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『小松左京フライバイガイド』 2003年7月号


−−−−−−−−−−−−−−−− 刊行 −−−−−−−−−−−−−−−−−−

◆7月6日発売号『ダ・ヴィンチ』
  与那国島「海底遺跡」についてのインタビュー掲載。

◆7月9日 講談社コミックスKPCシリーズ『日本沈没』4発売。

◆7月10日発売『文藝春秋』8月号
  インタビュー掲載。

◆7月23日 講談社コミックスKPCシリーズ『日本沈没』5発売。

◆7月28日 『小松左京マガジン』第11巻発刊。
    編集長インタヴューはあこがれの萩尾望都さま。


−−−−−−−−−−−−−− 講演・放送 −−−−−−−−−−−−−−−−−

◆7月29日、30日                         明治座
  再開場10周年記念「伝統芸能の若き獅子たちU―宇宙の音色とともに―」
  狂言「狐と宇宙人」が茂山宗彦・茂山逸平によって演じられる。
  詳細は明治座へ


−−−−−−−−−−−−−− 臥猪庵 hic −−−−−−−−−−−−−−−−−

平成15年(2003)ふみづき(7月)12日

7月のフロンティア3000研究会で、兵庫県立「人と自然の博物館」副館長の中瀬
勲さんにお話しいただいた。
OHPとビデオテープで活発な活動の一部を紹介してくれたが、各地の子供や住民と
一緒にその土地の環境や自然、動物の生態などを調べてその結果を一緒に検証するこ
とによって、いままで知られていなかった地元の川の詳細な生態系がわかったりする。
それはあらかじめ予測できることではなく、研究者にとっても新しい発見だったりす
る。博物館の組織が、「学芸員」ではなく、「研究員」なので、「収蔵品の管理」が
主体ではなく、人と自然に関すること何でも「調べる」楽しさを実感させてくれる人
たちが、たくさん居るところらしい。三田(さんだ)といって、兵庫県では新しいベッドタウン開発されているところだが、だからこそ、新参者の人間が自然に「ごめん
やっしゃ」といいながら、住まわせてもらう「相手」をよく知る必要性を感ずるとこ
ろなのだろう。
「ひとキャラバン」といって、どんどん日本各地に出かけていって活動しているよう
だが、わたしも是非一度、博物館に足を運び「裏方」をのぞきに行きたいと思ってい
る。


平成15年(2003)文月(7月)15日

昨日はパリー祭。1789年、いまから214年前のこの日、バスチーユ監獄を襲撃
してフランス革命が始まった。ルイ16世はじめマリー・アントワネットなど多くの
血がギロチン台に流れ、今日のフランスがあることを、多くのフランス人はこの日に
思い起こすことだろう。美しいシャンソンも、それらの歴史をふまえているので、意
味も深まり愛着も強くなるのだろう。
日本人にとっての「その日」というのは、いつになるのだろうか。「8月15日」で
は、あまりにも悲しい。それよりも「明治維新」こそが日本にとっての「革命」だっ
たと思うのだが、如何だろう。それを記念する日にちを我々は、まだ持っていない。


平成15年(2003)文月(7月)23日

今日は暦の上では「大暑」だが、大阪も東京も涼しくて、私は家で長袖のパジャマを
着ている。地球規模の異常気象らしい。

先週、19日と20日、那須塩原で行われたSF大会に行って来た。第42回目だそ
うだ。豊田(有恒)くんとチャコちゃんが赤いCHARIOで連れて行ってくれた。田中の
光(二)ちゃんとは現地で待ち合わせ、夜は三人で「SFボケボケ放談」をして、S
Fファンを煙に巻いた。900人も来ていたそうで、ホテルニュー塩原の大宴会場は
立食形式でオープニングセレモニーをやったが、ぎゅう詰め状態だった。こんなにた
くさんのSFファンがいたのかと、びっくりした。ありがたいことだ。
「特別室」と銘打った我々の部屋に、生意気のタケ(高千穂遙)やバンちゃん(一本
木蛮)、コマケンなどを呼び込んでよくしゃべり、よく飲んだ。どうも、明け方トイ
レの前で転んだらしいが、よく覚えていない。脇っ腹が痛いのはそのせいのようだ。
いつものように、オニ秘書におこられ、それでも擦り傷には絆創膏、脇っ腹には湿布
薬を貼ってくれた。いや、世話をかけます。悪いネ。でも、楽しかったよ。

21日は、「海の日」とかで休み。都心もさすがに車の音もなく静かで、「日本映画
専門チャンネル」で放送する黒澤明の映画についての思い出を事務所で収録した。
8月に毎日10分ずつ放送するらしい。私は「素晴らしき日曜日」で感激し、「野良
犬」でスゴイと思い、「羅生門」は4回か5回観に行った。しかし、当時の京大映画
部の連中からは、「権力の手先を英雄視するやつは、けしからん」といわれたものだ。
でも、黒澤明の映画は、その当時から子供も大衆も引きつける力を持っていた。それ
は、黒澤監督の、市井の人々の何気ない日常からその裏に潜む人間関係や感情を読み
とる観察眼の鋭さ、そこから読みとる洞察力、そしてそれらを効果的に構成する才能
によるものだと思う。わたしは、「赤ひげ」までしか観ていないが、絶妙な音楽の使
い方も相まって、白黒の映像から、豊かな色彩を感じさせてくれる、すごい監督だっ
たと思っている。

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