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空想科学小説ベスト10 - 荒地出版社(1961)
空想科学小説ベスト10


無任所大臣 Minister without Portfolio / Mクリンガーマン Mildred Cligerman 訳:小笠原豊樹 の あらすじ

クリスウェル婦人は、車を降りて、バードウォッチを始めた。

野鳥図鑑と双眼鏡を手に、森の野鳥を探す。
正直言って、それほど、気に入っている訳ではない。

嫁のクララの薦めなのだ。
嫁ときたら、私を、邪魔者扱いして、台所で料理の手伝いはさせないし、
孫達の教育にも、口出しさせない。

私の得意な編み物も、嫁の好みとは合わない様で、敬遠されている。

結局の所、私が家から出て、野鳥でも楽しんでいれば楽だ、と言うのが、
彼女の思いつきなのだ。

婦人は、頭の麦わら帽子を脱いだ。これも彼女が買ってくれた物だが、
馬鹿でかくって、みっともない。

そもそも、色盲の私に、野鳥の区別なんてなんて満足に付く訳が無い。
(色盲は女性にはめずらしいらしいけど)


その時、一迅の風が吹き、婦人の帽子は飛ばされた。
坂の下へと帽子は転げて行く。帽子の落ちた辺りには、同じ制服姿の三人の若者がいた。

彼らは、帽子を珍しそうに、交互に調べあっていた。
やっぱり、あんな馬鹿げた帽子なんて、被ってくるんじゃ、なかったわ!

婦人が、若者達を呼ぶと、三人は帽子を持って、近づいて来た。
へんな言葉をしゃべっていたが、彼女の頭に、帽子を被せてくれた。

そして、言った。
「さあ、これで、もう聞こえますよね?」
「聞こえますわよ。まだ耳は遠くなっていませんからね」

三人のいた所には、婦人が見た事も無い。キラキラ光る飛行機があった。
「おばさま、お名前は?」
「アイダですよ」

「では、アイダおばさま。私はジョードです。おばさまは、私の母とどこか似ています」
そう言う、青年の頬から汗が一筋、顎へと伝わった。

「これをお使いなさい。差し上げますわ」
婦人は、香水の付いたハンカチを青年に渡した。
青年は、その香りを嗅いだ。

「すばらしい。これに使われた糸は、故郷のハーモニーヒルの音がします。では私も」
青年はポケットから、蜘蛛の糸の様なものを取り出した。

それを婦人の頭に被せると、婦人の頭の中に、音楽が鳴った。おまけに、婦人には
見えないはずの色までが、頭の中で感じられた。

「おばさま、私達は、あの飛行機でこの辺りを調査していたのですが、この辺りに
   住む方の事も知りたく、幾つか、ご質問に答えて頂きたいのですが」
「質問?わたしはクイズの類は得意じゃないのよ」

青年がした質問は、こんなものだった。
・あなたは神を信じますか?
・あなたは人間の尊厳を信じますか?
・あなたは戦争が嫌いですか?
・あなたは隣人を愛していますか?

婦人は、好きな編み物をしながら、それらに応えて行った。

「ちょっと、バッグの中身を拝見させて下さい」
言うなり、彼は夫人のバッグを逆さまに開けてしまった。

中にあった孫達の写真は、彼の好む物だった。青年は、自分の家族の写真と
交換しようと、頼んだ。
それ以外にも、クッキング カードや編み布、キャンディまで欲しがり、手に入れた。


楽しい時間を終え、婦人は家へ戻った。

街では、新聞の号外が大騒ぎしていた。
(また、戦争が始まったのかしら?)

婦人がその号外を見ると、大きな文字でこうあった。
『空飛円盤がこの街へ』
『円盤、全電波を乗っ取る』
『宇宙人、一婦人の素晴らしさを語る』
『地球、一婦人に救われる』

近頃、訳の判らない事が多いけど、これも、とびきりの訳のわからない事ね。

婦人は、孫に今日会った事を話していた。
「...それで、その男の人は、その人の家族の写真をくれたんだよ。それがこれ」

孫達は、その写真を見て驚いた。
「おばあちゃん、この人達、顔が緑よ!大変だ!」

「あらあら、肌の色で人を差別しちゃいけません。世界は白い人だけじゃないのよ。
   黒い人、黄色い人、赤っぽい人もいるわ。でも緑? 緑は、どこの国だっけ」


..............

緑って言う事は、セルみたいな観じなんでしょうか。

って、すいません。ドラゴンボールは、よく知りませんんので
間違ってたら、ごめん

記:2011.08.30

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三分 小説 備忘録

  [どんな落ちだっけ?]




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