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 ザ ベスト フロム オービット-上-NW-SF
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世界の母 Mother to the World リチャード ウィルソン 訳：森下弓子 の あらすじ 男の名はラルフ。４２歳で知的、痩身、強健。 女の名はシス。２８歳で美人とは言えないが、健康的で陽気な性格。 彼らは、今や世界で最高のカップルだった。彼女の知性が、八歳児程度であったとしても。 アメリカのミサイルが中国に投下された時、中国からも、報復ミサイルが米国に打たれた。 国際的には中国は、まだ後進国と思われていた。しかし中国が持っていた細菌兵器ＭＲは、 人の細胞から水を流れ出させる、殺人ウィルスであった。 人々の体はカサカサになり、ボロボロと崩れて行った。 やがて、全米で増殖したウィルスは風に乗り、中国へと流れ、中東から欧州へ。 ウィルスは、人だけに感染した。世界中の動物・植物は無事だった。 その日、ラルフは友人の家に立ち寄っていた。夜になり泊まる事になったラルフは、 彼の家の地下室にあるシェルターに泊まる事となった。シェルターのもう一つの部屋は、 お手伝いさんのシスの部屋だったのだ。 完全に密閉された部屋で閉じ込められたラルフが、ようやく外に出た時には、 全世界の人々は、塵となっていた。 そして彼は、シスを救った。 ラジオの感度を幾ら上げても、放送は聞こえなかった。 ガソリンを集めて、車で年へ出てみる。食料を探す。本を雑誌を、シスには、家で留守番をさせて置く。 純真で従順なシスは、彼の言う通りにしている。 まだ動かせる映画館で古い映画を見る。動物園に行き、弱い動物達を逃がす。 残念ながら、食肉動物は射殺する。しかし野生の猛獣達が、やがてはやって来るのだろう。 シス。純真ではあるが、彼と意思の疎通が完全にできる訳ではない。私は彼女の保護者・父親だ。 しかし、人間の女は彼女だけ。 私はいつまでも、彼女の父親である訳にはいかない。彼女の夫にならなければいけないのだ。 それに、彼女に教育も必要だ。やがて産まれる子供達のために。もしも正常に産まれればの話だが。 シスはラルフにドライブに行きたいと頼んだ。彼はシスを連れ、ハネムーンに出かけた。 旅に出て、嬉しがるシス。ブラジャーを付けると苦しいと言うシスに、ラルフはそれを外しても良いと許す。 そしてスカートも脱ぎたいと言うシスの願いも許し、ラルフはシスの体を抱きしめた。 シスはその扱いに喜んでいるようだった。 そして、ラルフはシスと食事を取る。正装に着替えた二人は、立派な紳士と淑女だ。 彼女が喋りさえしなければ。 ラルフはシスに、一言も喋るな、と命令してから、紳士と淑女の大人の会話を楽しんだ。 ラルフの語る知的な話に微笑み、相槌を打つ、淑女。 そんな演技を楽しんだラルフは、やがて感極まり、叫んでしまう。 「結局、お前はただの、うすら馬鹿だ！」 しかしシスは微笑んだまま、彼の全てを受け容れているかのようだった。 「ねえ、ラルフ。おうちに帰りましょ」 翌日、シスがくれた手紙には、たどたどしい字でこう書いてあった。 「きょうは、わたしたちの、けっこんのひです。ラルフ、わたしはあなたのよい、おともだちになります」 ラルフは懺悔する。そして、シスを本当の妻として受け入れようと思う。 やがて、二人に子供が生まれる。健康な男の子。精神にも問題は見られない。 名前は、名前はもちろん、アダムだ。続いて娘も生まれた。 アダムが８歳になった時、ラルフは彼に、ラルフとシスで、お前達が生まれた事を説明した。 アダムは、自分がラルフと同じ、"男"である事を知った。 「アダム、もしも、俺が死んだらどうする」 「その時は、ぼくと母さんで、子供を作るよ」 そうだ、母さんは"世界の母"、そして、お前が俺の次の"世界の父"となるんだ。 お前は、良く理解している。 ．．．．．．．．．．．．．．
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三分 小説 備忘録 [どんな落ちだっけ？] |
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