服従訓練



服従訓練とは「スワレ」「マテ」などのコマンドによる命令を
わんこが従うようにする中で
リーダーは飼い主であるということを
わんこに教え込むための訓練。

訓練方法の選択

訓練士さんについてもらっての服従訓練は色々なやり方がある。
・数ヶ月わんこだけ訓練所に預けて躾てもらう方法
・複数のわんこと飼い主が集まって躾てもらうグループレッスン
・わんこと飼い主がマンツーマンで躾てもらう方法
などなど、訓練所、しつけ教室、訓練士さんによって
その方法も内容も金額も、またわんこによって期間も様々である。

どんな訓練所にするかはわんこの性格や、問題の度合いで選ぶと良いと思う。
飼い主の手におえないほどの問題犬になってしまった段階や
レベルの高い競技会を目指すためには
わんこだけ数ヶ月訓練所に預けるのもいいだろう。
ただしこの場合、わんこが訓練士さんのいうことしか聞かない
なんてことも十分あるので
わんこが訓練所から帰ってきた後
飼い主もきちんと訓練しなければいけないと思う。
あくまで躾は飼い主の問題だからだ。

他のわんこがいても気が散らないわんこなら
グループレッスンも良いだろう。
深刻な問題を抱えていないわんこやパピーなら友達も出来るし
しつけ教室が週に1回とか、月に2回というペースで通える。

シェリーと私達の改善にあまりのんびり構えてられないこともあり
預かり訓練は、むしろその後の飼い主の改善に左右されるので
タイムリーに躾け方を学びたいと思っていた。

たまたま知り合いに、マンツーマンで訓練してもらった人がいて
その様子を聞くことができ、経験者が薦めてくれる訓練士さんならと思い
その、家まで来てくれてマンツーマンで訓練してくれる訓練士さんにお願いすることになった。

訓練開始!

訓練士さんとシェリーと私達が顔合わせとカウンセリングのために
訓練士さんが我が家にやってきた。
いつもは家に来るお客さんに嬉しくて興奮するシェリーだが
いつもと違う雰囲気に「ただのお客さんじゃない」と察したのか
えらく訓練士さんを警戒していた。
そしておまけに…初めて訓練士さんに会ったその日に
訓練士さんの足におしっこをかけたのである…(--;;

訓練士さんは苦笑い…シェリーは得意気
とんでもないご挨拶をしてくれた。

まずは訓練士さんとシェリーとの間に信頼関係を築くために
しばらくは訓練士さんとシェリー、1対1で散歩したり遊んだりという日が続いた。

初対面の時、あんなに訓練士さんを警戒していたシェリーは
見る見る訓練士さんが大好きになっていった。

普段、玄関のチャイムが鳴ると「ワン!ワン!」吠えるシェリーだが

訓練士さんのチャイムだけには絶対に吠えなかった。
時間で覚えているのだろうか?

基本的に週に3日、1回30分訓練士さんと過ごす。
30分のうち15分が訓練で後の15分はシェリーと遊んだりする。
わんこの集中力は30分が限度なので
15分というのは、よりわんこが集中して訓練できる時間だそうだ。

しばらくはシェリーに服従訓練を入れるために
訓練士さんとシェリーだけの訓練だった。
ある程度シェリーに服従訓練が入ったら私達も加わって
私達も訓練してもらうというやり方。
しかも、シェリーの気が散るため、私達はシェリーに気付かれないように
物陰から訓練の様子をそっと覗くぐらいしか出来なかった。(笑)

1クール15回で2クール目が終る頃まで、
訓練士さんとシェリー1対1の訓練が続いた。

正直言うと、この2クール間、非常にもどかしかった。(笑)
私達の気持ちに「早く直したい」という焦りがあったので
ただ、シェリーを訓練士さんに渡して見送るだけで
自分達が何も進歩してないような気がしていたからだ。

でもそれは服従の仕方をわかっていないシェリーと、
的確に命令して服従させられない飼い主で訓練しても
ただ時間がかかるだけなんだそうだ。

ここは焦らず、しばしの辛抱。
わんこの躾に「焦り」は禁物なのだ。


支配性が強い性格


家庭犬の育て方・躾方の本は五万とあるが(五万もあるかな?(^^;)
全てのわんこを本のマニュアル通り育てても
全く同じ性格の犬に育つことはまず無いだろう。
わんこにも生まれ持った性格がある。
その中の1つに生まれつき支配的な性格と従属的な性格がある。

支配性の強いわんこはオスの方が多いそうで
パピーの時甘噛みが激しい子は支配性が強い可能性が高いらしい。
そういう場合は早いうちから飼い主がアルファ(リーダー)であることを
強化する必要があるだろう。

と認識したのも、シェリーの行動が悪化してからだった。(TT)

確かにシェリーのパピー時代の甘噛みはすごかった。
そしてとにかく噛む。
撫でてあげようと手を近づけるとガブッ。
トイレが上手に出来て誉めてあげようとすると手にガブッ。
ただ近くを歩いただけで足にガブッ。
穴が開いた服や靴下は数えきれない。
私達の手も足もいつも傷だらけだった。

一般的に言われている対処方法をしてはいたが
そんなものではシェリーには全くこたえてなかったんだと今になって思う。(--;

当然支配性の強い子はアルファ・シンドロームになる可能性が高い。
そしてたとえ一度飼い主がアルファになったとしても
「いつかアルファの座を」とアルファになるチャンスを狙っているらしい。
しかしそれだけ支配性の強い子を服従させることには
より一層服従することを望めるそうだ。

訓練士さんにズバリ、シェリーの生まれ持った性格と
訓練性の高さを指摘された(笑)。
最初は訓練士さんに対してわがままな態度をとっていたが
訓練士さんが自分より上であることを認めると
非常に物覚えも良く、従順で訓練が入りやすいという。
つまり、私達がアルファになりきれていないということだ。

飼い主の訓練

いよいよ私達も一緒に訓練することになった。
訓練士さんがシェリーと一緒に見本を見せてくれた。
そのシェリーは見違えるようだった。

訓練士さんの目をじっと見て、次の指示を待っている。
訓練士さんに対する強い信頼関係がシェリーの態度で良くわかる。
私達には見せたことが無いような姿だった。

私達が一緒に訓練する少し前から
訓練士さんはシェリーにチェーンチョークを使うようになり
私達もチェーンチョークを使ってシェリーと訓練した。

チェーンチョークはリードを引くと首が締まる金属の首輪。
瞬間的にリードを引いてショックを与えることで
わんこにわかりやすく合図するための道具である。

決してわんこを痛い目に合わせて言うことを聞かせる道具ではないのだが
使い方によってはわんこに痛い思いをさせてしまうので
正しい付け方と使い方をきちんと教えてもらったり
勉強してから使うべき道具だ。

また、チェーンチョークはわんこの性格や体質によって
向き・不向きな子もいるので注意して使いたい。
気管の弱い子や小型犬、
人間に対して臆病な子などには不向きである。

そしてチェーンチョークはあくまでも
服従訓練をするための道具の1つであって
決してチェーンチョークに頼ってはいけない。
最終的には飼い主の口から発するコマンドだけで
従うようにしなければいけない。
と、チェーンチョークを使う時に訓練士さんに教えられた。

私達が一緒に訓練するようになった最初の頃は
私達のヘタクソな命令に、シェリーはどうしたらいいのか戸惑うことも多かった(笑)。
そして私達が「ホントに命令を聞いてくれるかな…」などという
弱気な気持ちはすぐにシェリーに伝わるのだ。
「飼い主が自信を持っていないとわんこはついて来ないよ。」
そうやって私達も訓練されていった。

特別に好きな物があるわんこは
服従訓練がしやすいそうだ。
シェリーは「ボール命」なので
訓練にはボールを良く使った。
遊びながら訓練することで
シェリーに
「訓練は楽しい物」
と教えた。


そして訓練の最後は
思いっきりボール遊びをして
その日の訓練が終る。
先生と遊ぶ
訓練士さんと遊ぶシェリー
ママといっしょに訓練 ママも真剣
シェリーが私の目をじっと見て
次の指示を待っている。
服従訓練の中で躾とは
メリハリ・飴と鞭・誉めるタイミング
飼い主が絶対リーダーだという自信
などなど色々な沢山のことを学んだ。

訓練士さんについてもらっての服従訓練は
約4クール(約半年)で終了したが
肝心なのはこれからである。
なにせシェリーはいつまたアルファになれるチャンスを狙っているのだ!

自分達を戒めるために家庭犬訓練試験・CDTを受けることにした。

家庭犬訓練試験

ジャパンケンネルクラブ(JKC)が行っている試験で
指導手(我が家の場合飼い主の私)がJKCに登録してあり
(JKCが発行する血統証の所有者と指導手が同じであること)
わんこが生後満6ヶ月1日以上なら受験できる。
競技会などの展覧会会場か公認訓練所で受験することができる。

家庭犬訓練試験には
・初等科(CD−T)
・中等科(CD−U)
・高等科(CD−V)
・大学科(CD−X)
#CDはコンパニオンドッグの略

があり
初等科の科目は
規定2科目・指定20科目中選択3科目の計5科目で行われる。

全ての科目は脚側停座(指導手の横に並行にお座りさせる)に始まり
脚側停座に終わる。
規定の2科目は
・紐付脚側行進(コの字型の30mのコースを常歩で往復)
・立止

で、シェリーが選択した3科目は
・伏臥
・停座及び招呼
・常歩行進中の停座
である。

紐付脚側行進 停座及び招呼
紐付脚側行進 停座及び招呼

2000年7月31日
真夏の太陽がじりじりと照りつける非常に暑い日で
真っ黒なシェリーにとっては可哀想な時に試験をすることになってしまった。(;_;)

あまりの暑さにシェリーの集中力がもつか心配になり
私はカチンコチンに緊張してしまい
自分でも歩き方がヘンなのがわかった。(^^;

心臓がバクバクしたままなんとか終わり
結果は50点満点中46.2点(優)で合格!
この暑さの中で、あまりの暑さに
目を細めながらがんばったシェリーを誉めてあげたい。(TvT)


一応戒めのためにCDTを受けたが
これからが肝心!
わんこの躾に終わりはないのだから。



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