筋弛緩薬などが使われます。それと温熱療法も。さらに芝病院では鍼灸・マッサージを積極的に進めています。

「大事なことは・・・・」と渡辺医師。「ある程度重症化した患者さんでは,仕事を続けたまま通院治療を重ねても改善しないで,むしろ悪化,慢性化していく例が少なくないんですね。早めの思い切った休業・休養,通院治療が必要です」

休業・休養したのに悪化したまま何ヵ月にもなる,との体験も聞きます。

「ええ。過労性疾患である頸肩腕障害の場合,『休養初期悪化現象』があることが多いんです。この期間は,とにかく十分な休養,睡眠が必要なのです。初めから,鍛える式の運動療法は逆効果です」

予防の注意点は?

「仕事の仕方ですね。作業を長時間続けず,意識的に5分程度の休みを頻繁にとるなど疲れをためない。なかでも神経疲労の蓄積は避けたいですね連日の残業を続けない。十分な睡眠をとる。一週間単位で見て,どこかで"息抜き"をすることです。もう一つは運動不足をなくすこと。だからスポーツを,ではなくて,疲れているときはごろごろでいいのです」

(2001.4.1 しんぶん 赤旗 日曜版 掲載)



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