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世界はぼくのもの - 青心社
世界はぼくのもの


小人の国 A Gnome There Was 1941 訳:宮城博 の あらすじ

クロケットは労働争議の専門家。今日はアジャックス社の炭鉱に入り込んで、
調査をしようとしていた。顔に墨を塗りたくってトロッコに乗ったが、
仕事前から顔が黒いのは、彼は一人だった。

めぼしい労働者を見つけ、
「君、ここでの労働条件について、聞きたいのだが?」
「英語でか?俺の英語、これだけ。ウィスキー、ジン、ワイン、くたばれ!」

仕方なく、奥へ行くと、入り口から、デカイ男が何やら言いながら、迫ってくる。
慌てて逃げるクロケット。

そいつは、ぐんぐん近づいてくる。
更に逃げるクロケット。

そいつが言った。
「ダイナマイトが爆発するぞ!」

宙を飛んで、壁に叩きつけられたまでは覚えていた。
気が付くと、信じられない者が、クロケットの顔を覗き込んでいた。

ノームだ!何とまあ、醜い!
しかし気が付くと、クロケットの手も、毛だらけの鍵爪に変化しており、
かぶら頭になっていた。考えて見ると、真っ暗なはずの穴でも、目が見える。

ノームは言った。
「わしはグルー マグルー。お前はニドの掟で、ノームになった」
「ニドの掟、とはなんだ」
「わしらノームは死なない。審判の日までは。それに産まれもしない。しかし時々いなくなるものが
   いるので、補充が必要だ。昔は、人間の子供をさらっていたが、それはニドの掟で禁止になった。
   代わりが、炭鉱で行方不明になった者を仲間に加える事だ。それが、お前だ」

グルーに連れられて穴を進むと、ノーム同士が喧嘩をしていた、グルーはそれを見ると興奮して、
仲裁、ではなく、喧嘩に加わった。ノームは喧嘩が大好きなのだ。

クロケットも、とばっちりで投げ飛ばされた。飛ばされた所に、別のノームが居た。
クロケットは、そいつに、ぶつかり、ぶっ飛ばした。

「あんたは命の恩人よ!」
クロケットは、女のノームにお礼を言われた。この女のノームと戦っていたノームを、
ぶっ飛ばしたからだ。

女のノームはにっこり笑った。

この世の中に醜いものはたくさんいるが、ノームより醜いものは女のノームだ。
こりゃノームに子供ができん訳だ。

「一体、何でまた、喧嘩になったんだ?」
「そりゃ、あたしが、始めたからよ」

全く、ノームと言うものは、働いているか、喧嘩をしているかのどちらかだった。

しかし、誰のために働いているんだ?
それは、皇帝ポトラングのためだった。

クロケットは、炭鉱夫達をオルグした。皇帝の横暴から身を守るために、団結するのだ。
しかし、ノームの反応は鈍かった。確かに皇帝の面倒を見るのは嫌だが、皇帝は強いのでしかたがない。

クロケットは、「皇帝と言えども、全員と戦う事はできない」「団結して当たれば、必ず勝つ」と説いた。
「泥風呂に1日3回も入っているのは、あいつの特権だ。やめさせろ!」

「でもコカトリスの卵は怖いぞ。何かの変身されちまう。もぐらや、下手すりゃ、人間だ!赤い卵だ!」
「ひえ〜っ、人間」

人間は彼らにとって、恐るべき醜い生物なのだ。

反応が鈍いので、クロケットは口からでまかせを。
「皇帝はお前達の喧嘩を、禁止しようとしている!」

これにはノーム達は、大きく反応した。
そして、
「喧嘩を禁止などはさせない!」と一致団結して、皇帝に反抗する事にした。


そして、スト当日。皇帝は朝の泥風呂が沸いていないのに、気が付いた。

「誰だ!わしを怒らせる奴は?風呂を忘れおって」
地鳴りの様な怒声。

皆、怖がって出てこない。
クロケットは、おそるおそる。
「我々は、スト中です。もう貴方の言いなりにはならない」

「おお、そうか。では全員。始末してやる」

「そら来た。奴を足止めしろ。コカトリスの卵を取りに行かせるな!」
「いや、皇帝は空中から、卵を取り出せるんだ」
「ええ〜っ!」

皇帝は次々と卵を取り出しては、投げつける。
ノームの一団がコウモリになって羽ばたく。

「わあ〜っ!」クロケットは一目散に逃げ出した。

ノーム達は、持ち前の喧嘩好きに火がついた。
次々と皇帝へと組み付いて行く。

しかし振り飛ばされて、コカトリスの卵!
そいつらは、鼠になって散った。

あっちで蛇、こっちはモグラ。
ミミズにカエル。洞穴はもう、大騒ぎだ。

皇帝は一度、赤い卵を取り出したが、思い直して地面に置いた。さすがに皇帝と
言えども、あんなに醜い人間の面は見たくないらしい。

やがて、静かになった。
ほとんどのノームが、始末されたらしい。

クロケットは、赤いコカトリスんの卵をさらって、出口へと逃げる。
よし、卵を潰そうとするが、ここで人間になっては、真っ暗になってしまうし、
体が伸びては、天井につかえる。

「待て〜っ!」
後ろから、皇帝が走ってくる。

クロケットは、逃げる。逃げる。

そして、出口まで近づき、コカトリスの卵を割った。

「わあ〜っ!」
悲鳴を上げたのは、皇帝の方。
クロケットの顔を見ると逃げて行った。

クロケットは地上へ出た。
明け方、畑では農夫が、畑を耕していた。

「お〜い」 クロケットは手を振った。
農夫は、こっちを見て、目をこすった。

「お〜い。助けてくれ〜」
今度は農夫が悲鳴を上げた。
「助けてくれ〜」

クロケットは自分の手を見た。
けむくじゃらで、こりゃ何だ。

顔を、触って、頭を触って、気が付いた。

あいつら、人間と言うものが判っていない!



..............


オチなんですが、ちょっと変えてます。たぶん、こう言う事なんだろうと、思いましたので...
あと、小人もノームにしました。

記:2011.06.16

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三分 小説 備忘録

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