2003年3月19日予算特別委員会質疑<都市整備委員会所管>


平成15年  3月 予算特別委員会
平成十五年予算特別委員会
予算特別委員会会議録第六号
日 時  平成十五年三月十九日(水曜日)
場 所  大会議室

○宍戸 委員長 引き続きまして、無党派市民、どうぞ。

◆ 木下 委員 井の頭線の土手を取り払うというような計画が世田谷区の下北沢のまちづくりのプランの中から出てきているわけなんですが、この土手を取り払っていろいろ使うというにはいろんな手続も必要だと思うんですけれども、区が出してきている案というのはどのレベルの案となっていて、京王線との関係はどうなっているのか。また、事業手法について何を考えているのか、教えてください。

◎安水 北沢総合支所街づくり部参事 委員の今ご質問の井の頭線の盛土の関係でございますが、これは、せんだってまちづくり整備計画案の中でお示ししておりますが、こちらの件につきましては、およそ二十年ほど前から、昭和のころからでございますけれども、道路あるいは駐車場などにしまして、まちづくりに活用してほしいというようなことを、これは地元の商店街、町会も含めて強い要望があります。

 区といたしましては、そういう要望等を踏まえまして、基本計画の中、これは十三年度でございましたが、十四年度、今回整備計画案をつくっておりますが、こういう中で茶沢通りから駅前への連結強化、こういう課題解決の一つとしてとらえております。整備計画案の中では具体的な構造検討というものは行っていない状況でございますが、盛土を活用した駅へのアクセス道路の整備のイメージとして、今回お示ししたところでございます。

◆ 木下 委員 そうすると、整備のイメージということで、それはまだ固まっていないというふうに考えていいんですか。

◎安水 北沢総合支所街づくり部参事 おっしゃるとおり、費用負担、今後、その辺は多くの課題があると考えています。今後の進め方でございますけれども、基本計画におきます六つの基本方針というものを掲げておりますが、そういうものを含めまして、今後の話といたしましては、地元あるいは所有者の――これは京王電鉄でございますけれども、これを踏まえまして、利用方法、それから費用負担等も引き続いて協議をして、具体的な事業手法も含めて考えていきたいと考えております。

◆ 木下 委員 京王線の構造物を使うに当たって、何か極めてあいまいな形でこういう案が出てきて、あたかも、もうこれで進めていくかのような形でまとめられているということは僕は非常に心外です。

 今、小田急線の問題もさることながら、この井の頭線のことで考えますと、六月になるとアジサイのライトアップまで含めて、アジサイが土手沿いにずうっとあることが非常に名物になっているんですね。世田谷区はビオトープの問題とか、盛んにいろいろ出してきていますけれども、新たにビオトープをつくって、それで生物の多様性についてのいろんな観察をするという、そういう時代にもなってきているわけですよ。大事なのはビオトープとビオトープの間をつないで、生物の多様性を確保するためにある種のコリドーをつくっていく、そういう手法が都市の中でも必要になってきている。

 そういった中で、井の頭線の土手をアジサイでつないでいくというようなことは、つまり渋谷から井の頭公園まで、自然のビオトープというか、コリドーが実際にできているということだと思うんですね。今、自然面がすごく減っている中で、こういった高架にしている限りは、高架構造物を鉄とコンクリートにするよりも、土手の方が騒音等については非常に抑止することができる。

 そういうことも含めて、また自然面を残すことができるということで、都市の中にはある種のむだというか、そういう自然面が残っているところがあることが大事であって、下北沢なんかについて言えば、まさにそういうところがあるからこそ魅力のある町になっていると思うんですよ。その辺については、今後のまちづくりにとって本当にそういうことをするのがいいのかどうかということは、やっぱり根本からきちっとやらなければいけない。

 二十年前からそういう議論があると言うけれども、昭和の時代はもう近代化に染まっていましたよ。しかし、今は近代化一辺倒のそういう都市計画というのは、やはりある意味で時代おくれになってきています。だから、そういうことを踏まえて、きちっと再検討するように、それは要望しておきます。

 それから、補助五四号線と区画街路一〇号線、あそこで挟まれた場所、井の頭線と三角になっている部分、ここは再開発の計画等についてはどういうふうに考えているんですか。私はほっておくと、これは超高層ビルとか高層ビルが建つような都市計画になってしまう。広い道路ができますから、それから広い道路をつくるために立ち退きも出てくるでしょうから、その辺のまちづくり計画というのはどういうふうになっているのか、ちょっとお聞かせください。

◎安水 北沢総合支所街づくり部参事 下北沢の駅周辺のまちづくりに関しましては、これは地元の懇談会からも出ておりますが、歩行者主体のまちづくりというような提言も出ておりますし、区といたしましても、やはり歩行者主体のまちづくり、これは基本的な考え、方針にとらえております。

 ただ、一月に既に都市計画決定いたしました区画街路一〇号線、これは駅前広場、それと五四号線の変更でございますが、こちらについては、今後周辺は建てかえが進んでまいります。委員がおっしゃいました駅前広場と五四号線の間は、確かに残地等がございますので、残地といいましょうか、債権がございますので、(「端的に答えてください」と呼ぶ者あり)はい。そういうことで、建てかえが出てくると思います。

 ただ、下北沢の場合は容積率が五〇〇ということでございますので、都心で言いますように、容積率一〇〇〇とか、一二〇〇ということではございませんので、今あるような七、八階とか、その辺が可能だろうというふうに思っております。

◆ 木下 委員 気をつけませんと、あそこはとにかく高層、超高層が建ち得るような条件が出てくるわけですよ、二十六メートルもの広い道路をあそこに通してしまうという計画が出てきちゃっているわけですから。町の人は、やはりあれを通すなということがあって、あれを三線道地下にするという、そういうプランも下北沢商店街から具体的に、設計屋さんまで協力して、そういうプランも出してきたわけですね。そういう計画についてきちっと検討したのかどうかというのが一点。

 それから、補助二六号線、これは東北沢の問題ですけれども、あそこの商店街があのままの計画だったらつぶれちゃいますよ。せっかく小田急線が地下になったわけですから、三十三メートルもの道路は要らないはずなんですよね。あそこはあそこに見合った形の幅に縮小することだってできると思うんですけれども、そういう検討はきちっとしたんでしょうか。その二点。

◎安水 北沢総合支所街づくり部参事 まずは地元商店街さんから(「端的に答えてください、時間がないですから」と呼ぶ者あり)はい。地下通過の話がございましたけれども、区としての考えは、都市計画道路というのは交通機能とか防災機能、市街地形成機能、これが大きな役割だというのが基本的な考えです。

 補助幹線道路は現道の土地とか建物(「そういうことを聞いているんじゃないんですよ。検討したかどうか聞いているの」と呼ぶ者あり)ええ。区としては、これは防災上、調査を行う(「そんなことは聞いていないですよ。どっちか聞いているんですよ、調査したかどうか」と呼ぶ者あり)ええ、調査しておりません。

◆ 木下 委員 大事なことについて調査もしないで、まちづくりの基本コンセプトを決めているのが今の区のやり方なわけですよ、東京都も含めてね。こういうことでは下北沢の町は守れないと思いますよ。下北沢はやっぱり歩いて楽しめる町というようなコンセプトを持った以上は、また高層ビルにしないというようなコンセプトを持った以上は、それを規制することをやらなければ……。

○宍戸 委員長 以上で無党派市民の質疑は終わりました。

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