Atmel純正 AVRライター「AVRISPmkII」をBASCOMから使用 ■
(クローン機 「AVRISP XPII」)


 Atmel純正、USB接続型AVRライター「AVRISPmkII」を、BASCOM-AVRから使用する方法です。
 ・何と言ってもAVR製造メーカーの純正品なので、間違いのない書込器です。
 ・ISPタイプで、各種の電源電圧に正式対応しているのは、このライターくらいです。

 ・Atmel純正USB接続型AVRライター「AVRISPmkII」は、2016年で販売が終了しました。
 ・後継機は「Atmel-ICE-BASIC」ですが、BASCOM-AVRのIDEからの使用は
  まだ未対応です。
 ・以下に「AVRISPmkII」のクローン機(互換機) 「USB AVRISP XPII」を紹介します。

純正ライター「AVRISPmkII」のクローン機 「USB AVRISP XPII
・中国、深センの「Waveshare Electronics」が製造しているクローン機(互換機)です。
・購入は、中国通販のAliExpressで可能です。
・6ピンISPケーブルの予備と、先バラのISP変換コードも付属しているので、純正品よりも
 お得感があります。
・2,000円台(2018年3月時点のレート)で販売されている物の一部には写真の偽りがあり、
 ISPケーブルが10ピンの旧製品が送付される可能性があるようですのでご注意ください。
・3,500円以上の価格が付いている物は、ISPケーブルが6ピンの「AVRISPmkII」互換機に当たると
 思います。 (海外通販ですから、必ず自己責任で調査と確認をしてから発注してください)
       
・書き込み機本体のケースの外形は、AtmelのロゴとLEDの穴以外ほぼ同じです。
・内部の回路基板は別物ですが、「Atmel Studio 7」や「BASCOM-AVR」からは「AVRISPmkII」として
 認識されるので、純正品と同じように動作します。
・PDI (Programming and Debugging Interface) にも対応しているので、Xmegaチップにも
 書き込みが可能となっています。
     
・書き込み機のファームウェアの更新やターゲット回路の電圧測定なども、純正品と同じように
 動作します。
 (購入時はバージョン1.17で、「Atmel Studio 7」によりバージョン1.18にアップデートしました)
・BASCOM-AVRの$PROG命令で、ヒューズビットの自動書き換えも可能です。
      
・純正品のようにISP信号の正確な電圧レベル変換は行われていないようなので、ターゲット回路の
 電圧が3V(2.5V)以下の場合は、書き込みが不安定になる可能性があります。

・これは「AVRISP XPII」の固有の問題ではなく、Atmel純正の書き込み機以外では同様に発生する
 可能性がある問題ですから、ターゲット回路の電圧が3V(2.5V)より低い場合は注意が必要です。




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■ 使用環境の準備 ■

 ● BASCOM-AVRは、Version 1.11.9.5 からの対応です。

 ◎下記ソフトウェアのインストールによる、いかなる障害・損害等も、責任を負いませんので
  了承の上ご利用下さい。




1.「AVRISPmkII」に付属のCDから、「AVR STUDIO」をインストールします。
 
  CDが無い場合は、AtmelのサイトからMicrochip Studio最新版をダウンロードして下さい。
  Windows 8 以降 : 最新の「Microchip Studio
  Windows XP : 「AVR Studio 4.19 (build 730)」を推奨します。

 
  ※ USBケーブルは、まだ接続しないで下さい。

 以下は、「AVR Studio 4」のインストール手順です。 (バージョンによって異なります)



2.USBケーブルを接続して、ドライバーをインストールします。
 
   (「AVRISPmkII」を、USBケーブルで接続して下さい)



3.「AVRISPmkII」の接続を確認します。
 
 ・BASCOM-AVRを起動する前に、Atmel純正のソフトで「AVRISPmkII」の接続を確認します。
 ・「AVRISPmkII」の中にあるマイコンのファームウェアを更新します。
 ・「Atmel Studio7」や「AVR Studio 4」は、BASCOM-AVRと同時に起動しないで下さい。
  (ドライバーが競合して、動作しません)

※ 「Atmel Studio 7」の場合。

・「Atmel Studio 7」を起動します。
・「Microchip Studio」でも同様です。

・メニューバーから、[Tools] →
 [Device Programming] と進みます。
・[Tool] で [AVRISP mkII] を選択。
・[Device] を任意のAVR名に指定。
・[Interface] を [ISP] に選択。
・[Apply] をクリックして下欄に情報が表示
 される事を確認します。
 表示されない場合は、 「AVRISPmkII」が
 正しく認識できていません。


・「ISP Clock」が125 kHzでない場合は、
 125 kHzを選択して、[Set]をクリックして
 下さい。

・「AVRISPmkII」のファームウェア更新が
 表示された場合は、画面の指示に従って
 更新して下さい。

・[Tool information] タグで、AVRISPmkIIの
 情報が表示される事を確認します。

・「Atmel Studio 7」を全て終了(閉じる)
 します。
 
※ 「AVR Studio 4」の場合。

・「AVR Studio 4」を起動します。

・メニューバーから、[Tools] → [Program AVR] → [Connect] と進みます。

・左のウィンドウが表示されたら、[AVRISPmkII]を選択して[Connect]をクリックします。
・左のウィンドウが表示されて、下のステータス欄に下記が表示されればOKです。
 
Detecting on 'USB'...
AVRISP mkII with serial number 0000xxxxxxxx found.
Getting isp parameter.. SD=0xxx .. OK

・「ISP Frequency」が125.0 kHzでない場合は、[Settings]をクリックして、125kHzを選択し、[Write]をクリックして下さい。

「AVRISPmkII」のファームウェア更新が表示された場合は、画面の指示に従って更新して下さい。

・「AVR Studio 4」を全て終了(閉じる)します。
 

「AVRISPmkII」が正しく認識できない場合は、「Atmel Studio7」や「AVR Studio 4」をアン・インストールしてからパソコンを再起動し、再度インストールしてみて下さい。




4.「LIBUSB」をセットアップします。 (BASCOM-AVRが使用するAVRISPmkII用ドライバー)
 
   インストールの前に、USB機器を使うすべてのアプリケーションを閉じてください。
   USB記憶装置から、インストーラを実行しないでください。
   libusb-win32をダウンロードして、[libusb-win32-devel-filter-1.2.6.0.exe]を
   実行して下さい。


「AVRISP mkII」があることを確認し、→を選択
(クリック)してから[Install]を押して下さい。
デバイスの一覧から「AVRISP mkII」が
無くなった後、[Cansel]をクリックして
終了します。



5.BASCOM-AVRで、プログラマーを選択します。
・「BASCOM-AVR」を起動します。

・メニューバーから、
 [ Options ]→[ Programmer ]
 と進みます。

・Programmerのプルダウンメニューから、
 [USBprog Programmer / AVR ISP mkII]
 を選択します。

・Do not set ISP clock frequency に
 チェックを入れます。

・[ Ok ] をクリックします。


これで、ツールバーの 「Program chip」 アイコン をクリック、または、[F4] キーを押すと、プログラムの書き込み画面が表示されます。
 





「AVRISPmkII」をAVRボードのISP端子に接続し、AVRボードの電源を入れます。
作製したプログラムをコンパイルします。
プログラムの書き込み画面を表示し、[ Chip ]→[ Identify ] または をクリックし、
ステータス欄に、「AVRISP MK2 detected」、「Chip ID」、「ボード上のAVRチップ名」が
表示される事を確認して下さい。
 
◎ 「Chip ID」や「ボード上のAVRチップ名」が正常に表示されない場合は、絶対に書き込み
  操作を行わないで下さい。

 
この作業は、書き込みを行う前に必ず実行する事を推奨します。



・コンパイルしたプログラムは、自動的に書き込み画面に呼び出されます。
・任意のHEXファイルは、[Buffer]→[Load from file] で開きます。


※ 「AVRISP MK2 detected」 が表示されない場合。 (×印のエラーが出る場合)
 「AVRISPmkII」が認識されていない状態です。
 ・「3.「AVRISPmkII」の接続を確認します。」の項で、接続ができているかを確認して
  下さい。
 ・「AVRISPmkII」のUSBケーブルを抜き差ししてみて下さい。
 ・一度、「libusb-win32」をアンインストールしてから、再インストールしてみて下さい。
 ・改善されない場合は、当ホームページの掲示板にお問い合わせ下さい。

※ [Chip ID:] が[FFFFFF]や[000000]になる場合。
 書き込みを行うAVRマイコンの回路に異常があります。
 ・ISP端子の接続を確認して下さい。
 ・AVRマイコン回路の電源を確認して下さい。
  (特にAVRチップのVCCとGNDピン、およびISP端子の2ピンと6ピンに電源が
   来ているかを電圧計で確認して下さい)
 ・ISPケーブル(6ピンのフラットケーブル)に折り曲げのストレスを繰り返し加えると、
  ケーブル内部で断線することがありますので、導通を確認して交換して下さい。
  (コネクターを持たずにケーブルを引っ張ってISPを抜き差しすると断線しやすい)
 ・接続間違いの状態で不用意に書き込みボタンを押してしまった場合は、AVRの
  ヒューズビットが書き換わってしまった恐れがありますので、AVRチップを新品に
  交換してみて下さい。
 ・改善されない場合は、当ホームページの掲示板にお問い合わせ下さい。




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