3 Minutes World 3Minute World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World

ディオ-青心社
ディオ


あの火星人をつかまえろ! Catch That Martian 訳:水穂 悠 の あらすじ

火星人の侵略が始まった。

始め被害者フランシスが襲われたのは、大好きな映画を見ている最中だった。
ポップコーンをごそごそ探していたフランシスは、ふいに消えた。

正確には、半分だけそこにいた。彼女は驚いて、床を踏み鳴らした。
しかし、何の音も立たなかった。脚はそこに存在していなかったのだ。
もっと正確には、別の次元に半分入り込んでしまった。

何故、火星人が、そんな事をするかって?
火星人の考えは、誰に判る?

どうして、火星人の仕業と判ったかって?
火星人以外に、誰がこんな事をする?

奴らが例の力で、こっちを睨んだだけで、俺達は異次元行きにされるんだ。判るだろ!

この異次元送りにされた、通称ゴーストには触れる事はできないし、
奴らが何やらしゃべっているのも聞き取れない。


そして、この9月6日に、ゴーストにされたのは18人。
奴らは町を闊歩した。

俺は警官だ。
この体を擦り抜ける不審者を報告した同僚は、昼から酒を飲むな!と注意されが、
やがてマスコミの知られるところとなり、大騒ぎになった。

このゴースト達、何を食べるでもなく、ただ、うろついている。
こちらの様子は見えるようだが、音は聞こえているのやら。

ゴーストはどんどん増え、家族がゴーストになった者からの懸賞金がでるようになった。

こりゃ。一儲けのチャンスだ。

俺は町へ出て、女性のゴーストに警察手帳を見せた。
「すいません。職務質問です。あなたのお名前と住所を教えて下さい」

ゴーストはバッグから手帳を出すと、さらさらと書いた。

ウォルター夫人。住所はニューヨーク州、スケネクタディ。
ミュージカルを見ていると...。


そして、俺は考えた。
一体、火星人自身はどこにいるのだ。そいつが一睨みして、人をゴーストに変える所を、捕まえれば...

待てよ、そうか、わかった。火星人がいそうな所が。

ここは、ニューヨーク。よそ者が行きそうな所は決まっている。
映画に、演劇。それもミュージカルだ。それに決まっている。

野郎、せっかく楽しく鑑賞している所を邪魔されると、そいつの背中をちょいと押すんだ。
それで、地球人は異次元行き。そうだ、判った。

俺は、ミュージカル映画を見に行った。ここには火星人は、いなそうだったのだが、
大好きなホーギー カーマイケルが出て来たんで、ちょっと長居した。

そして、ロジャーズ&ハマースタインのプレミア ショーに当りを付けた。
「もう席は売り切れです」

俺は警察手帳をかざして、入れて貰った。

観客を、見回す。どこかにゴーストにされそうな奴はいないか。それから、そいつを睨んでいる奴を。

俺は候補を三人絞って(一人はとびきりの美人だったから、だけど)じっと見張っていた。

その内、

「火事です!至急逃げて下さい!」
観客は出口に殺到する。こりゃ、ゴーストどころじゃない。

しかし、俺は警官、こんな時も落ち着いたもんだ。
人々の流れに巻き込まれては圧死してしまう。その逆を行くのだ。
舞台裏への道へ。

しかし、運悪く、電源コードを引っ掛けて、高台にあったバスドラムを頭からかぶってしまった。
会場に響く大音響。それが火星人の気をそこねたらしい。

俺の体は、半分透けている。何をする事もなく、ただ、ぼんやり、この町にいるだけだ。

俺はドースさんと話をした。
ドースさんは、"新入り"の世話をしてくれる好人物だ。
今日も二人紹介してくれた。

「火星人の奴らが、もっと徹底した奴なら、こっちの世界の人口がもっと増えるのにね」
「それも、時間の問題だろ」


..............


軽いバカ話です。ラファティみたい

記:2011.05.21


  3 Minutes World 3Minute World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World 3Minutes World

三分 小説 備忘録

  [どんな落ちだっけ?]




・ホーム
・海外SF1トップ
・インフォメーション
・掲示板
・お問い合わせ