2003年10月9日決算特別委員会質疑<都市整備委員会所管分>


平成15年  9月 決算特別委員会
平成十五年決算特別委員会<都市整備委員会所管分>
決算特別委員会会議録第六号
日 時  平成十五年十月九日(木曜日)
場 所  大会議室



○菅沼 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆ 木下 委員 今、下条委員からエイトライナーの話がありましたけれども、私は南北交通で公共交通をきちっとつくるという話は、これは全体の都市のレイアウトとして、道路交通、つまり自動車交通に依拠しない新しい町をつくるという観点できちっとレイアウトするのであれば、それは非常に大事なことだと思うけれども、今までの経緯からいって、エイトライナーをつくって、その周辺を再開発してという話が基底にある限り、これはうまくいかないだろうし、そういったものでは意味がない、そういうふうに思っています。

 そして、本会議でも申し上げましたけれども、例えば戦前からずっと見ても、南北交通の問題なんかあったわけですね。例えば梅丘のところを南北に貫く新山手線の計画も戦前にはあったわけですよ。それから、近いところでは昭和三十九年に、まさに喜多見から世田谷通りを通して、そして表参道の方に抜ける地下鉄路線、これが今の小田急線に複々線で張りつくことにさせられてしまって、非常に難儀しているわけです。

 それから、京王線も方南町を通って新宿に抜けるルート、そういったものもあったわけです。そうすれば多様な、つまり、今の世田谷区役所は非常に不便だと言われている。そういったことについての解消にもつながっただろうし、それから、京王線と国鉄の間にまた一つのルートができていた、そういったことにもなったわけです。ですから、都市の問題というものは、トータルプランとしてどうするかということも、きちっと見定めた上で立てていかないといけないのではないか、そういうふうに思っております。

 そして、都市計画を考える場合に、世田谷では非常に大きな問題があります。小田急線の問題で、これも本会議で質問したわけですけれども、六十二年、六十三年に行われた都実施の連続立体交差事業調査、これについての報告書は、もう既に三年近く前に全面公開されているにもかかわらず、世田谷区は本会議のこの前の質問の時点で、まだ手に入れていないとおっしゃった。それから、平成十二年度実施の下北沢地区の連続立体事業調査の報告書、これもまだ手に入れていないとおっしゃった。今でもまだ手に入れていないんですか。二週間たちましたけれども、いかがですか。

◎工藤 交通企画課長 まだ手に入れておりません。

◆ 木下 委員 大体どういう要請をしているんですか、工藤課長。

◎工藤 交通企画課長 これにつきましては、担当者のレベルで、まずお話をさせていただいているところでございまして、事務レベルの打ち合わせをしていただけないかというお話を東京都にさせていただいているところでございます。

◆ 木下 委員 都市整備部長に聞きますけれども、基礎的自治体が、これだけ大きな都市計画事業について、基礎調査、まさにベースになる調査の報告書さえ、一切手に入れないで仕事をする、そういうことはあり得るんですか。

◎株木 都市整備部長 いろいろな調査というのは、意思決定をするための基礎となるデータを出す資料でございまして、今回のいろいろご要望のある報告書につきましては、東京都の説明によりますと、計画変更をするための事前の調査の資料ということで、その内容につきましては、計画変更については、私ども都の方から説明を受けているということでございます。

◆ 木下 委員 本会議での答弁の繰り返しだと思うんですけれども、しかし、まさにある事業をするに当たって、予算がどうなのかとか、それから、例えば小田急線の問題については、狛江の地区では南北に側道が通っているにもかかわらず、世田谷区内を通るところについては南側には側道が通っていないわけですね。側道が通るか通らないかによって、莫大な予算の違いもあるわけですよ。環境上もいろんな問題がある。そういうことについては、まさに基礎調査のデータをきちっと見なければわからない。

 まさにそのことが裁判の争点になっていて、これは住民側が一部開示させた中で、専門家がきちっと類推をして、それでそのことが裁判の中で争われて、裁判の中では全面公開になっているわけですよね。まさに、ここで私はそういうことについても議論をしたいと思っているわけですよ。ですから、先ほど言った資料なんかは、私どもは持っていますよ。それを行政が持っていないというのはおかしいと思いませんか。部長さんは東京都からいらしたそうですけれども、前はどこにいらしたんですか。

◎株木 都市整備部長 都市計画局でございます。

◆ 木下 委員 じゃ、あなたは当然見ていますよね、知っていますよね、いかがですか。

◎株木 都市整備部長 部が違ったものでして、詳しい内容までは見てございませんけれども。

◆ 木下 委員 問題は世田谷区政のあり方なんですね。この種の調査については、例えば目蒲線の連続立体事業調査については、品川区は担当者がきちっと持っていましたよ。そんなことは当たり前じゃないですか。

 それから、下北沢地区の連続立体事業調査、これも実は二月に都市計画決定しているわけですよね。そうしますと、前の経緯からいったら、決定された以上は、それはもう公開してもいい資料なわけですよ。これは市民の方が先に手に入れることになるわけですよ。もうこれは公開されているのは知っていますか。工藤課長、知っていますか。

◎工藤 交通企画課長 品川区のご質問につきましては……。

◆ 木下 委員 下北沢の調査について聞いているんです。

◎工藤 交通企画課長 存じ上げてございません。

◆ 木下 委員 これはある会派が非常に努力されて、都議会のある議員がとっていますよ。生活ネットですけれども、非常に努力されてとられている。そういうことがあるわけですよ。下北沢の調査についてさえ、ここでは具体的に議論したいわけですよ。ところが、まだ持っていないとおっしゃる。こんなことで下北沢の都市計画なんてきちんと議論できますか、いかがですか。

 例えば下北沢については、浅い深度の地下道路をつくったらどうかという提案を町の人たちがしていた。しかし、それはできませんという話なんですよ。できるかできないかについては、基礎調査と照らし合わせながら、いろいろ議論しなければできないんじゃないですか、いかがですか。

◎工藤 交通企画課長 説明会等は、下北沢については一緒に来ているわけでございますけれども、その都度、必要な情報については東京都から得ておりますので、大丈夫だというふうに考えております。

◆ 木下 委員 その都度、必要な調査と言うけれども、必要な調査が何であるか、なぜわかるんですか。つまり、そんなことは基礎調査を見なきゃわからないんですよ。

◎工藤 交通企画課長 その都度、必要な調査と言ったのではなくて、必要な事柄については情報を得ておりますということでお答えしております。

◆ 木下 委員 この前、調査関係で、大場前区長が証人尋問で呼ばれたんですよね。大場前区長は総事業費は幾らですかと聞かれたときに、一切答えられなかったんですね。一千九百億円というのは、これは前から、ここでも議論してきたし、その規模さえ言えなかった。また、ちなみに一般会計予算、ことしは三千億円というふうにおっしゃっていましたよ。前区長自身は非常に不見識でしたよね。

 それで、熊本区長に対しても同じことを説明されて、同じように対応をとられるというのは、これは非常に不見識だと思いますよ。熊本区長に対して、持っていないということをきちっと説明できますか。

◎工藤 交通企画課長 事実としてご報告いたします。

◆ 木下 委員 じゃ、熊本区長に聞いてみましょう。

○菅沼 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

   ──────────────────