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『小松左京フライバイガイド』
2003年8月号
−−−−−−−−−−−−−−−− 刊行 −−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆8月6日発売の『週刊文春』合併号に、登場。 ◆8月9日発売の『文藝春秋』9月号のアンケート欄に回答。 ◆8月中旬 共同通信 シリーズ「こころの森」原稿、「私の『戦争体験』とSF」A配信。 −−−−−−−−−−−−−− 講演・放送 −−−−−−−−−−−−−−−−− ◆8月11日から8月いっぱい 日本映画専門チャンネル 黒澤明監督についての思い出が毎日10分放送される。最初に観た映画は194 3年の「姿三四郎」。「羅生門」でビッグになる前の黒澤作品を見ていて、魅力 を感じていたのは、どのようなところだったのかを語っている。 −−−−−−−−−−−−−− 臥猪庵 hic −−−−−−−−−−−−−−−−− 平成15年(2003)葉月(8月)9日 ようやく梅雨が明けて、夏になったと思ったら、台風10号がやって来て、九州の水 俣はまた水の被害。出水という地名とか、水の被害にあうところは昔から決まって居 るんだね。宮城の地震に続いて、災害が多い。「地震・雷・火事・おやじ」とはよく いったものだ。 最近の親父が、あまり怖くなくなってしまったところは問題だが・・・。 東京で森下一仁に星さんの思い出を聞かれ、活字にできないことをたくさんしゃべっ たが、面白いギャグは、場面と死にそうに面白かったことは覚えていても、肝心のギ ャグそのものを覚えていない、ということで、なんにもならない。「牛の首」の星版 だ。星さんの天才ぶりは、そのようにしてしか伝えるすべがないものだろうか。 東京から大阪に帰った8日は、台風が襲来していたが、幸い乗り物から降りたときに は雨が降っていなかったので助かった。今月の2金会は難波の「ワッハ上方」に上方 舞と語りを聞きに行き、私はテレビ大阪の人と抜け出して、「錦」で一杯飲みながら 民間放送で最初に放送されたCMソングについて調べてほしいと頼んだ。終わったあ とは、幸い雨も上がり、近くのビアホール「ミュンヘン南大使館」で納涼会。石毛さ んの息子さんや共同通信の人やらと、賑やかに過ごしてご機嫌で帰還。 平成15年(2003)はづき(8月)12日 第4回「小松左京賞」の最終選考に残った原稿を、読んでいる。春樹事務所から宅急 便で届いた原稿の束を見たときには、また鬱病になりそうになったが、読みはじめて みれば、おもしろくて、結構読んでしまう。今月末には、結論を出すことになる。 平成15年(2003)はづき(8月)30日 昨日、「小松左京賞」の最終選考会で、上田早夕里さんの「火星ダーク・バラード」 を受賞作に決めた。 久しぶりに読み終わったあと感動し、もう一度読み直したい、と思う作品だった。 38歳、主婦だという。これだけのデータをきちんと調べて、説得力を持って描き、 キャラクターも魅力的に描けている。その辺の秘密を、今度受賞者インタビューで聞 いてみたい。火星大接近の年に、火星をテーマにした小説を受賞作にできたのも、何 かの縁を感じる。火星のダーク・バラードを聴いてみたい。誰か作曲してくれないか?