インターネットという薬
ver.02.08.30
[ 利用内容 ] [ Q&A ] [ まとめ ]
インターネットを利用することが、うつ病のつらい時期を乗り越えるための
手助けとなる場合があります。
ここでは、私自身の闘病生活の中で気づいた、インターネットとの
かかわり方について、長所、短所、注意すべき点などを紹介します。
主な利用内容
治療の経過順に、インターネットでよく利用した機能と注意すべき点を挙げました。
Q&A
インターネット利用で問題が起きそうな項目ごとに、私の感じたことを
まとめてみました。
まとめ
インターネット利用全般についての感想です。短いです。
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主な利用内容
・うつ病の初期では、主に検索や情報集めのために利用しました。
【長所】短い診察時間内ではわからないことを知ることができます。
最近は専門的なページも増えています。特にお薬の効き目や副作用などの、
情報収集に重宝しました。
【短所】不要な情報まで知ってしまい、不安になる場合がある。
判断力が低下していると、なんでも自分に当てはめて考えてしまいがちです。
情報は常に参考程度にとどめておくのがいいと思います。
・うつ病の中期では、主にホームページ作成や、他のうつ病の患者さんとの
交流のために利用しました。
【長所】孤独感やつらさが緩和される。
最初は掲示板、そしてチャットによくお世話になりました。孤独だったり、
つらくてどうしようもない時に、他人とかかわることで、気分がまぎれる場合があります。
【短所】人間関係のもめごとに巻き込まれる。
ネットでの交流も、ひとつの社会です。時間がたてば、いろんな人間関係がでてきます。
場合によっては、必要以上にかかわらないように注意したほうがよいこともあります。
・うつ病の後期では、社会復帰のための入り口として利用しました。
【長所】自分のペースで参加できる
近況報告を書くことで、自分を見つめる機会にしたり、
直接連絡をとったりすることの代わりなどにしていました。
【短所】実社会ではない。
あくまでも仮想の社会であって、実際の自分の生活とは切り離されています。
本当の社会復帰のためには、まだ越えなければいけないハードルがたくさんあります。
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Q&A
私は、ネット依存?
まず、惰性でつないでいると感じたら、すぐに接続を切るようにしましょう。
(パソコンの電源ごと。)また、自分に必要だと感じている時は
無理にがまんしないほうがいいようです。
ただ、常に自分なりの判断と節度は持つようにしましょう。
私はだんなさんに、以下のように説明していたと思います。
「同じ病気と闘っている仲間がいると思うと安心する。」
「不満やぐちを言っているのではない。情報交換をしている。」
「みんなでお互いの生存を確認し合っているんだよ(笑)」
妻(もしくは家族)は、ネット依存?
まず、一番大きな興味や関心についてたずねてみましょう。
恐らく、自分の病気のこと、それを治すこと、だと思います。
インターネットの世界そのものが、興味や関心の中心となっていなければ
それは治療のための手段のうちの一つでしかありません。
インターネットは、つらい時や悲しいときに気分を紛らわしてくれることも
ありますが、それにはもちろん限界があります。
側にいてくれる人が、一番の心の支えになっていることは間違いありません。
むやみに制限したりするのではなくて、生活のペースの中に
上手に取り入れていくために、一緒に考えてあげてください。
つなぎっぱなしの時期と、全くつながない時期がある。
あらかじめその旨を伝えておけばいいでしょう。
(うつ病の人同士なら想像もつくと思いますが…一応。)
メイルの返信、掲示板のレス、ページの更新などが遅れることがあると
伝えるようにすれば、お互いの負担が軽くなると思います。
もし余裕があれば、調子が悪いときなど、よく参加する場所に
一言書いておくとよいかもしれません(が、くれぐれも無理をすることは
ありませんよ!)。あくまでもマイペースで、上手に参加しましょう。
また、うつ病の人には、活動のエネルギーに波があることを知っておいてください。
不快なサイトがある。
不快に感じたら、そこは見ないようにする「勇気」が必要です。
ネット上で感情をむき出しにしてケンカしても、何も得るものはありません。
文字だけで見知らぬ相手の考えていることを必要十分に察するということは
想像するよりもかなり難しいことです。その限界をよく考えてみて下さい。
自分のサイトの管理について。
無理のない範囲で行いましょう。それが原因で調子を崩してはたいへんですから。
不快な書き込みは、よく考えたうえで、遠慮なく削除しましょう。
たぶん、管理人さんだけでなく、そのページを訪れる他の人も不快に
感じていると思いますので。その後のフォローも含めて、冷静に対処しましょう。
匿名性について、注意するべき点。
基本的には人間関係のしがらみがないので、損得抜きで相談できます。
ただ、個人が特定されないように注意することも必要です。
(信頼できない人には、電話番号や本名などを安易に教えない、など。)
匿名性を悪用して、人を傷つける人間がいるということも事実です。
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まとめ
インターネットは、さまざまな可能性を秘めています。
上手に使うために一番大切なことは「情報を選ぶ」ことだと思います。
自分にとって大切な内容や場所を見つけて、上手につきあいましょう。
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