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 ディオ-青心社
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ディオ Dio 訳：大野万紀 の あらすじ ディオは海岸に行って見た。そこでは恋人のクレアが友人達と遊んでいた。 友人達＝遊戯者は、ディオ達＝学究者とは、別の階級だ。一般に、別階級の者が、 カップルになる事はない。ましてディオの様な、エリート＝建築計画者は。 友人がふざけて体当たりをして来た。その者の脚は折れた。しかし、すぐに修復可能だ。 ディオも負傷した。すぐに、自然に治るだろう。 しかし、８時間が経過し、まだ指の負傷が治らない。 ディオは不安になり、クレアに連絡する。 しかし、返って来たのは、不在通知だった。 「ディオ、貴方が忙しいのは、判ります。でも最近、私は感じます。やはり、階級の違う人と 付き合ってはいけないと言うルールは正しいかも知れないって、とにかく、少し旅行に行って来ます」 旅から帰ったクレアは、やはり、ディオの所に戻った。 （やはり、私にはディオ！） 旅で知り合った、つまらない男の記憶は消去した。 こうやって、彼らは暮らして行く。永遠の生を、楽しい、有意義な思い出で埋め尽くして。 しかし、ディオはいなかった。 聞いてみると、ディオは"死に掛けて"いると言われた。 とても、めずらしい病気。 「死ぬってどんな事？」 「君はペットを飼った事はないかい」 「あるわ」 「そのペットが、ある日いなくなった事はないかい」 「あったかも知れない。きっと、なくしたのね」 「ちがう。死んだんだ。でも、その死体はすぐに片付けられる。我々は、とても綺麗な世界に暮らしているんだ」 「動物は死ぬかもしれないけれど、人間は死なないわ」 「彼は、死ぬ病気にかかったんだ」 クレアは旅をする。世界中を、宇宙をも。世界競技を見る。観劇をする。恋をする。素晴らしい食事。 永遠の楽しみ。永遠の気晴らし。人生は素晴らしい。 素晴らしい音楽、強靭な運動、手に汗にぎるスリル。 このセクターの設計者は、新たな環境をデザインした。激しい雨、強い日差し。町並みは色を変え、 今は銀色の波が、町を流れている。 でもクレアはそれが気に入らなかった。 （ディオのデザインの方が素敵。もっと暖かい） ディオからのメッセージが来た。 「在宅中です」 クレアはディオの家に行く。 しかし、今のディオに会えるのは、学究者だけだ。 クレアは知識を得て、学究者になろうとする。 クレアは、人間＝彼らの先祖、について学んだ。 ぶ格好な形をした生き物。背は彼女の半分もない。 「これが、人間？」 「そう、もう死に絶えたが、彼らが人間だ」 計画者は、人間を改造した。 劣化＝死は成熟の後に進行する。 そこで、我々は永遠に成熟しないように、改良されたのだ。そして不死になった。 しかし、ディオは成熟に到達したのだ。肉体的にも精神的にも彼は成熟し、そして劣化して行く。 やがては、死へ向かう。 クレアはディオに会いに行く。 彼は、彫刻を掘っていた。 強い陰影と、荒々しい掘り込み。 不思議な迫力に、クレアは釘付けになった。 「ミケランジェロの"夕"と言う作品を真似たのさ。自分で掘ったんだ。機械を使ったのではない」 ディオのデザインしたセクターは、世界中の評判だった。 そして、ディオの容姿は変化して行く。しわは増え、指は太くなり、髪は白く、髭は濃く．．． 「ディオ、私と旅行に行きましょ｝ 「君は行けば良い。私にはやる事が山ほどある。」 クレアが戻ると、引退したディオは、身の回りの物を自分の手で作り、 菜園を作って、小屋で生活していた。 顔は黒く、角質化して、もう爬虫類のようだった。 「私は、私であって、他の誰かではなかった。他の誰かは、私になる途中の人間だ」 もうクレアはディオと離れたくはなかった。 「ディオ、私と暮らしましょう」 「でも、君は不死の女神。私の普通の人間だ」 やがて、ディオは去ってしまった。 クレアはまた、遊戯者達の中で過ごす。 そして思い出す。小さい頃、自分をよく膝の上に乗せてくれた、ピエットと言う男の事。 そして、小さい頃面倒を見てくれたマーラと言う女性。．．．父？母？それって何の事？ 彼らはどこに行ってしまったのだろう。 ．．．．．．．．．．．．．．
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三分 小説 備忘録 [どんな落ちだっけ？] |
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