1999年10月7日 決算特別委員会質疑<保健福祉委員会所管>特養ホームでの精神薬投与問題


○石塚 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆木下 委員 北沢特養ホームで、そこに入園されている方の家族から聞いた話なのですけれども、何か多動症ということで薬を投与されてしまった。それが家族との相談なしにやられてしまったという事案があったんですけれども、その件についてちょっとご報告していただけますか。

◎須田 施設サービス課長 上北沢ホームかと思うのですけれども、上北沢ホームはことし五月にオープンをいたしまして、五月から七月までの間に順次入所者をお受けしております。お話の方につきましては、五月に上北沢の方にお入りになられたわけなんですけれども、それ以前は病院に入院されていらっしゃって、移ってこられた方でございます。どの方もそうなのですけれども、新しい施設にお入りになると、どうしてもそこの環境になれるまでにちょっと時間がかかるというようなことがございまして、その方につきましても、なれない場所でちょっと戸惑われたというようなことで、そういった行動が、あちこち歩くというような状態になったということかと思います。
 特養ホームにも医師を配置しておりますので、職員と医師とで相談をしまして、ご家族の方にもお話はさせていただいた上で安定剤を処方したところなんですけれども、ご家族の方と施設側とでそのコミュニケーションがちょっと行き違いがあったというようなところもございまして、お話のようなクレームが出ていたという状況でございます。
 ただ、現在はきちんとご家族の方にもご説明してご理解をいただいている状況でございます。

◆木下 委員 いずれにしても、ご老人がそこに入った場合に、その人に対する対応について、必ずしも家族の方が把握できないということがあると思うんですね。特に精神安定剤とかそういうものに関しては、それを投与してしまえば非常に静かになって管理しやすいということにもなってしまいがちですので、その辺については家族とのヒューマンリレーションをきちっととるように、ほかのところでもあると思いますので、今後対応をぜひやっていただきたい。それは要望として申し上げておきます。
 それから、次の課題に入ります。
 動物病院に世田谷区指定動物病院という看板が掲げられていたというのが去年朝日新聞で報道されて、そのことによって表の看板は外されたらしいのですけれども、聞いてみますと、内側にまだその看板があるというんですね。世田谷区指定動物病院なる呼称がありますが、世田谷区はこういう指定動物病院なんて決めたことがあるんですか。

◎田中 世田谷保健所副所長 ただいまのお話の指定動物病院という名前につきましては、指定という形での一定の基準はございませんで、ただ、狂犬病予防注射の集合会場、あるいは飼い猫の避妊去勢事業、そういうものをやる病院であるという意味での表示をしたということは事実でございます。

◆木下 委員 獣医療法によりますと広告が禁止されていまして、それに基づいて外での看板は不当であろうと。それは認めた上で、内側だったらいいだろうということでやっちゃっているらしいんです。しかし、よくよく獣医療法等も読んでみますと、広告について書いてあるんですけれども、そもそも世田谷区指定動物病院なるものはないわけですから、ある意味で虚偽の記載なんですね。しかも十七万五千円も区がお金を出してつくってあげているんです。つまり、世田谷区がかんでいる以上、そんな虚偽の表示については撤回させる必要があるんじゃないですか。

◎田中 世田谷保健所副所長 先ほども申し上げましたとおり、指定動物病院というのは、事業をそこの会場でやっているということでの言葉ということで、改めて指定ということではやっておりません。事業を四つほどうちの方は獣医師会に委託をしておりますので、そのことを含めて表示したということでございます。
 もう一つは、狂犬病予防注射等の委託をする際に、どこの動物病院でやっているかということが区民の方にわかるように、そういう表示のプレートをつくったということでございます。

◆木下 委員 どこでやっているかわかるようにという表示をやっている、広告ですよね、それ自体が禁止されているわけです。しかも世田谷区のすべての動物病院が獣医師会に入っているわけではない。半分ぐらいの組織率ですよね。そういうことで、あえて世田谷区指定動物病院という看板を掲げることによって一つの差別化を図っているわけです。これをつくったのは、原稿を持ってきたのは獣医師会ですよ。お金を出したのは世田谷区ですよね。こんなことをやってはいけないと思うんです。
 少なくとも世田谷区指定動物病院なるものがない以上、そういう表示をしたら、これは世間一般で言う誇大広告ですよ。だから、撤回を指示すべきなのに、何でまだ室内に張ってあるんですか。撤回を指示しませんか。

◎田中 世田谷保健所副所長 今の獣医療法十七条は広告の制限ということになっています。その広告の制限の中に今回のこれが入るかどうかというのは、解釈としてそれはふわしくない。広告に当たるのではないかということで区としては撤去するということで、外の不特定多数の人が見えるような場所で広告としての価値が出てきてしまうのはいけないということで撤去をする。施設内については特に言っておりませんので、それについては特にそれ以上のことは言わないということでやっております。

◆木下 委員 大体、世田谷区指定動物病院なる制度がないんですよ。ところが、指定動物病院と書いてあって、事業が幾つか書いてあるわけね。つまり、区が関与していなかったら、それは都の管轄ですと逃げることができますよ。しかし、区がお金まで出してつくってしまったわけです、こういったものをね。そうしたら回収するのが当たり前じゃないですか、こんなものは。そうでしょう、そう思いませんか。

◎田中 世田谷保健所副所長 先ほどお話ししましたように、不特定多数の者の見えるところへ置いて広告の効果が出てきてはいけない、こういうことですので、施設内に置いてあることにつきましては、東京都側の見解も、改めて違法であるというふうには言っておりません。

◆木下 委員 違法であるとかいう以前に、つまり、世田谷区動物指定病院なるものはないわけですよね。その表示をしたら、誇大広告としてとらえられるのは当たり前じゃないですか。しかも、それは本来だったら獣医師会が金を出すべき話ですよ。それを区が十七万五千円といえども補助をしてつくっているんですよ。しかも組織率は半分ぐらいしかないわけだ。そうしたら、特定のところに非常に便宜を図って、区が勝手にお金をつけているということにしかならないじゃないですか。すぐ回収するように手配しなさいよ。いかがですか。

◎田中 世田谷保健所副所長 長い期間、獣医師会との委託契約等の関係がありまして、区民の人にそれがわかるような表示ということでやっておりまして、今後そういうことの……。

○石塚 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。
 ここでしばらく休憩いたします。
    午後零時八分休憩


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    午後零時五十五分開議