平成9年第1回定例会(自3月3日 至3月28日)

世田谷区議会議録

1997年3月4日 一般質問 岩崎邸、小田急問題NTT資金


○(真鍋欣之議長) 一般質問を続けます。

 三十七番木下泰之議員。

   〔三十七番木下泰之議員登壇〕

◆三十七番(木下泰之議員) 通告に基づき一般質問を行います。

 本日は、世にも不思議な座布団の話からいたします。小田急線連続立体化事業の問題です。

 小田急線の喜多見−梅ケ丘間の連続立体交差事業は、第三セクターである東京鉄道立体整備株式会社を設立し、NTT−A資金を導入して行われていることは、区の担当職員はもちろん、三期以上在籍されている先輩議員の皆さんはご承知のことと存じます。一九九〇年八月設立の東京鉄道立体整備株式会社に世田谷区が出資するかどうかは本区議会で議論となり、広範な区民の反対があったにもかかわらず、福祉予算との抱き合わせとなっていた同年九月の補正予算で可決されました。

 当初は、この東京鉄道立体整備株式会社は連続立体事業を行うものとして理解されていましたし、実際に定款にそのように書いてあります。この定款は現在も変わっておりません。一九九〇年九月十九日に企画総務委員会で配られた議事資料でも、事業概要の 1はNTT−A型対象事業であり、その項目として、道路と鉄道との連続立体交差事業の施工、それと付属街路(関連側道)事業の施工の二つがはっきりと書かれております。

 ところが、住民から監査請求が提出され、これが裁判となり、連続立体事業を定めた建運協定に、連続立体事業は都道府県及び政令指定都市しか事業主体となれないとされていることが指摘されると、東京都はしり抜けのための便法を考えるようになりました。それが座布団です。

 小田急線の連続立体事業にNTT−A資金が使われ出したのは平成七年度からです。私は東京鉄道立体整備株式会社への行政出資の撤回を求める住民訴訟の最終準備書面で、小田急線連続立体事業では、同社が道路事業としては補助一二八号線と鉄道との交差部分の二十四メートルのみを施工することとなっており、平成七年十一月に事業認可が都知事よりなされていたという記述を読み、これまでの議会活動で区側から全く知らされていなかった事柄だったために、平成八年十二月の初旬、道路整備部竹川勇次参事から事情を聴取いたしました。一二八号線は二十メートルの都市計画道路ですが、座布団とは、この二十メートル掛ける二十四メートルの四角い道路のことであります。豪徳寺と経堂の間にあります。世田谷の担当者の間で使われていた隠語として、この座布団という言葉が使われていたわけです。

 さらに私は、都市計画法第五十九条五項により、世田谷区がこの認可に際してとり行った手続に関する資料を入手し、調べてみました。資料には、東京鉄道立体整備株式会社による八月四日付の都市計画事業認可申請書が添付されており、これを読むと、座布団と呼ばれる道路事業の奇怪な実態が把握できます。ここで都知事から認可を受けている事業区間は、世田谷区新町二丁目から杉並区阿佐ヶ谷五丁目までの幅員二十メートル、全長九千二十メートルの東京都市計画道路補助街路一二八号線のうちの小田急線交差部分の二十四メートルにすぎないわけであります。他区間を実施する予定は全くありません。ところが、本体事業である道路築造費は三千三百六十万円であるにもかかわらず、総事業費は百二十億円となっております。

 しかも、この三千三百六十万円の道路事業の本体事業は、平成七年度から平成十一年度までの実に五年をかけて実施することになっておりますが、平成七年から九年までは事業費はゼロであり、平成十年に全額を使い、平成十一年にはまたゼロとなっております。事務費としてさえ、トータルで二億六千五十万円計上してあることを考えると、本体事業であるはずの道路事業はまさに便法にすぎず、座布団なる隠語が生まれるのも無理はありません。

 総事業費百二十億円の財源内訳は、NTT−A資金が六十億円で、その他が六十億円となっており、年度ごとに見ても、平成七年度のNTT−A資金が三億五千万円で、その他が同額の三億五千万円。平成八年度のNTT−A資金が十二億五千万円で、その他がやはり同額の十二億五千万円となっております。以降、事業終了予定の平成十一年まで、NTT−A資金とその他の資金の同額状態が続いております。これは何を意味するでしょうか。NTT−A資金と同額を都市側が出すことになっており、これは線増連続立体事業の在来線部分の国と都市側の負担割合を踏襲し、国の負担部分の代替がNTT−A資金ということになるわけです。

 ところで、皆さん、今の説明、おわかりですか。(「わからない」と呼ぶ者あり)わかりにくいですよね。これは天文学で言えば、ちょうど天動説に似ております。惑星や恒星の動きを天動説で説明するには複雑な方程式が必要です。しかし、地動説では同じことを説明するにも簡潔明瞭であります。なぜならば、真実は天が動いているのではなくて、地が動いているからであります。結局、東京鉄道立体整備株式会社は、名前のとおり連続立体事業を行うために設立されたものにほからならず、NTT−A資金を使って同社が連続立体事業の主体の一部となっていることは、まごうことなき事実だからであります。

 去る二月二十五日の第三セクター、東京鉄道立体整備株式会社の出資取り消し訴訟の第一審判決では、残念ながら原告は敗訴いたしました。裁判官は、東京都や建設省の官僚がなかなか解けなかった天動説の方程式を幾つかの惑星や恒星の運行に限っては、怪しげな公式を使って一応は解いてみせました。しかし、天動説はしょせん天動説にすぎません。東京鉄道立体整備株式会社の設立時の定款の建運協定違反を認めているにもかかわらず、違法な会社への出資を違法と認めず、後に是正されたとして免責すること自体、この判決の背理と言わなければなりません。

既に原告は控訴の決意を固めており、この訴訟は高裁での争いということになります。また本日は、ちょうど今この時刻に、東京地裁の別件の民事の工事差しとめ訴訟で、小田急の高架構造物の耐震性に関する証人尋問が行われており、これまた別件ではありますが、小田急高架事業の認可取り消し訴訟では、五月七日に建設省本省の前担当課長である溜水氏、この方は兵庫県の副知事でございますが、この方の証人尋問が行われることが決まっており、小田急問題をめぐる真実はこれからもことごとく明らかにされていくであろうということを申し添えておきたいと思います。

 ここで区長にお尋ねします。東京鉄道立体整備株式会社への出資の際の議事資料にある、事業概要の 1のNTT−A型対象事業として、道路と鉄道との連続立体交差事業の施工及び付属街路(関連側道)事業の施工を同社が行うことは適法であるのかどうか、お答えください。また、その後、事情が変わって不適法と考えているのであるならば、その理由をお示しいただきたい。

 さて、小田急問題から現在見えてきたことについて、ここでもう一点、区長にお聞きいたします。小田急線の問題の本質論です。緑地保全、マンション問題につながる問題でもあります。

 最近私は、インターネットで建設省の都市局のホームページにアクセスしました。その中に連続立体事業を解説したページがちゃんと載っております。そこには、連続立体事業との表題の下に、括弧書きで(いきいき都市フロンティア事業)と書かれてあります。その解説として、複数の幹線道路と鉄道との立体交差事業を進めます。また、連続立体事業とあわせ、土地区画整理事業などにより都市基盤施設を再編成し、快適で利便性の高い、活力あるまちづくりを一体的に推進する、いきいき都市フロンティア事業を実施しますというふうに書かれてあります。「いきいき」とか「快適」とかは修飾語にすぎません。要は連続立体事業の本質は、バブル期のウオーターフロントとかリバーフロント──例えば高島屋開発なんかはリバーフロントにも当たるわけであります──などのフロンティア開発の発想のもとにあることは明らかであります。バブル期のフロンティア開発の構想そのものであります。

 建設省は先ごろ、建築基準法等の改正を目的とした審議会答申をまとめましたけれども、素案の段階であった公共性の文字が消えてしまい、答申では規制緩和が全面に出てきており、バブルの再来さえあるのではないか、そういうふうに新聞は報道しております。

 午前中から緑地保護やマンション問題についての論議がこの議場で展開されましたし、既に本議会にも幾つかのマンション紛争、車依存型の大店舗マーケットの問題、これらの請願や陳情が上程されております。今、世田谷は、緑地保護や良好な住環境を維持することに関して、危機的な状況にあることは明らかであります。

 小田急線の高架連続立体事業が、六・四キロメートルのうちに新設、拡幅含め二十五本もの道路をつくり、鉄道沿線や道路周辺を超高層化、あるいは高層化、高度利用化していく事業と一体であることは、既にこの壇上から何回か指摘してきたところでございます。今や補助五二号線、一二八号線、一五四号線などなど、マッカーサー道路と言われ、つくられることもないだろうと思われていた道路事業が一斉に動き出そうとしております。外郭環状道路の立ち上がりも見え隠れしたりしております。今、世田谷に碁盤の目状の道路を整備することは、良好な住宅地の一挙的崩壊につながるというふうに考えます。

 そういった世田谷にとって、根本的な構造変化の危機を前にしているのだということを前提にして対策を立てなければ、緑地保護や良好な住宅を守ることはすべて絵にかいたもちにすぎません。私は、今こそ世田谷の将来に対する明確なビジョンを区長が打ち出すべきであるというふうに考えます。区長は昨年六月の定例会で、木を一本切り倒したら一本植えるつもりでとおっしゃいました。その言は貴重であります。しかし、切り倒してはいけないのであります。既に予算の要望の中で私の考えは述べさせていただきました。世田谷の緑を守り、住環境を守るということは並大抵のことではできないのであります。

 しかし、今なら世田谷にはまだまだ可能性があります。それは、まだまだ良好な住環境が現に残っており、またそう思う人がおり、小田急のような困難な問題でも闘い続けている市民がいるということであります。緑もなくなってしまうような地域では、もはや人は緑を守ろうとすら考えなくなるものであります。逆を言えば、今が世田谷を救う最後のチャンスである、そのように考えなければならないと思います。区長がおやりにならないのであれば、区長を倒してでもやらなければならない、そういう課題であるというふうに考えます。

 大事だと思うことを三つ挙げてみたいと思います。

 第一に、一戸建てをぜいたくだと思わないことであります。世田谷の緑は民有地の緑が支えてきたことを忘れてはなりません。成城や田園調布がぜいたくでしょうか。人が住む当たり前の環境ではないですか。当面の経済ニーズからマンションを林立させることは避けなければなりません。悪貨は良貨を必ず駆逐します。

 第二に、世田谷のある種の不便さを長所だというふ

うに考え直すことであります。農道から成る道は必ずしも悪いわけではありません。少なくとも住環境を今まで守ってきた大きな功績がありますし、車だけが通れる道は必ずしも便利でも安全でもありません。さらに言えば、車に過度に依存しない生活こそ、今や文化的だというふうに考えるべきなのであります。

 第三に、世田谷のよさを守るためには大胆な政策提起を東京都や国に向けて発信すると同時に、市民と手を携えて新しい規範をつくっていくことであるというふうに考えます。住み続ける人のための相続税減免の問題や緑地保存のための優遇策、大規模再開発、高度利用につながる都市計画の大胆な見直しを提起することは重要な課題であります。小田急の問題に特化して言っても、小田急の地下化は今でも間に合います。今からでも転換した方が、土地資源の有効利用の観点からも、経済的な観点からいっても、事業の早期実現のためにも優位な政策選択であります。小田急事業は道路の拡幅事業がセットにはなっておりますが、これを最小限に食いとめることも可能であります。

 要は、公共事業の名をかりた不動産開発から撤退して、膨れ上がった予算をシェープアップし、生活のあり方や文化のあり方を見直すことこそ、今や必要とされていることであるというふうに考えます。そうでなければ、世田谷は急速に荒廃していくだろうと断言せざるを得ません。小田急事業の進展と同時に見えてきた都市の大規模再開発の動向と世田谷の将来について、区長の所見をお伺いいたします。

 最後に、緑地保全に関連した岩崎邸の売買契約問題について一点だけお聞きします。

 山中総務部長は、昨年十二月十八日の企画総務委員会の岩崎邸の土地取得に関する疑惑の追及を求めた請願についての審議で、順正寺と岩崎氏との売買契約についての双方の印鑑証明を伴う契約破棄の文書を見たと発言しました。ところが、後に年が明けて二月になってからの企画総務委員会の席上、前言を翻し、岩崎氏の印鑑証明は確認できたが、順正寺の印鑑は実印であることは確認できなかった。印は見た旨の発言をし、前言を翻しました。この訂正によって、本日も川瀬助役は、契約が破棄されているか否かは確かめてみる手だてを持たない旨の発言を繰り返しました。

 ところで、十二月十八日の企画総務委員会での請願の審査は、山中総務部長の語った、印鑑証明つきで実印のある契約破棄文書を見たとの発言によって審議の方向は決定づけられ、結果は継続審査扱いとされてしまいました。山中発言が審議の内容を方向づけてしまったということで問題だという指摘は真鍋議長の指摘でもありますが、私は、請願の署名議員の一人として看過できぬ問題であるというふうに考えます。とりわけ山中総務部長は、本件問題で区が編成した調査委員会の長であります。もし契約破棄文書を見せられたのであれば、まず第一に確認するはずのものは日付であります。ところが、山中部長に何度尋ねても、いつの文書であるか、日付を特定できないのであります。いつの文書であるのかわからないのであれば、もう一度神谷氏に確認をとってもらえないかと依頼もいたしました。いまだに日付の確認すらとれていないのであります。

 ところで、山中総務部長は二月の企画総務委員会の席で、順正寺の印が実印であるかどうかについてはわからないと言ったものの、岩崎氏側の印鑑は実印であるとの見解を踏襲しております。ところで、同氏は印鑑証明と実印を照らし合わせてみたわけでもないのであります。その印が岩崎氏の実印であったか否かは私も知るよしはありません。しかし、印鑑証明と照合もしていない印を印鑑証明のついた実印といまだに言い得るというのは、総務部長として常軌を逸していると言わなければなりません。山中部長は、印鑑証明は八月に岩崎氏が区あてに届けたものを見ていると言うのであります。記憶に透かしてみれば実印の確認作業は済むとでも言うのでしょうか。紙で透かしてみなければわからないのではないでしょうか。もし実印だというふうに言い張るのであれば、事務方としてはそれだけで失格ではないでしょうか。

 山中総務部長の報告はかくもあいまいもことしているものであるにもかからわず、川瀬助役は十二月十八日の企画総務委員会で、また大塚助役は十二月十六日の都市整備委員会で山中総務部長の契約破棄文書を見たとの発言を行うことによって、審議の方向を大きく誤らせたと言わなければなりません。しかるに、いまだにその責任については陳謝もなければ、弁明もない。とりわけ大塚助役は、誤認発言を取り消すべき機会でもあった二月の都市整備委員会に、あえて欠席さえもしているのであります。こんなことで正しい議会運営が保障されるとは決して思えないのであります。議会を愚弄し、国民の請願権を踏みにじった山中総務部長及び川瀬、大塚両助役は辞職されるべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお聞かせいただきたい。

 通告いたしました残余の質問につきましては予算委員会などの機会に譲り、壇上からの質問を終わります。

   〔大場区長登壇〕

◎(大場区長) 小田急問題につきまして、第三セクター東京鉄道立体整備株式会社訴訟東京地裁判決と区長の対応についてご説明申し上げます。

 ご指摘の東京地裁の判決は、東京都や世田谷区など

が東京鉄道立体整備株式会社に対して出資したことから、会社そのものが違法な存在であるという主張を行い、以後の出資などの差しとめや、都知事や区長などの個人に対して、出資等に係る損害の賠償を求めていた住民訴訟に対する判決でございます。

 判決の内容は、新聞報道から見ますと、おおむね次のとおりとなっております。

 住民が第三セクターの管理運営に直接関与する方法がないとしても、議会で議決された出資を違法と言うことはできない。また、高架にするか地下にするかは出資の前提になっていないと判断しております。この判決に対する評価でありますが、区の東京鉄道立体整備株式会社に対する出資の正当性が認められたと理解しております。いずれにいたしましても、小田急関連の一連の訴訟の一区切りと認識いたしております。

 続きまして、再開発あるいはマンション建設が増加いたしておりまして、緑が減少している、こうした開発行動をどう考えるかということでございます。

 バブル経済が崩壊し、地価上昇も頭打ちとなったとはいえ、宅地開発や住宅建設も相変わらず増加傾向にあります。その結果、既存の樹林や農地が減少しつつあるのも、残念ながら事実であります。そのような動向に対処するために、都市緑地保全法に基づく緑地協定や土地所有者との保全協定の締結などの努力を行ったり、またトラスト協会においても、民有地の緑を保全する市民緑地制度の検討を進めております。また、区全体の緑の保全整備につきましては、緑の基本計画を策定していくために、来年度の予算にも調査費をお願いしているところであります。

 緑を守り育てながら、質の高い住環境をどうつくっていくのか。区としても最大限の努力を傾けているつもりでありますので、引き続き前向きのご提言とご理解をお願いいたしたいと思います。

   〔川瀬助役登壇〕

◎(川瀬助役) 岩崎邸の問題について再度ご質問がございましたので、お答え申し上げます。

 この件については再三申し上げているとおり、区の立場としては民民の問題には立ち入らない、瑕疵のない物件でなければ契約の事務を進めないという原則を何度も申し上げております。それで、ご疑念の法的な解釈については文書で所属委員会にご報告を申し上げております。

 それから、ただいま山中部長の発言の中で誤りがあったという点については、おわびを申し上げて、二月十九日の同委員会で訂正をさせていただいております。

 これが決定的な判断材料になったというご判断を示されましたが、私はそのように理解をしておりません。そういうことではなくて、さまざまな議論の中で継続審議というご判断をなさった、あくまで継続審議というご決定をなさった、そういうふうに理解をしております。この取り扱いについては企画総務常任委員会の中でも、今後いろいろ相談をしていこうというふうに取りまとめられたというふうに理解をしております。

 再度申し上げます。したがって、本物件に瑕疵がないことが実証されない限り、取得契約の交渉はいたしません。

   〔大塚助役登壇〕

◎(大塚助役) 私からは、東京鉄道立体整備株式会社の当初計画と現在の計画の変更についてお答え申し上げます。

 東京鉄道立体整備株式会社の事業のうち、当初、NTT−A型資金の導入計画では、西武鉄道、小田急電鉄における都市計画決定区間の中を対象区間として算定していたところ、小田急電鉄のうち、下北沢区間を除く事業認可区間に対象箇所を限定したために、資金計画を見直ししたための変更であると聞いております。このため、資金計画のうち借入金が減少していることは償還金も減少することになり、区が出資した東京鉄道立体整備株式会社の財務会計上の負担の軽減につながるものと理解しております。

 それから、立体化に伴っていろいろご意見をいただきましたが、立体化を推進することによりまして、一つは南北の交流が図れるようになり、一方、防災的にも南北の交通が潤滑に行われるようになることなど、さまざまなメリットがございます。また、既に喜多見駅周辺については駅前広場、そういったものも整備れており、この立体事業は、私どものまちづくりの中においても、その区の役割を十分果たしていく場合に、まちづくりの一つの転機になるものととらえて整備を図っていきたい。そういった意味では、有効なものではないかというふうに考えております。

◎徳善道路整備部長 私から、小田急線の東京鉄道立体整備株式会社によります補助一二八号線の事業認可と工事の関係についてお答え申し上げます。

 初めに、都市計画事業でございますけれども、都市計画事業は都市計画法第五十九条によりまして、国の機関、都道府県及び市町村以外の者は、必要な手続を経て施行することができると規定されております。

 お話の東京鉄道立体整備株式会社でございますが、この会社はNTT−A資金を借り入れ、この資金を活用し、連続立体交差事業の推進を図ることを目的としまして、平成二年八月に設立されておりまして、株主は、東京都、練馬区、西武鉄道、小田急電鉄、金融損保九社で、当時は資本金は九億円でございました。

 その後、世田谷区では平成二年の九月に区議会の議

決を受けた後、出資金として一億円を出資いたしておりまして、資本金は十億円となりました。また、その後、平成七年八月に、目黒区、品川区、東京急行電鉄が株主として参加しておりまして、資本金は十一億九千万円となっております。

 お話の東京鉄道立体整備株式会社と小田急線のかかわりでございますが、この会社は小田急線の梅ケ丘駅から成城学園前駅間の連続立体交差事業区間にある補助一二八号線を都市計画道路の整備事業といたしまして、都市計画法上の手続を行い、事業認可及び道路管理者から承認を受け、事業施行者となっております。

 鉄道が道路をまたぐためには、相当程度の鉄道区間の高架化が必要となります。この高架化工事が道路整備事業に附帯するということで、実際の工事は鉄道事業者が施工しておりますが、立体化の一部を負担しております。

 この区間の施工状況でございますが、現在、附帯工事区間約六百メートルにおいて土どめぐい、基礎ぐい等の施工を行っております。在来線の移設工事及び踏切の移設は現在完了しているところでございます。

 以上でございます。

◆三十七番(木下泰之議員) 先ほど区長が答えたんですが、答弁漏れです。

 NTT−A型資金事業として道路と鉄道の連続立体交差事業の施工、附属街路事業の施工を同社が行うことは適法であるかどうか、現在どう思われているかどうか、そのことについてお答えいただきたいんですが。

   〔大塚助役登壇〕

◎大塚助役 失礼しました。道路事業を行うに当たりましては、東京都の認可を受けて行っておりますので、適法と思っております。

◆三十七番(木下泰之議員) 先ほど聞いたとおりにお答えいただきたいんですけれども、それでよろしいんですね。道路と鉄道の連続立体交差事業の施工と附属街路事業の施工をやることは適法である、それでよろしいんですね。どうですか。

◎徳善道路整備部長 東京鉄道立体整備株式会社は、補助一二八号線の道路施工者でございます。

○(真鍋欣之議長) 以上で木下泰之議員の質問は終わりました。