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ディオ-青心社
ディオ


何なりと御質問をAsk Me anything 訳:英保未来 の あらすじ

始めは、松葉杖に毛がはえた程度のものだった。
それが、不恰好な義手になり、今では人間の腕を、はるかに凌ぐようになった。

子供たちは丸々と太った体を、金属製のシャ−プな入れ物に変えた。

養成されたのは金属兵士。脳や神経を、金属の体につなげて、成長した最強の兵士。
クリシェは、彼らの訓練教官だ。

彼らがふざけあっていると、ガチャガチャとうるさい。しかし、それも慣れだ。

ある時、授業中に、質問を受けた。

「キスって何ですか?」
「無意味な質問だ」(しかし、どこから、その言葉を聴いた?)

「お前は、だれから、その言葉を聞いたのだ?」
「訓練装置からです。今までみた事のない線で出来た、あれは人間ですか?
   それから、愛について学んだのです」

「模擬戦闘中に、愛だと。きさま、ふざけているのか?」
「いや...訓練の一部だと思っていたのです」

調べてみると、訓練生の半分以上が、精神に影響を受けていた。
質問して来た訓練生は、宇宙空間に飛び出し死んでしまった。

何が、この事態を起こしているのか?

クリシェは、完全ガードされたはずの自分の部屋で、不審な者の動きを感じる。
それは、人間...だった、線で出来た。

その人間は言った。
「何なりと、御質問を」

「お前は何者だ」
「私は、あなたがたの教育係です」

「貴様が、訓練生に悪影響を与えている奴だな。お前をどうすれば破壊できる?質問に答えろ!」
「私を壊すことは不可能です」

「お前は嘘をついたり、真実を隠したりできるか」
「私には、その様な機能はありません」

「では、お前の動きを止めるには、どうしたら良い」
「私の動きを止めるには...」

それは、停止手順の説明をした。しかしクリシェには、全く理解できなかった。
次元が違い過ぎた。

野生のサルが、パソコンの使い方を聞かされているようだった。俺がサルだが。

この教育係が、訓練生の部屋へと現れる。
知識欲のある訓練生は、様々な事を尋ねる。しかし彼らと我々は、あまりに次元が異なるので、
その過程で何か大きな負荷がかかり、若い訓練生の精神に、異常が発生するのだ。

しかし、クリシェは、訓練生への影響を少なくするアイデアを思いついた。

クリシェが起きている間は、この者に自分が教育されるのだ。つまり独占する。
そうすれば、訓練生との接触時間は減り、影響は小さくなる。

クリシェの考えは当たり、訓練生へのダメ−ジは小さくなった。

クリシェは、この果て無き知識を持った教育係から、強力な兵器の、知識を手に入れようとする。

例えば、一瞬にして、宇宙のどこにでも重量物を運べる装置。
これに超大型爆弾を乗せ、相手の本拠地へ送るのだ。それこそが最強の兵器。

クリシェは実験を続ける。そして、全く原理は理解出来ないが、
空間を時間の経過なく、自由に移動させる装置を作る。

物を送り、また移動先から戻す事も可能だ。
また人間が乗る事も可能らしい。

「移動中は、どうなるのだ」
「移動中には、移動中の別時間がありますが、問題になる長さではありません」

クリシェは行き先を、外宇宙に決める。酸素のない空間でも耐えられる装備を施し、外宇宙へと跳んだ。

しかし、目的地には一向に着かない。
「一体、何時になったら着くのだ」
「一瞬です。時間は経過しません」

「そうではない。この移動物の体感時間は、どの程度なのだ?」
「あなた方の時間では1000年です」

「なに?問題ない時間だと、言ったではないか」
「ええ、何か問題がありますか?」

クリシェは、気がついた。自分が、全く次元の違う文化と対面している事に。
「即刻、中止しろ!」
「無時間の運動を中止する事は理論的に不可能です」

「では、私が1000年を私が生きるにはどうすれば良い。方法はあるか」
「私たちの様な存在になれば、可能です。情報だけの存在に。闘争心や競争、
   所有と言った人間として性質はなくなりますけど」

それも、仕方がないか

..............


どうして、外宇宙への動物実験しなかったのかなあ?

記:2011.05.28

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三分 小説 備忘録

  [どんな落ちだっけ?]




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