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ディオ-青心社
ディオ


壺の中の男 man in the Jar 訳:辻睦彦、栗栖麻紀 のあらすじ

メング星にあるホテルに、ヴェインは宿泊している、そのホテルは綺麗とは言えなかった。
ボーイが、注文の酒を持ってやって来た。

「君の名前は?」
「ジミーです」
「ジミー、手伝ってくれないかな。大きな壺を組立てたいんだ」

ヴェインはこの星で購入したバラバラの大きな壺を持っていた。
ジミーは、その壺片を当てがったが、なかなかうまく行かなかった。

「逆だ。自分が壺の中に入って、内側から作るんだ」
たしかに、その方法だと、すいすいと出来た。
そして、最後の片がはまった時、ボーイは中に閉じ込められた。

「お客様!出して下さい」
「今朝、このホテルについて、すぐに気が付いたんだ。君はマラック族だな」
「違います」

「この惑星の原住民、マラック族。私はこの惑星の事を良く調べたんだ。ここはかつて、重要な
   ダイヤモンドの出産地だった。しかし奇妙な事に、この星には、ダイヤモンド鉱山はない。
   そして、今は輸出していない。輸出が止まったのは、原住民マラックが絶滅した時と同じ。
   つまりダイヤモンドを作っていたのは、マラック達だ。
  違うかね???

   まあ、良い。ダイヤモンドを作ってくれ、そうしたら、そこから出してあげよう」

「私はマラックではありませんし、ダイヤモンドも作れません」
「では、作れるようにして上げよう。私は空気草を持っている。真空の地に生える草。
   空気と出会うと反応し、数百倍に膨れる。私は空気草を壺の中に落とす。
   そして、宇宙港へ行く。途中で、邪魔な壺は海に捨てて行く」

「私はマラックではありません。証明します。
   何かマラックには出来ない事を、ご存知ないでしょうか?」
「マラックは酒を飲むと死んでしまうと、言うが」

「じゃあ、酒を下さい」
ヴェインは壺の上から、酒を注ぎこんだ。

「うわあ、目に入った!。ちがいます!コップで下さい!」
ジミーは、コップの酒を一気にあおった。

「さあ、私は生きています。私はマラックではありません」
「なるほど、マラックが酒を飲むと死んでしまうと言うのは、ただの伝説だったのか」

ジミーはがっかりした。
「まてまて、もう一つあるぞ。マラックは肩より上に手を上げる事ができないと
   言われている。それなら証明になるぞ」
「もういいです」

「貴様を殺す方法は、空気草だけじゃないぞ。分子ナイフで切り刻む、って言う手もある。」
   ヴェインは全ての分子結合を解く、切れ味抜群の分子ナイフの抜き、ブーンと起動させた。

「どうだ。ダイヤモンドを作る気になったか?」
「わかりました。やってみます。机の上に、黒鉛を置いて下さい」

「どうですか?」
「?これの、どこがダイヤモンドなんだ?お前はそれでもマラックか!ちっともマラックらしくない。
   偉大なるマラックの神秘の力もなければ、不屈の精神も、闘争心もない。貴様はマラック失格だ!」

ヴェインは壺の中に空気草を入れようとした。しかし、壺の中で、怯えているジミーの目を見ると、
手が滑った。空気草はヴェインの体にまとわりつくと、一気に膨れた。

部屋中に膨れた空気草に、ヴェインは閉じ込められた。分子ナイフさえあれば、これを切り裂いて脱出できる。

ジミーは壺を中から揺すって、少しずつ向きを変えている。

じわじわと、分子ナイフに手を伸ばすヴェイン。
あと少しと言う所で、別の手が、分子ナイフを、かっさらった。

「マラックは肩より上に手を上げる事ができない、と言うのは迷信ですよ」


..............


いやあ、意表を突く展開で、最後まで一気なんですが

で、結局、マラックなの?どうなの?

記:2011.05.25

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三分 小説 備忘録

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