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Seventh Sight(2014)
Seventh Sight


2015年11月08日に新宿で未訳最新SFの日本語朗読会を行ないました。
その中で、グレッグ・イーガンの現時点未訳の中編Seventh Sight(第1部)も朗読しました。

それを、"あらすじ"として、簡単にまとめましたので、
イーガンの最新作情報を知りたかった方のために、ご報告致します。

機会があれば、また行ないますので、その際はよろしく、お願いします。

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7番目の視力 / グレッグ・イーガン
(Seventh Sight) 第1部あらすじ。

 この作品内の用語があります。トリスが通常の目を持った人間です。
ヘプスと言うのが6色色彩を持った人間です。

 ジェイクは12歳である。遺伝的に盲目で祖父はインプラントを目に入れたが、
視力は回復しなかった。父も盲目だったが、ある程度は回復した。ジェイクは6歳の時に
インプラントを入れ、まだ柔軟な脳であったので、完全な視力を得た。

 しかし同じインプラントを目に入れた従弟のショーンが、目のインプラントに
ハッキングするソフトをくれた。そして12歳のジェイクは、それを使ってしまう。

 この視覚インプラントは色認識用にカラーフィルタを置くものではなく、"量子井戸"への
電荷量により、反応色を決める方式である。
つまりソフトウェアによる、"フル・カスタマイズ"ができるのだ。
 ジェイクはヘプスへの道を選ぶ。調整された数値を元に戻す事はできるだろう。
しかしこの変更が、一度脳に与えた影響。それを戻す事はできない。

 変更を行なった(注:この様子はプリンタ印刷位置の補正確認の要領で説明されます)。
 初めは何も変わったようには見えなかった。しかしテーブルの花に違和感を感じた。
だが、枯れたと見えた花は枯れていなかった。それまでは同色に見えた影が、別の色に見えた。
自分の視覚は、おそろしく鋭敏になったのだ。これまで感じられなかった差がくっきりと見える。
それまでは気にならなかった父の顔に、湿疹が目立つ。母の化粧は、雑で見るに耐えない。

 学校では、どんな奇妙な顔色した奴が来ても驚かないようにした。女教師の顔に
塗られたレブロン化粧品も笑わずに耐えた。
 そして海を見た時に、その激しい異様ぶりにヘドが出そうになった
(注:ここでの異様な描写は『惑星ソラリス』を思い出させます)。

 そして、ある日、見慣れた公園で"掲示板"を見つけた。青く塗られた遊具の上に、
ほんの少しだけ違う青でメッセージが書かれていた。これはトリスにとっては読めない。
だが、ヘプスであるジェイクにとっては、そのメッセージは明らかだった。
そこにあったのは。「第4日曜日、午後2時」

 日曜日の午後1時15分に、その"掲示板"の前に来た。「早すぎるわ」女の子に
声をかけられた。その子はルーシー。「6ヶ月練習して書けるようになった」
彼女はトリスらしい。だがヘプスのためのメッセージを書いている。
ジェイクは、このメッセージに意味に気付く。これは宝探しゲームなのだ。
(注:この状況はゲーム好きの方なら、昨年、流行ったサイバー陣取りゲーム
「イングレス」を思い浮かべるのではないでしょうか?)

 やがて2時になると、10才くらいの男の子がやって来て、"掲示板"に書かれた
数字と文字を携帯電話に入力していた。あれが"お宝"なのだ。
あの数字を、特定のサーバに入力すると、勝利者ポイントが溜まるのだ。

 人はどんどん集まって来た。この若い者達、彼等はヘプスなのだ。
- 第1部 終了 -

*****
朗読会では、第2部の冒頭概要もお伝えしました(全3部)。
ちなみに、何年か後で、ジェイクと彼のパートナーの"仕事"の話になります。

お判りのように、「ディアスポラ」と言うより、「ゼンデギ」「ビット・プレイヤー(端役)」
系列の、現在と地続きの世界の物語です

記:2015.11.08

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三分 小説 備忘録

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