〜エル出産記〜

あーんど、オマケのコラム
「手作りの短肌着」&
「逆子による予定帝王切開決定のプレママさんへ(まだ途中ですが)」

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...... 2003年 8月 08日 の日記 ......
■[ NO. 132 ]
逆子定着、帝王切開決定。  
逆子が治らないので、骨盤のレントゲンなどいろいろ検査をして、主治医と話し合った結果、帝王切開で出産することにしました。もちろん下から普通に産みたいという気持ちはやまやまですが、逆子の出産は緊急帝王切開ができないということで、危険率を下げるために、最初から予定帝王切開にすることにしました(逆子の場合3桁くらい下がるそうです)。
帝王切開って…つまるところ
切腹<(c)T嬢@マイ心の育児師匠
ってことですよね。はっきり言ってかなりびびってます。かなり小心者の私です。
帝王切開の恐怖についていろいろと分析したのですが(手術の後ね。手術の前には何をしゃべっても唇寒しって感じで泣きそうでした)、一番大きいのは
身体を切るということに対する本能的な恐怖
じゃないかと思うのです。
しかし、突然覚悟もなくケガするのとは違って、前もって心の準備ができる点が、いいような、わるいような、という気持ち。うーん。


赤ちゃんエッセイに応募しようと思って書いた文章です。もちろん予選落ちでしたが(^-^;

手作りの短肌着」 2003年8月9日 (c)いづみ

 赤ちゃんの物を手作りしよう」と思ったのは、つわりもようやくおさまった妊娠6ヶ月頃のことです。それまでは気分が悪く、自分のことで精一杯だったのですが、少し体力に余裕が出てくると同時に、おなかの赤ちゃんのことがとても気になり始めました。「またこの前のように流産してしまうのではないか?」という不安が、いつでも頭の隅から消えません。そんな中で「何でもいいからとにかく赤ちゃんのためになることをしたい」と祈るような気持ちで、赤ちゃんのための手作りの本を買いました。本の中のコメントはまるで「赤ちゃん誕生を待ち望む心静かで幸せいっぱいのママ」という感じでしたが、私の正直な気持ちは「この不安を少しでも消し去りたい」というようなものでした。
 夏生まれの赤ちゃんの必需品は短肌着と知り、簡単な作り方が載っていたので、手元にあったさらしで試しに作ってみることにしました。手縫いで一針一針縫っていくのですが、縫う所はほんの少ししかなくて、「赤ちゃんてこんなに小さいのか…」と驚きました。3日ほどで出来上がった短肌着は、縫い目は少し曲がっていましたが、まあまあ着ることくらいはできそうでした。そして、素材といい形といい、まるでミニチュアの柔道着にそっくりだということに気がついた時、心の底から笑いました。そして「無事に育って生まれてくるかどうか不安だ」という気持ちが「赤ちゃんがこれを着た姿を見てみたい」という、いたずらっぽい愉快な気持ちに変化したことに気づきました。
 白いさらしで何枚か「ミニ柔道着」を作った後に、こんどは和風のモダンな柄で作ってみたいと思い、手ぬぐいを買いに主人と一緒に出かけました。彼が気に入ったのは、赤い張り子の犬柄のものでした。「かわいいねぇ…」と手にとっていたので、それも買ってきて早速短肌着に縫いあげました。思いのほか上手にできたので居間につるしておいたら、彼がその近くまで行って触りながら、にこにこと目を細めているのです。「こんなに小さいの着られるのかな?」「きっと最初はだぶだぶで、手も足もちょっとしか出ないと思うよ。」「そうか、楽しみだなぁ。」と本当にうれしそうでした。
 その後は特に不安なことも無く、赤ちゃんも順調に育ち、のんびりと過ごしていたのですが、9ヶ月に入っても逆子が直りませんでした。不安であせりがちになる私に、主人はいつも「母子ともに健康なんだから、それが何よりだよ。」と励ましてくれました。そしていろいろな情報で混乱しそうな私にこう言ってくれました。「とりあえず、このまま逆子の確率が8割、そして帝王切開になる確率が6割って思ったらどうかな?」全くの素人考えで根拠の無い確率ですが、その言葉を聞いてなぜかホッとしました。何よりまず、私の不安な気持ちを受け入れてくれたこと、そしてその上で彼なりに状況を整理してくれたのがうれしくて、すっと胸が軽くなりました。落ち着いてから改めて考えてみるうちに、帝王切開かどうかというよりも、赤ちゃんを安全にこの世に生み出すことが大事なんだと改めて確認しました。ただ私自身が出産に対して持っていたイメージと少し違うから不安なんだな、ということに気づいたら、「赤ちゃんにとって一番安全な方法を選ぼう」と心が決まりました。
 いろいろな検査の結果、予定帝王切開で出産することが決まりました。もちろん不安もありますが、夫婦で一緒に、納得のいくよい選択ができたと思って満足しています。何よりあの短肌着を着る赤ちゃんにもうすぐ会えるのかと思うと、心がワクワクして勇気が出ます。こんどよく晴れた日に、今まで作った肌着を全部洗って、ずらっと並べて干そうと思います。その光景を見ることが、主人も私も今からとても楽しみです。犬柄の肌着は、安産にあやかるお守りとして、入院中も持っていき、部屋につるしておこうと思っています。



で、これがその記念すべき第一作目の短肌着(と、よだれかけ)。
犬柄のやつは画像が見つからなかった…ゴメン。

...... 2003年 8月 14日 の日記 ......
■[ NO. 129 ]
前日入院。  
病院に慣れておくという意味だと思うんだけど、夜眠れなくってつらかったです(ρ_;)
私の選んだ病院はとにかく食事がおいしくて(病院の中に厨房があって、フランスでも修行したというシェフが作っているらしいです。和洋中どれもハズレなしの味)ボリュームもほどほどに多めで満足度高し。しかも3時のおやつも出るのです。この日は栗入りのガトーショコラでした。妊娠中に控えていたケーキはあまりにもおいしくて涙が出そうになったことはナイショです(マジ)。しかし一方で後戻りできない何かがじわじわと近づいている感じもして複雑な気持ちでした。私の本能が「これは罠だ…」と訴えているのよね。まぁハラキリの覚悟を決めることですな。


...... 2003年 8月 15日 の日記 ......
■[ NO. 121 ]
無事出産。  
逆子による帝王切開で、13時37分、2494グラムの女の子を出産しました!すぐに自分で産声もあげ、とっても元気です。まず「無事に生まれてきてくれて本当によかった…」というのが実感です。お腹の中にいるときはわたしが守ってあげなくちゃいけなかったけれど、これからは「誰かが面倒みてくれるだろ〜」と気楽にいきたいと思います。


...... 2003年 8月 16日 の日記 ......
■[ NO. 130 ]
切腹出産、その後。  
後腹というのか、傷の痛みなのかわからないけれど、手術の麻酔が切れた頃から生理痛の親玉のようなズドーンとした痛みが…(T▽T)けれど覚悟を決めて「そりゃー腹切ったんだから痛いわなー」と呑気に(?)構えていたのですが、さすがに、麻酔の効く8時間(<と自分で勝手に決めた)を2時間オーバーしたあたりで、冷や汗は出るわ、体はこわばって動かないわ、痛くて気を失いそうになるってこういうこと…?って思ったので、すかさずナースコールして痛み止めの筋肉注射を打ってもらいました。これがまた爆発的に効くんだなー(筋肉注射自体はめっちゃ痛いです)。注射の効き目の4時間(<と、これもまた自分で勝手に決めた)を1時間オーバーしたあたりでさらに筋肉注射追加。このときはずいぶん要領を得て、注射してもらってすぐにうとうとと少し眠りました。しかしそれは正直眠れたもんじゃないっス。例えていうならば、ゆらゆら揺れる釣り舟(定員二人)の船底に二人して丸まってあなたは眠れますか?…眠れないよね、普通、そんな感じ。しかし始まったばかりのハハ業はサバイバルだ!がんばれうずら!と腹をくくった私は「これは通過儀礼なのだ」と言い聞かせ、無理やり寝ました。いつ・どこで・どんな状況でも眠れるというのはサバイバルの基本に違いない。ちなみにどんな状況でも「食べる」「出す(って快便系ね)」のペースを失わないことも大事だと思うのでありました。
幸い、朝起きたら「つらいけど耐えられないと言うほどではない生理痛」になっていて、バファリン飲みたいなーと思いつつ朝ごはん(完全流動食)を流し込みました。飲み終わって30分くらいすると大量のガスが放出され(腸が動くの早すぎ)「勝った…( ̄ー ̄)(<って何に?)」と思ったのでした。長年の乳酸菌大量投与(@ビオフェルミンS)&腸内培養が非常に役に立ったようです。


...... 2003年 8月 17日 の日記 ......
■[ NO. 131 ]
クララが立った!  
この日の午前中も点滴祭り。午後点滴も一段落した所で、「じゃー歩いてみようか」と言われ、ベッドサイドの柵につかまり、ゆっくり立ち上がってみました。
しかし、ここでいくつかのポイントが。
1.腹を真横に切ったので、腹筋はほぼ全滅。
2.ほとんど2日間も寝たきりなので、全身にわけのわからない筋肉痛やこりがあり、しかも全身の筋肉自体がなえ気味。
そんな時にどうやって立つのか?
ポイントは
ももの前の筋肉、および上腕の筋肉
です。
ヒンズースクワットで使う筋力と、床に置いてある3泊旅行用のボストンバッグを持ち上げる筋力って感じです。
その二つにゆっくり力をいれ、そろそろと少しずつ立ち上がったら、なんとか、立てました。その瞬間自分に
「クララが立った!」
とツッコミを入れて笑いそうになっていたことはちょっとナイショです(看護婦さんがいなかったら笑ってたかも)。そのまま、すり足のペンギン歩きで病室を移動しました(ナースステーションのすぐ近くの部屋から1階上の部屋へ。もちろんエレベーター使用です)。さすがに新しい部屋に無事着いたときは、疲労と安堵でぐったりとして、冷や汗が出てきました。が、30分くらい寝て夕飯を食べたら治りました(笑)。

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「逆子による予定帝王切開決定のプレママさんへ」

上の日記にも書いたとおり、帝王切開が決定してからというもの、
毎日がガタガタブルブルでした(あー小心者なワタシ(^-^;)。
入院中の点滴祭りの時に書き留めたメモ(を元にしたコメント)を
ここにアップします。何かの参考になれば幸いです。

*おねがい*
あくまでも個人的な経験と情報収集に基づくものですので、
「参考程度」にして下さいね。
特に医療に関することは個人差が大きいので…
分からないことや不安なことは必ず主治医に相談してください。



帝王切開の前に怖かったこと

・皮膚を切ることに対する本能的恐怖
実はナイショなんですがリストカットというものを経験していて(恥ずっ。でも事実だし。)
今さら何をって思うんですが、でも怖かった。ホントはピアスの穴も空けられない小心者なんで。
でもまぁ、身体は元に戻ります。個人差はありますが、私の場合は
1ヶ月後にはフツーにエルを抱えて歩いてました。
1.5ヵ月後には、全く気がねなく寝返りも伸びもできました。
2ヶ月後には腹筋ができるかも?と思いやってみました。全くフツーにできたときはうれしかったなぁ。

・「傷あと」を見る怖さ
傷自体はだんだん目立たなくなりますが…自分だけでなく、
だんなさんにも見られるのがはずかしいなーと思ったなりよ。あぁ乙女心(笑)
しかしとりあえず「妊娠線の親玉みたいなもんさ」と思い、また
「ハハの勲章」として愛でることにしました。
赤ちゃんのお世話になれてくる頃に、この傷も自分のものとして
すんなり受け入れられるようになりますよ。
将来エルに「私はどこから生まれてきたの?」と聞かれたら胸を張って
「ここからよ!」と答えようと思ってます(笑)

・手術自体が痛いのでは?どのくらい感覚があるのか?
正味な話、手術は全然痛くないです。下半身は完全麻酔で、切ってる感じとかは
全然分かりません。赤ちゃんを引っ張るポコンという感じは遠くでかすかにします。
あと、全身麻酔もお酒に酔って気持ちいい〜
ってレベルで効いてるんで「なるようになれ〜」とその時は楽勝です。
ただ、痛み止めが切れてくるとそりゃ確かに痛いですが、まぁ、赤ちゃんが
無事に生まれたからいいや〜と思えばあきらめ?もつくし、
痛み止め追加の注射(短時間ですがめっちゃ効きます)もあります。
ちなみに、マジで痛いのは一晩でした(私の場合)。傷の痛みよりもむしろ
子宮が戻る痛みのほうが大きいような気が(時折追加される小さな点滴に注意だ)。


帝王切開と自然分娩…お産には変わりない!

帝王切開は立派なお産です。しかし「手術」でもあります。
つまり、自然分娩とは「別の種類のお産」なのです。
考えてみれば、お産は全て、私だけの、今回だけのもの。
何がいいとか悪いとか、何が普通で何が普通じゃないということを考えてもしょうがない。
ただ、与えられた状況の中で、自分でできることをできる範囲でやり、
何より自分で納得することが大事かと思います。
そのへん、気持ちを切り替えて、「なるようになるさ〜」と前向きにいきましょう。


以下ぼちぼちと準備中ですm(_ _)m

・出産直後はまず自分のことを、次に赤ちゃんのことを。
・入院時に便利だったものリスト
・普通分娩のママとの会話
・だんなさんとの意思疎通
もげじさんのページを見てね♪ってリンク貼っちゃってもいいかしら?