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世界はぼくのもの - 青心社
世界はぼくのもの


世界はぼくのもの ヘンリー カットナー 訳:米村秀雄 1985 のあらすじ

「入れて!この世界は、僕達のものだ!」
と、外でウサギのような生物が、叫んでいた。

天才発明家のギャラハーは、二日酔いの頭を叩きながら、ドアを開けた。
三匹のウサギは、鼻をピクピクさせながら、
「僕達はリブラ。地球を征服するために、やって来たんだ」

「ああ、そう。で、リブラってなんだい?」
「ほら、ごらん!僕達さ」

行き詰ったギャラハーの後ろから、彼の祖父が声をかけた。
そう、そう、夕べは祖父と、酒の飲み比べをしていたんだ。

「夕べ酔っ払った、お前が、あれを作ったんだ。タイムマシンとか言っておったぞ。
   それを動かしたら、あいつらが現れたんじゃ」

「そうだ!そうだ!夕べは寒くて、中に入れてくれないから、風邪を引くとこだった。
   地球征服に来たのに!」

なるほど、ギャラハーは時々、酔っ払って、自分でも知らない原理の物を、作ってしまうのだ!

「君達は、どの時代から来たのかな?」
「500年ほど先さ。火星だね」

「でも、英語を話しているね?」
「火星にだって、人間はいるさ。僕らは何語でもしゃべる偉大な生物だ!」

「火星の支配者って訳か」
「いや、火星全土って訳じゃない」

「でも、半分って訳でもない」
「うさぎ谷一帯の、支配者さ!」

「そうなの。とりあえず、ミルクでも飲む?皿につごうか?」
「僕らは、動物じゃないぞ!」
「そうだ、コップに入れろ!」

ウサギ達は、コップを後ろ足で持ち、舌でぴちゃぴちゃと、ミルクを舐めた。
「...すごく、おいしいね...」
「いや、ちっとも、うまくなんかないさ。でもお代わりがあるなら、飲むけど」

「で、君達、征服に来たんなら、何か強力な武器とか、持ってない?」
「僕達は熱線銃で、都市を破壊し、可愛い女の娘を人質にとって、世界を征服するのだ!」

「熱線銃はどこ?」
「これから作るんだ。作り方は本に書いてあった。でも僕達は作れない...」
ウサギは自分の手を見た。まるくて、ミトンの手を。

「じゃ、代わりに作ってあげるよ。作り方を教えて」

で、熱線銃が出来た。

「これがあれば、世界を征服できるぞ」
「地球人をみんな殺すんだ!裏庭の奴みたいに」

「裏庭の奴って誰?」
「僕達が外に居た時、裏庭に死体があったよ」
ギャラハーが見に行くと、確かに死体があった。まだ暖かい。..老人のようだ。

するとタイミング良く、制服の三人が現れた。警官だ。

「いや、あの、この被害者は、全く知りません」

警官のボス、キャントレルは言った。
「ああ、そうですか。で、背中には焦げ跡がありますな。ふんふん。
   で、貴方のお持ちの、それは何です。ああ、熱線銃ですか。なるほど。」
「いや、それは懐中電灯でして、」

「では、これを、私が頂いてもよろしいですか?それとも、証拠物件1として、徴収致しますか?」
「あ、持って行って下さい」
熱戦銃はキャントレルのふところに入った。

警官たちは、死体を持って行った。
これは、大変な事になってしまった。

また、リブラが騒ぎ出した。
「また、死体があるよ」

裏庭に行って見ると、本当に死体があった。
よく、見るとそれは、ギャラハーの死体だった。10歳ほど老けているが。

すると、また警官がやって来た。
「ギャラハーさん、指紋と虹彩を取らせて下さい」

照合した結果、警官は言った。
「あの死体は、あなた自身です。更に判らないのは、指紋と虹彩を
   取った後、あの死体は、忽然と消えてしまったのです」

それから、警官は、しっかりと裏庭の死体を見つけて、また、持って行った。

「そうか、おじいさん、判ったよ。つまり、こう言う事だ。未来で誰かが
   僕を殺して、ここに送る。あのタイムマシンを使ってね。しかし、
   それを僕が知ったので、状況が変わったんだ。その結果、彼らは、
   もっと若い僕を殺した。だから初めの時間線Xが廃棄され、別の時間線に取って替わったんだ!」

「なるほど、お前は、訳のわからん事を言って、自分は気が狂っている、と主張するつもりじゃな?」

ダメだ。ともかく、タイムマシンを使って、何とかしないと。

「ねえ、ねえ、僕達の地球征服のために、精神接続装置を造ってよ。
   未来の世界じゃ良く使うんだ。たしか、ギャラヒとか言う人が、発明したんだよ」

たぶん、そりゃ、俺の事だ。
俺が、作ったのか、精神接続装置。そりゃ一体、何だ?

で、精神接続装置が出来た。

精神接続装置は、誰かの学習や才能を、瞬時で習得する機械だ。脳の記憶転写である。

「これで、世界は僕達のものだね。この辺は僕のもの、ここは君のだ」
リブラ達はクッキーを食べながら、地球儀を回して話している。

さっそく、ギャラハーの数学の才能を、祖父に転写して見る。

「おじいちゃん、パイ(円周率)は、何桁まで言えます?」
「パイは一口食べれば充分じゃ」

どうも、その才能が、まるでない人には、効果がないらしい。

ギャラハーは、知り合いの歌手フィレスを読んだ。
そして、フィレスの才能を、自分に転写した。

「♪うまく、いったあ〜、とても、とても〜」
「わかった、わかった、ギャラハー!うるさいから止めてくれ」

その間に、新たな死体が現れ、また警察は持って行って、やがて消失した。
今や、死体は7体目。まれに見る連続殺人事件だ。

キャントレルはギャラハー家を詮索し、精神接続装置の事を嗅ぎつけた。

そして、自分に当代の専門家の知恵を、次々と転写させた。
今や、彼は世界最高のIQの持ち主だ。彼こそが世界の征服者に最も近い者だ。
今や米国の最高責任者とコネをつけ、今日は欧州の責任者と話す予定だった。

それから、キャントレルは、ギャラハーを殺そうとした。
「待て!ここから出て行け」

気勢を制した祖父は拳銃でキャントレルと、同士討ちになるつもりだった。
「ちっ!」キャントレルは逃げ、ヨーロッパ行きの飛行機へと向かった。

少し経つと、裏庭にあった死体が消えた。
すぐに、テレビはヨーロッパ行き飛行機の、墜落を知らせていた。

熱線銃がなくなったために、未来のギャラハー殺人もなくなり、歴史は固定したのだ。

これで解決した!...まてよ、まだ、リブラがいる。
よし!ちょと、細工して...

テレビのニュースが、伝えていた。

「みなさん、ご存知だと、思いますが、今、地球に来ている、三匹のリブラ達!
   地球政府は、この方たちを、専制君主として迎える事を決定しました!」

リブラ達は、大喜びで、仲間たちに、この話を伝えようと、帰って行きました、とさ。



..............


ええ〜っと。何とかまとめて見ました。本当はもっと脱線が多いのですが。
記:2011.06.10

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三分 小説 備忘録

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