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世界はぼくのもの - 青心社
世界はぼくのもの


大いなる夜 The Big Night 1947 訳:辻睦彦 の あらすじ

「修理班!すぐA-6噴射管を調べろ!」

カクンチャ(ゴキブリ号)は、自殺でもしそうに震え、船体は今にも破壊しそうだった。
ワープが始まるのだ。このオンボロ号には、負担がでか過ぎる。

超空間、通称、"大いなる夜"へ向かい、カクンチャは進む、

雑多な船員は、大騒ぎで、ワープに備える。航宙士ヒルトンは、蜘蛛形をした異星人ツスの操縦に指示を与えた。
カクンチャは、木星を瞬時で通過した。うまく、"大いなる夜"に乗れたのだ。

サム船長。根っからの宇宙飛行士、このポンコツ船が彼の人生の殆ど。
この船は時代遅れ。惑星間交易委員会の進める、物質転送が、これからの流れだ。

この船で運ぶ荷物は、まだ物質転送機での輸送が確立していない、辺鄙なところだけ。

運送費、安全性、迅速性。どれも、適わない。

ヒルトンは、サム船長に切り出した。
この航海を最後にしたい。物質転送機を扱う免許を、取りたいのだ。

「なんだと、お前は、宙の男、スペースマンだ。物質転送機なんて、女が扱うもんだ」
「でも、物質転送機なら、ワープに失敗して、宇宙の、もくずになる事もありません」

ワープ中に見える、糸を引くような星の動き。
「こんな絶景は、物質転送機なんかじゃ、味わえんのだ。それに、この大いなる闇!」

「たしかに、それは素晴らしいですが、冷たくもあります」

その時、船が超空間で跳ねた。何かに接触したらしい。
操縦卓が、吹っ飛んだ。

「すぐに、修理しろ!」
サム船長が叫ぶ。

「ヒルトン航宙士、問題があります。至急、船尾に来て下さい」

船尾はすでに、壊れそうだった。
船前部も、相当ガタが来ているが、この船尾は、次のショックでイチコロだ。

「よし、船尾は切り離す。ここにある補強材を外して、船前部に移動だ。終わったら切り離す」

船尾の補強材を至急外し、前部に移動させて、溶接した。ここの補強が完了すると、弱くなった
船尾を切り離す。そこまで終わって、激しいショックが来た。間一髪、間に合った。

「ヒルトン航宙士、怪我人が出ました」
「怪我人?どんな素人だ」
「それが、ちょっと問題でして」

怪我人はサクソン。騙されて、この船に乗せられたらしい。しかし、この男、移送局の職員らしい。
これは、やっかいだ。

サクソンはカンカンだった、
「君達を訴えてやる。こんな所で働くつもりはない」

カクンチャは、フライア中継地に着いた。

「やあ、クリス、積荷はどれだい」
「メールを受け取っていないのか?キャンセルになったんだよ」

「そりゃ、どう言う訳だ」
「出来たんだよ、この地にも転送ステーションが」

「移送局の奴ら、こんな所にまで、手を伸ばして来たか」

「奴らは、一度、設備を据付ちまえば、あとは電気代だけだ。かなう訳がない」

「船長、どうします。無駄骨でした。オリオン座で鉱石発掘が再開したって聞きましたが」
「もう、遅い。他の奴らが回ってる。もう洗いざらい持って行った後だ」

「船長、ここで私を降ろして下さい」
「ヒルトン、貴様、逃げるのか」

「ツス、お前はどうするんだ」
ヒルトンは蜘蛛型星人のツスに聞いた。

「我々の星は、とっくに滅びました。この宇宙にも、もう僅かしか、仲間はいません。
   我々は、ハイパーシップと共にあります。かつて、宇宙を翔けめぐる事により、我々の種族は
   生きる事ができたのです。我々には、ここを離れる事はできません」
「そうか」
「ここに居て、働く事で、初めて我々は、価値を認めてもらえるのです」

「ヒルトン、行くのか?じゃあ、俺達はアークトゥルスにでも行くか」
「船長。まさか、その後、犬座に脚を伸ばすんじゃないでしょうね。奴隷船、として」

「そんな、気はないさ」
「船長、この船は気高い船です。汚い金には相応しくない」

結局、ヒルトンは、ハイパーシップ カクンチャに残る事にした。
「大馬鹿者だよ、あんたは」
サクソンはヒルトンに言った。

「ああ、そうだ。確かに移送局は、今、成長している、君達がそれを支える。でも、やがて、
それも時代遅れになる時が来る。その時、君にも、俺の気持ちがわかるさ」


..............



ええっと、かなり、はしょったり、付け加えたりししたが、だいたい、こんな感じでしょうか。

記:2011.06.18

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三分 小説 備忘録

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