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宇宙の妖怪たち - 早川SFシリーズ
宇宙の妖怪たち


最後の人間 Mop-Up アーサー ボージズ Arthur Porges(1953)訳:高橋泰邦 の あらすじ

荒廃した地球で、生存者を探していた。2年間も。

そして、焼け落ちた教会で出会ったのが、ろくでもない奴らだった。

魔女、吸血鬼、悪鬼。


魔女は、俺を見るなり言った。
「ひとり残っておったぞお。可愛い青年じゃあ。わしの好みじゃあ」

吸血鬼は、俺の体を捕まえ、早速血を吸おうとした。
「止めろ!最後の一人の血を吸い尽くすつもりか?お前は動物で我慢しておけ!」

「ばあさん。たったの一口だけだよ。もう2年も吸っていないんだ。
   一口だけ吸わせてくれ」
「だめじゃ。この青年はわしのもんじゃ。血液銀行だってあるじゃろ」

「ああ、人間が俺達のために作ってくれた食料庫だが、あんな冷えたものは
   飲み物じゃない。あったかい奴を飲みたいんだ!」

「止めとけ。これは最後の一人。貴重じゃ」
「お、俺は最後の人間なのか」

「ああ、我ら、人間を探しておるが、ここ2年、見た者はいない。お前が最後じゃ」
水爆、原爆。雨のようにそれが空から落ちてきた。
その後は細菌。ペストのようなものが蔓延した。

青年はたまたま、テスト段階のワクチンの実験台となったのだ。それが幸いした。
青年が高熱から気がつくと、既に、細菌を世界を破滅させていた。

悪鬼が口を出した。
「しかし、俺達自身の仲間は、何処にいるんだ」
「年に1回の魔女の宴にも、殆ど集まらなかったぞ」
「俺も、ここ1年は他の吸血鬼に会っていない。いるのは動物ばかりだ」

三人が話していると、兎が寄ってきた。
こちらの様子を探っている様だった。

次に何かがやって来た。
ビーバーだった。不自然な歩き方をしている。

良く見ると、三本足で歩いていた。一つの足には、杭を持っていた。

その後ろから、やって来たのはアライグマ。こちらは手に、松明を持っていた。

兎が何か声を出した。英語の様に聞こえた。
ビーバーとアライグマは隊列を組んだ。

「奴ら、私たちに襲いかかって来るつもりだよ」
「あの棒杭は、きっと吸血鬼用、そして、火あぶりは魔女用さ」

そう言った悪鬼の体が、跳ね飛ばされた。
走って来たライオンの、牙の餌食になったのだ。

ビーバー達は、吸血鬼に襲い掛かった。
アライグマは、逃げる魔女を追いかけた。

「そうか、仲間が、どうなったか判ったぞ!」
吸血鬼はマントを脱ぐと、コウモリとなり、空へ跳んだ。

しかし、それを待っていた者がいた。
鷲だった。

コウモリは羽を引きちぎられ、地面へ落ちた。
そこにビーバーが群がった。

コウモリの胸に、棒杭が打ち込まれた。

魔女は教会の壁まで、追い詰められていた。
そこには、火葬用の薪が、置かれていた。
その薪に、松明が投げつけられた。

魔女は叫びを上げ、炎に包まれていった。


俺の周りを、動物が取り囲んだ。
最後の人間を、俺を救うために、彼らはやって来たのだ。

もう二度と狩りはしない。
人間と動物は理解し合い、助け合うのだ。


その時、四頭の痩せ狼がやって来た。
兎は、俺の方を見て、指をさした。

その四頭は、俺の方へと、静かに近づいて来た。


..............

ま、そういう事でした。
途中まで、ディズニーでしたが...

この傑作選には、日本語の後書きがあります。
都筑道夫さんが、書いているのですが、
これが、アバウトと言うか...

「編者であるジュディスメリルの経歴を書きたいんだが、
『積ん読く』の何処かに資料が紛れてしまったまま、締め切りに
なってしまった。しかたないので、『うろ覚え』で書きます...」

と言う、ファンキーな奴です。まいった!!

記:2011.08.24

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三分 小説 備忘録

  [どんな落ちだっけ?]




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