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『小松左京フライバイガイド』 2000年7月号


−−−−−−−−−−−−−−− 刊行予定 −−−−−−−−−−−−−−−−−

◆7月20日
 文藝春秋のWeb書店がオープン。
 文庫収録作品がweb上で買えます。
 まず『アメリカの壁』(収録作品・「アメリカの壁」「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」
 「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」)を提供。

−−−−−−−−−−−−−− 講演・放送 −−−−−−−−−−−−−−−−−

◆7月3日                      東京ステーションホテル
 およそ20年ぶりに活動再開した山尾悠子さんの全作品を集めた
 『山尾悠子作品集成』の刊行祝賀会に出席。

◆7月4日                             東京會舘
 文春漫画賞をしりあがり寿さんが受賞したので、受賞パーティに行く。

◆7月27日                       大津プリンスホテル
 大阪植物生産者取引協議会の20周年記念講演会で「花と人、花といのち」と
 いう題で講演。

◆7月29・30・31             銀座みゆき館03-3572-6791
 「さらば幽霊」が北川智絵さんによって口演される。
 「話芸写・語りLive 2000」
  問い合わせ先「話芸写」tel:044-711-8032 e-mail:wageisha@din.or.jp

−−−−−−−−−−−−−− 臥猪庵 hic −−−−−−−−−−−−−−−−−

 平成12年ふみづき(七月)

先月の末に「恐竜文化賞」の最終選考会のために、勝山に行って来た。正直に言うと、
あまり気がすすまかなった。なぜなら、すごい数の作品を見なければならないからだ。
絵本は197作、全部をその場で見て選考していく。絵めーるは、4501作品から
残った61作品を見て、大賞と優秀賞を決める。童話は、1048作品から最終に残
った32篇から、大賞、優秀賞、入賞を決める。しかし、ヒサクニヒコさんをはじめ、
選考委員の方たちは、5年前と同じで、皆気持ちのいい方たちなので、彼らに「あい
たい」という一心で勝山に赴いた。
 結局、選考会はとてもしんどかったが、楽しいひとときを過ごすことができ、幸せ
な気分で「スーパー雷鳥」に乗って帰ってきた。
「恐竜」が、もはや「キリン」や「象」などと同じように、私たちの感覚の中に入っ
てきて、私たちの「心」を表現する「文化」として定着してきたような気がする。


 平成12年ふみづき(七月)十二日

ミス日本第一号、絶世の美女、山本富士子サマとお会いしましたぞ!
「Yomiuri Weekly」で連載している『威風堂々うかれ昭和史』のための対談である。
前日から興奮してよく眠れず、昼食を食べることもできず、ネクタイをまっすぐにむ
すんで、ニューオータニに向かう。同年、といっても山本さんは12月生なので11
ヶ月若いのであるが、とてもそうは見えぬ、ずっとずっとお若く、麗しく、華やかで、
かつしとやかな美しい方であった。
事務所に帰って、幸せな思いでいっぱいであったが、ソファに座ると同時に、がっく
りと疲れがでた。よほど緊張していたらしい。つい軽口をいって失礼なことを言わな
いか、と自らを押さえるのに、疲れたのではないかと分析する。「そのくらいの緊張
感をたまにはお持ちになった方が、よろしいですわよ」、と伸びきったゴムのような
私の日常に対する嫌みのように、鬼秘書はのたもうた。 


 平成12年ふみづき(7月)下旬

書斎で転び、右脇腹を打つ。あまりの痛さに自力で起きあがれず、女房を呼ぶが、日
頃のもっともらしい大声の寝言でまどわされているので、なかなか来てくれぬ。「狼
少年」と同じ。ああ情けなや、と思うているうちにようやっと女房気づき、「アラ大
変」と助けおこそうとしてくれるが、力の入らぬ身体は意外に重く持ち上がらぬ。し
ばし床の上にて横になりながら、転んだおりに擦りむいた傷の消毒に悲鳴を上げ、湿
布薬を貼ってもらって一息つく。それでも、浮き世の義理は果たさねばならず、ほと
ほと生きているのがイヤになった、と口走ると、鬼秘書すかさず「そう簡単に死ねる
ものではありません。根がお丈夫なのですから。」とほざく。よほど前世で悪いこと
をしたのか、業が深いなぁ。トホホ・・・。

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