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宇宙の妖怪たち - 早川SFシリーズ
宇宙の妖怪たち


醜鳥 O Ugly Bird! マンリイ ウェイド ウェルマン Manly Wade Wellman (1951)訳:田中融ニ の あらすじ

俺は、オンセルムが嫌いだ。

オンセルムって奴は、背が低く、肩は耳の様に出っ張った、なで肩。
脚は、鎌を反対合わせにした様に、膝がくっついている。
ニンジンの様に細い顎に、ヒョウタン頭が乗ってるって訳で、
まあ、要するに、説明できない容姿って事さ。

風来坊の俺が、オンセルムと初めて会ったのは、山で鹿道を通り、小さな小屋を見つけた時だ。
食料を調達しようと、小屋に行った俺は、そこの主と話していたオンセルムを見た。

「肉がないだと?」
オンセルムに恫喝された、小屋の主は、
「今年は、作物の出来が悪くてな。最後の塩漬け肉は、夕べなくなったんじゃ」

「なら、麦だ」
オンセルムは小屋主に、袋に麦を詰めさせた。
そこで、俺に気がついた。

「お前は誰だ。それに、そのギターは、どこで盗んだんだ!」
「俺はジョン。このギターは買ったもんだ。銀の弦だって、俺が張った」

俺は、弦を緩めると、即興で唄を唄った。

♪ミスター オンセルム
♪誰にでも 言いたい放題

「やめろ!言いたい放題で、何が悪い。そのギターは気にいらねえ!」
オンセルムは、出て行ってしまった。

「ありがとうよ。あんた、ジョンって言うのか。おらもジョンだ」
小屋主が笑いながら、話かけて来た。こりゃ、今日は貰いが多そうだ。

「ここは、良い家だね。おやじさん、唄は好きかい。唄ってみようか?」
♪ジョージアで過ごした20と1日
♪めんこい娘に惚れた
♪赤いイチゴの唇で...

「お前さん、唄がうめえな」
「ありがとう。ところで、親父さん。さっきの男は地主か、ヤクザかい?」

「そうじゃねえが、言う事を聞かなくちゃ何ねえだ。もう何年も前の事だ。
   ジムの家に、あいつが現れてが、鶏をくれと抜かした。ジムが嫌だ、と言ったら、
   あいつは、ジムのロバに魔法をかけて、動けなくしやがったんだ。それで、
   ジムはなくなく、鶏を手離したんだ」

「あいつは、魔法使いなのかい?」
「ああ、菓子を食ってる所を見られたミス ティリーが、慌てて菓子を隠したら
   奴の魔法で、口を聞けなく,されちまった事もあった。まるで醜鳥(シコドリ)だあ」

「何だ、その醜鳥ってのは?」
「この季節にやって来て、作物入りの大きな袋を、さらって持ってちまうデカイ鳥さ」

「ほれ、あれだ。やって来たぞ」
庭にデカイ鳥がいた。
その脚は、鎌を反対合わせにした様に膝がついていた。
俺は唄を唄った。
♪聞いたか。醜鳥。迷惑かける
♪だけど俺は怖くない。いつかてめえを捕まえてやる

醜鳥は飛んで行った。

「ジョン、ありがとよ。これで、何か食ってくれ」
親父さんは、俺に25セント銀貨をくれた。

俺は、村の店に行った。
途中で、オンセルムに会った。

「何か、また、唄いたくなって来たぜ!」
「やめな!」

♪親父は泥棒、お袋は魔女
♪俺の仲間は鳥ばかり

その時、俺の頭の上に、デカイものが落ちてきた。俺は転んで、危うく
ギターを壊すところだった。

上から落ちてきたのは、麦袋。木の上には醜鳥がいた。あいつが落としたんだ!

「唄なんか、唄うんじゃねえ!」
オンセルムは、行ってしまった。

やはり、オンセルムと醜鳥は、仲間だ。仲間以上の一心同体だ。

ようやく、店を見つけると、中には、オンセルムと若い娘がいた。
「さあ、はやく、俺の注文をよこせ。俺の注文は、ウィニー、お前だ!」

ウィニーと言う店番の娘は、ブルブル震えていた。
助けを求める目で、俺を見た。

「また、お前か。ウィニー!とっとと、こいつに何か売って、追い返しちまえ!
   もっとも、こいつに金があるのかな?」

「な、何を売りましょう?」
「何か食うものをくれ、クラッカーと鰯の缶詰がいいな。お代はこれだ」

俺は、オンセルムの目の前に、銀貨を突き出した。

「ちくしょう!」
オンセルムは店を出て行った。

「ありがとう、ございます。とっても怖かった」
「困った奴だ。何とか,してくれる人はいないのか?」

「誰もオンセルムには、逆らえないわ」
「しかし、あいつ金が嫌いなようだ?それに唄も」

「オンセルムと醜鳥は,どう言う関係なんだ?」
「私、こんな話を聞いた事あるわ。あやしい術の中に、その人の一部を
   別の動物に変える、と言う方法があるんだって」

「それだ。エクトプラズムって奴だ」

そこに、オンセルムがやって来た。さっきの小屋の親父と、ホープと言う大男と一緒に。

「ホープ!その薄汚い奴を、放り出してやんな。ギターも取り上げろ!」

ホープにギターを取られ、俺は店の外に放り出された。
そして、オンセルムは転んだ俺に、術をかけ様とした。

俺の胸が苦しくなり、体が硬直し出した。
これだ!これが、ロバや言葉を失った女が、かけられた術だ!

オンセルムはウィニーを捕まえ、抱きかかえる。彼女は必死に逃げようとしていた。

俺は、必死にホープの所に行き、ギターをむしり取ろうとした。
醜鳥が何時に間にか、地面に降りて来た。そして、俺の腕をその鋭い嘴で
突っつく、俺はギターをやっと取り、醜鳥に目がけて、振り回した!

バーンと音が響き、醜鳥の体は、地面に叩き付けられた。

オンセルムの体は硬直し、ウィニーは、奴の腕から逃げた。
醜鳥を失ったオンセルムは、抜け殻となり、地面に崩れ落ちた。


オンセルムと醜鳥は、死んだ。
俺達三人は、口裏合わせの練習をし、保安官を呼んだ。

ギターは壊れてしまったが、小屋の親父が、古いギターをくれた。俺はそこに、銀の弦を張った。

「そうか銀だ。ギターと銀貨。奴は銀に弱かったんだ」

「あんたは恩人だ。この村に住むつもりはないかい。俺が全部面倒みるよ」
「それもいい話だが...」

そして、俺は唄を唄いながら、この村を出た。また放浪の旅に出るのだ。
村はずれでは、ウィリーが何時までも、手を振っていた。

♪我は去る。愛と誇りを掲げて
♪邪悪な企みを排し...


..............

シェーンきどりかい!
なんか、SFらしくないです。つまらん。次、行こう!

記:2011.08.09

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三分 小説 備忘録

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